好きなゲーム世界に転生?した俺が知識無双

くにこめ

文字の大きさ
23 / 58

飲み会

しおりを挟む

「とにかく今日は頑張ったな!カンパーイ!」
「かんぱーい!」
「乾杯。」
「・・・・。」

ここは冒険者達が集まるジークデン酒場である。
一仕事した後に飲み会があるのは、日本でもこの世界でも一緒らしい。

(とはいえ最近は飲み会も特別な時だけになった・・・まあ、俺はそれすら誘われたことないけどね。)

最近は飲み会が無駄だという風潮なのでかなり限定的になった。
基本的には飲み会に誘うというのは、仲良くなりたいから誘う。
俺みたいな無能と仲良くなろうとする人間は、上司にも同僚にも誰もいない。
それどころか時間の無駄、そして仲良く思われる事自体・・・恥なのだ。

飲み会は苦手だったので良かったと思う反面・・・誘われないと、いかに自分は不要な人間なのかを思い知らされた。
なんか思い出すと泣けてきた。

「なんだ、泣いているのか?おいおい、久しぶりの迷宮だからビビったのか?そんなんじゃあ、これからやっていけないぞ!」

今までの会社での事を思い出して、不覚にも涙が出たのだが、バナザードに理解できないだろう。

「ああ、いえ、危険な迷宮に装備もなしで連れていかれたのがつらかったので・・・。」
「お!そうだったっけ・・・いや、あれはお前がどれだけ度胸がある奴か試したんだよ。それでビビる奴なら、田舎に帰って静かに生きろと言おうと思ってな・・・つまりは善意!すべては善意の行動だ。わからなかっただろうがなあ・・・。」

(いやいや、数合わせの荷物持ちに連れて行っただけだけで、絶対善意なんてないだろう・・・が思ったより悪意のない奴みたいだから、許して話にのってやるか。)

「そうだったんですね。誤解してました。」
「そうだよ、そうそう。あー、それよりもアリアさん綺麗だったよな!」

たしかに戦乙女アリアの美しさは異常だった。
そして強かった・・・現実にあんな人間は存在しないだろう。

「たしかにあの美しさは人間離れしてますね。女神でないと説明がつかないレベルです・・・。」
「女神かあ!よくわかってんじゃねえか!」
「ええ、まあ。」
「でも・・・言っておくがアリアさんに近づくなよ?わかってるよな?」
「もちろんです。俺なんかが近づいたら迷惑ですよ。」
「おお、そうか!それならいいんだ!」

そう言って俺の背中をバンバン叩く。
完全な酔っぱらいだ。
飲み会がこんな酔っぱらいばかりなら、今まで呼ばれなくて良かった気がしてきた。

「アルさん、先ほどぶりです。隣良いですか?」
突然肩を叩かれて驚いて振り返ると、話しかけてきたのは迷宮であったカナタだった。

「え、ああ、いいですよ。」
意外な人物から声をかけられて驚いたが、どの席に座ろうと自由だ。
断る理由はない。

了承を得て隣にカナタが座った途端、バナザードはそっぽを向いて他の仲間と雑談し始めた。
性格の不一致のせいか、苦手らしい。
そのおかげで酔っぱらいから解放されたので良かったかもしれない。

「迷宮ではどうも。えーと・・・もう寺院には行ってきたんですか?」
「ええ、死体は無事寺院に送り届けて、後の事はアリアさんに任せました。パーティメンバーもあそこで飲んでますよ。」

喧噪やかましい酒場の指さした丸テーブルには、メリアドールを筆頭とするメンバーたちが楽しそうに飲んでいた。

「なるほど、それで回収した彼らは生き返ったんですか?」
「それはわかりません、後はアリアさんたちの問題ですから。冷たく見えるかもしれませんが、あまり多くの死に立ち会うと気分が沈んでしまいます。だから、必要以上に関わらないようにしているのです。」

(死か・・・俺ももしかしたら迷宮で死ぬ事もあるかも知れない。)
この世界の感覚は現実と変わりないが、やはり俺の知っているゲームに似すぎて現実感がない。
しかし、今回は戦いをただ眺めていただけだからそう思えるだけなのかもしれない。

「どうしました?」
「いえ、なんでも・・・そういえば迷宮内で騎士ブレイブと親しいかどうかの質問をしましたよね?」

「そうです。実はその事について聞きたくて話しかけました。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます

わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。 一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します! 大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

魔王メーカー

壱元
ファンタジー
その少女は『魔王』になるべくして創られたーー 辺境の地のごく普通の農民夫婦の間に生まれた、黄金の目と髪を持つ美少女。 魔法、語学、創造力に長けた神童は、無知な村人達に「悪魔」と呼ばれて恐れられ、迫害を受けるようになる。 大切な人にも見捨てられ、全てを失った彼女は村を脱し、自由を得る。しかし、その代償は大きかった。彼女はその無垢な心に傷を負い、ある人物との接触をきっかけに、その力を世界への復讐に用いるようになっていく...。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

処理中です...