12 / 18
第12章 レイ姫の悩み
しおりを挟む
さてさて、僕の馬もだいぶ強くなって来たぞ。
国内のGIなら勝つの当たり前だね。
クラシック勝てない晩成の馬でも、秋三冠やってくれたり、強い仔が出始めた。
「王子、俺のイエローサンダーが引退になります。凱旋門は掲示板止まりですが、キングジョージ勝ってますよ。ダイワスカーレットのお婿さんになれませんかね?」
「え?本当?見てみるね」
えーっと…
ダン君の牧場の…種牡馬…イエローサンダー。
「うん、インブリードは3本有るけど、そんなに血は濃く無いね。ニックスも出てるし、種付けしてみようかな?」
「ニックスって何スか?」
「相性みたいなもんかな?良い仔が産まれる可能性が高い組み合わせだね」
「おおっ!走るのが産まれると良いっスね!」
「この馬と種付けしても良いですか?」
良し、yesをタップだ。
「では種付けします。どんな子が産まれるか楽しみですね」
一月送って…
ちゃんと止まったか見に行こう。
「ダイワスカーレットです。お腹に居るのはイエローサンダーの子です」
「良し!受胎した!丈夫な仔を産んでくれよ」
「王子、楽しみっスね」
「うん。早く産まれないかなぁ。ふあ~っ」
あ、もうこんな時間だ。
部屋に帰って寝なきゃ。
【ノホ王子の部屋】
寝る前にもう少しだけ…
スカーレットとイエローサンダーの仔が産まれるところまでやりたいな。
《スマホを持ってこっくりこっこりするノホ王子》
「ふあ~」
寝落ちしそうだよ。
レース観戦はGIだけにしてるんだけど、GI出られる馬が増えて来たから中々進まない。
気になるけど、明日にしよう。
「お休みマーサさん」
《ノホ王子はベッドに入って眠る。そして…翌朝》
「おはよう。朝よ、起きて」
《ベッドの中でスースー寝息を立てているノホ王子》
「可愛い寝顔ね、もう少し見ていたいけど、もう起きないと遅刻するわよ」
《スマホのマーサさんの声にもノホ王子は起きない》
「お・き・て。さあ、早くご飯を食べて行ってらっしゃい」
《それでも起きないノホ王子》
【食堂】
《ハピネス国王とレイ姫がテーブルに着いている》
「ノホはどうしたのだ?」
「昨日遅くまで頑張っていたから、まだ寝ているのかしら?」
「んまぁ、なんでしょう!わたくし見て参ります」
【ノホ王子の部屋】
《スースー寝息を立てて気持ち良さそうに寝ているノホ王子》
「王子、ノホ王子」
「う~ん…」
「いつまで寝ているのです。早く起きなさい」
あれ?
マーサさんの声が変だぞ。
これは夢の中なのかな?
起きてるような寝てるような、夢だとわかってる時って有るよな。
「王子!早く起きて顔を洗ってらっしゃいませ!」
マーサさん怖いぞ。
いやいや、やっぱりマーサさんの声じゃないな。
僕の事「王子」って言ってるし、アラームにそんな設定してないもんな。
「国王陛下とレイ姫様が食堂でお待ちです。さあ、早く起きない。全く、お寝坊さんですね」
「あれ?ガミガミ夫人…?」
「ガミガミ夫人ではございません!ガミです!さあ、早く起きて顔を洗ってらっしゃい!お食事が済んだら図書館で歴史のお勉強ですよ。その後みっちりお説教して差し上げますから」
「ひゃー、はっ、はいっ!」
《慌てて飛び起きるノホ王子》
【秘密基地】
「おはようございます~」
「あ、ひ、姫様!おはようございますっ!」
「あらあら、ダンさん。そんなに改まらないでって申しましたでしょう?」
「は、はあ…」
「それがノホの決めたこの秘密基地のルールでしたわよね?」
「はい…」
「さあ、わたくしも頑張りますわよ。ダンさん。種付けをさせて頂きたいのですけれど」
「ど、どうぞ!」
「ありがとう、フフフ」
「姫様おはようございます。ノホ王子はどうされましたか?」
「今日はあの子寝坊して…今頃ガミさんにお説教されている頃だわ」
「あら、お気の毒に」
「ハンナさんは、ドリームカップに登録出来ましたの?」
「はい、何とか1頭」
「そうですか、わたくしも頑張らなくては…」
【図書館】
「では今日はこれぐらいに致します」
「ホッ…」
《ため息をついて本を閉じるノホ王子》
「何が「ホッ」ですか?!夜更かしをして寝坊して、朝食の時間に間に合わず国王陛下と姫様をお待たせするなどと」
「明日決戦の日だから、どうしてもやっておきたくて、気がついたら夜中の2時になってたんだ」
「実際の戦争なわけですから仕方ございませんけれど、もう少し早くお休みにならなくてはお身体にさわります。お小さい頃は良く熱を出されてわたくし寝ずに看病したものです」
そうたった。
ガミさんには随分心配かけたよな。
「戦争は王子一人でするものではございませんでしょう?あまりご無理をなさいませんように」
「はい」
【秘密基地】
「産まれましたわ~。ダンさん見てください。可愛い芦毛の女の子です」
「おお、これがイエローサンダーの子ですね(何だか姫様と俺の共同作業みたいで嬉しいなあ)」
「まあ、ご覧になって。牧場長のコメント「将来楽しみ」ですって」
「おお!このコメントが出れば大概GIで活躍出来ますね」
「わたくしこの仔でドリームカップ目指します。ありがとうダンさん」
「い、いえいえ」
《微笑むレイ姫に見詰められポーっとするダン》
「ダン君顔が赤いわよ」
「ハンナ、突っ込むなよ」
《レイ姫は意味がわからずニコニコしている》
「あら、どうかなさったの?」
「い、いえ、な、何でも有りません」
「アハハ」
「笑うか?!」
【図書館】
《図書館ではガミガミ夫人のお説教が続いている》
「ですからっ!わたくしがいつも申し上げているように、ガミガミ、くどくど…」
はあ…
《ふと時計を見るノホ王子》
「うわっ、もう11時半だよガミガミ夫人」
「あら、まあ、もうそんな時間ですか。では今日はこれぐらいで許して差し上げます」
昼食の前に少しでも秘密基地に行こう。
《ノホ王子はパソコンを抱えて走ろうとする》
あ、走るのはまずいよな。
《ガミガミ夫人を振り返るノホ王子》
と、とりあえず図書館を出るまでは静かに歩いて、と。
《静かに図書館を出て行くノホ王子を見ているガミガミ夫人》
「オホホ(感心感心)」
《ガミガミ夫人の顔がほころぶ》
【秘密基地】
「ハアハア…」
《ノホ王子が息を切らせて飛び込んで来る》
あれ?
姉上何だか嬉しそうだな。
《ダンと笑いながら話すレイ姫を見るノホ王子》
随分仲良くなったんだね。
「あら、ノホ王子。ガミさんのお説教から解放されたんですね」
「うん、やっとね」
「私もダートの仔でドリームカップ登録出来ましたよ」
ハンナさんも登録出来たのかあ。
僕も頑張らないとな。
「トゥザヴィクトリー良い仔を産んでくれたわあ」
トゥザヴィクトリーの仔か、じゃあ芝もダートも走れるんじゃないかな?
やった!
ダイワスカーレットとイエローサンダーの仔が産まれた!
「産まれましたね、元気な男の子です」
「お母さん似の綺麗な栗毛ですね」
お母さん似の栗毛か…能力も似ていてくれたら良いなあ。
《そして…》
いよいよスカーレットの仔が入厩するぞ。
名前は…
男の子だしなあ。
スカーレットは赤だから、レッド…
父親はサンダーで雷か。
じゃあ、赤い矢でレッドアロー?
「紅茶を入れましたのよ。皆さんお茶に致しませんか?」
「ありゃ、ひ、姫様。言ってくだされば私がやりますのに」
「わたくしにさせてください。ここではわたくしがしても良いでしょう?」
「でもでも…」
「ハンナさん、良いんじゃない?姉上の入れてくれる紅茶意外と美味しいんだよ」
「あら「意外と」は失礼ね。フフフ」
普段はメイドさんがやってくれるからね。
本当は姉上がやりたいみたいで、部屋に行った時、時々紅茶を入れてくれたりするんだよな。
料理もしたいみたいで、厨房に入ってシェフを困らせたりしてるよな。
「はい、ダンさんどうぞ」
「え?お、王子から」
「良いの良いの、僕は後で」
「し、しかし…で、では将軍に」
「私は後で構わんよ。姫様のお好きになさってください」
「どうぞ」
「は、はいっ!ありがとうございますっ!」
アハハ、ダン君汗汗で固まっちゃってる。
お姉様わかっててやってたら人が悪いよね。
でも、超天然だから絶対わかってないな。
だけど、ダン君に一番先にお茶?
まっ、良いか。
【バルコニー】
「ねえ、ノホ」
「うん?」
「わたくし…よその国の王室に嫁がなくてはいけないのかしら?」
「えっ?!」
「……」
お姉様が嫁ぐ?
ま、まあ、いつかはそんな日が来るんだよな…
「伯母様方はそうされたでしょう?」
「うん…そうだけど…」
「ノホが国王になって、わたくしは…わたくしは、貴方や国の為になるのなら政略結婚でも構わないわ…(でも…)」
「臣下に下った叔母上も居られるけど…」
「……」
「姉上。僕が国王になったら、政略結婚なんて無し無し」
「ノホ」
姉上がそんな事を考えていたなんて…
そりゃいつかは嫁ぐわけなんだけどね。
でも、嫌だな僕は。
遠くに行っちゃうなんて嫌だよな。
それに、どんな素敵な人だとしても僕は嫌だ。
姉上を取られちゃうわけだから。
【秘密基地】
「いよいよ次の水曜日が決戦の日だ。抜かりないように」
「はっ!」
イカリ将軍力入ってるな。
あ…スマホ壊してるし。
麗華さんも大変だな。
でもまあ、ドリームカップ登録出来たみたいだね。
まだ登録出来てないのは僕だけだ。
レッドアローは三冠馬になったから、次の年は海外に挑戦だな。
どうしよう?
春はドバイからかな?
それからキングジョージ行って、凱旋門かな?
【食堂】
《夕食を食べるハピネス国王、レイ姫、ノホ王子》
「どうだね、強い馬は生産出来たか?」
まあね。
あれ?
いつもならお姉様が先に口を開くのに…
何か考え事?
「どうしたのだ?レイ」
「あ、はい、お父様」
また嫁ぎ先の事を考えてたのかな?
僕が国王になっても姉上にはずっとここに居てもらいたいよな。
何か良い方法は無いかな?
【秘密基地】
さて、レッドアローはキングジョージを快勝して凱旋門賞に挑戦だ。
「嫌ですわ、ダンさんたら」
「す、済みません」
「フフフ」
《ふとレイ姫に目をやるノホ王子》
楽しそうに笑ってる。
いつもの姉上だ。
そんなに心配する事無いかな?
嫁ぐのは先の話しだし…
ずっとずっと先なら良いのにな。
「オーナー、いよいよ凱旋門賞の発走ですね、レッドアローを応援しましょう!」
良し良し、頑張ってくれよ。
スタートだ!
スローペースだな。
4コーナーでよーいドンになるパターンか?
レッドアローは先行してるけど…
あ、押し出されてハナに立った。
まあ、スカーレットの子だから逃げられるけどね。
そう言えば、エルコンドルパサーも逃げて2着に粘ったんだよな。
いやいや、ここは勝たないと。
第3コーナーで後ろの馬達が詰めて来た。
第4コーナー、馬群に飲み込まれるなよ。
並びかけられて、二枚腰使った!
長い直線だ。
まだ先頭走ってる。
そのまま行けーーー!
うおっ!二の足使った!
ゴール!
よっしゃ!3馬身差の圧勝だ。
あ、ドリームカップ登録?
勿論Yes。
はあ…
やっと僕の馬もドリームカップに登録出来たぞ。
「皆さ~ん。お茶に致しません事?」
「はーい(姉上嬉しそうだね)」
【秘密基地のリビング】
「クッキーはいかが?ここのキッチンを借りて焼きましたのよ」
「おおっ、美味そうっスね」
また一番最初にダン君に配ってる。
「姫様、これは中々美味しいクッキーですな」
「ありがとうイカリ将軍、嬉しいですわ」
イカリ将軍あれで甘い物大好きなんだよな。
「いよいよ明日夜8時が決戦なのね」
「そうだ。皆んなしっかり準備しておくように」
「皆さん頑張りましょう!」
いつもならイカリ将軍が締めるのに、麗華さんが締めた。
イカリ将軍姉上のクッキーを嬉しそうにほうばってる。
【秘密基地】
《水曜日の夜》
さあ、もうすぐドリームカップが始まるぞ。
スプリント、マイル、クラシックディスタンス、牝馬限定戦、長距離、ダートなど、色々なレースが有るんだけど、掲示板に載るとポイントが貰えるんだ。
1着が5点、2着4点、3着3点、4着2点、5着1点で、多くポイントを取った国が勝ちになる。
僕のレッドアローは、クラシックディスタンスに出走するんだ。
ハンナさんの馬はダートに、姉上の馬は牝馬限定戦に出走するみたいだね。
国内のGIなら勝つの当たり前だね。
クラシック勝てない晩成の馬でも、秋三冠やってくれたり、強い仔が出始めた。
「王子、俺のイエローサンダーが引退になります。凱旋門は掲示板止まりですが、キングジョージ勝ってますよ。ダイワスカーレットのお婿さんになれませんかね?」
「え?本当?見てみるね」
えーっと…
ダン君の牧場の…種牡馬…イエローサンダー。
「うん、インブリードは3本有るけど、そんなに血は濃く無いね。ニックスも出てるし、種付けしてみようかな?」
「ニックスって何スか?」
「相性みたいなもんかな?良い仔が産まれる可能性が高い組み合わせだね」
「おおっ!走るのが産まれると良いっスね!」
「この馬と種付けしても良いですか?」
良し、yesをタップだ。
「では種付けします。どんな子が産まれるか楽しみですね」
一月送って…
ちゃんと止まったか見に行こう。
「ダイワスカーレットです。お腹に居るのはイエローサンダーの子です」
「良し!受胎した!丈夫な仔を産んでくれよ」
「王子、楽しみっスね」
「うん。早く産まれないかなぁ。ふあ~っ」
あ、もうこんな時間だ。
部屋に帰って寝なきゃ。
【ノホ王子の部屋】
寝る前にもう少しだけ…
スカーレットとイエローサンダーの仔が産まれるところまでやりたいな。
《スマホを持ってこっくりこっこりするノホ王子》
「ふあ~」
寝落ちしそうだよ。
レース観戦はGIだけにしてるんだけど、GI出られる馬が増えて来たから中々進まない。
気になるけど、明日にしよう。
「お休みマーサさん」
《ノホ王子はベッドに入って眠る。そして…翌朝》
「おはよう。朝よ、起きて」
《ベッドの中でスースー寝息を立てているノホ王子》
「可愛い寝顔ね、もう少し見ていたいけど、もう起きないと遅刻するわよ」
《スマホのマーサさんの声にもノホ王子は起きない》
「お・き・て。さあ、早くご飯を食べて行ってらっしゃい」
《それでも起きないノホ王子》
【食堂】
《ハピネス国王とレイ姫がテーブルに着いている》
「ノホはどうしたのだ?」
「昨日遅くまで頑張っていたから、まだ寝ているのかしら?」
「んまぁ、なんでしょう!わたくし見て参ります」
【ノホ王子の部屋】
《スースー寝息を立てて気持ち良さそうに寝ているノホ王子》
「王子、ノホ王子」
「う~ん…」
「いつまで寝ているのです。早く起きなさい」
あれ?
マーサさんの声が変だぞ。
これは夢の中なのかな?
起きてるような寝てるような、夢だとわかってる時って有るよな。
「王子!早く起きて顔を洗ってらっしゃいませ!」
マーサさん怖いぞ。
いやいや、やっぱりマーサさんの声じゃないな。
僕の事「王子」って言ってるし、アラームにそんな設定してないもんな。
「国王陛下とレイ姫様が食堂でお待ちです。さあ、早く起きない。全く、お寝坊さんですね」
「あれ?ガミガミ夫人…?」
「ガミガミ夫人ではございません!ガミです!さあ、早く起きて顔を洗ってらっしゃい!お食事が済んだら図書館で歴史のお勉強ですよ。その後みっちりお説教して差し上げますから」
「ひゃー、はっ、はいっ!」
《慌てて飛び起きるノホ王子》
【秘密基地】
「おはようございます~」
「あ、ひ、姫様!おはようございますっ!」
「あらあら、ダンさん。そんなに改まらないでって申しましたでしょう?」
「は、はあ…」
「それがノホの決めたこの秘密基地のルールでしたわよね?」
「はい…」
「さあ、わたくしも頑張りますわよ。ダンさん。種付けをさせて頂きたいのですけれど」
「ど、どうぞ!」
「ありがとう、フフフ」
「姫様おはようございます。ノホ王子はどうされましたか?」
「今日はあの子寝坊して…今頃ガミさんにお説教されている頃だわ」
「あら、お気の毒に」
「ハンナさんは、ドリームカップに登録出来ましたの?」
「はい、何とか1頭」
「そうですか、わたくしも頑張らなくては…」
【図書館】
「では今日はこれぐらいに致します」
「ホッ…」
《ため息をついて本を閉じるノホ王子》
「何が「ホッ」ですか?!夜更かしをして寝坊して、朝食の時間に間に合わず国王陛下と姫様をお待たせするなどと」
「明日決戦の日だから、どうしてもやっておきたくて、気がついたら夜中の2時になってたんだ」
「実際の戦争なわけですから仕方ございませんけれど、もう少し早くお休みにならなくてはお身体にさわります。お小さい頃は良く熱を出されてわたくし寝ずに看病したものです」
そうたった。
ガミさんには随分心配かけたよな。
「戦争は王子一人でするものではございませんでしょう?あまりご無理をなさいませんように」
「はい」
【秘密基地】
「産まれましたわ~。ダンさん見てください。可愛い芦毛の女の子です」
「おお、これがイエローサンダーの子ですね(何だか姫様と俺の共同作業みたいで嬉しいなあ)」
「まあ、ご覧になって。牧場長のコメント「将来楽しみ」ですって」
「おお!このコメントが出れば大概GIで活躍出来ますね」
「わたくしこの仔でドリームカップ目指します。ありがとうダンさん」
「い、いえいえ」
《微笑むレイ姫に見詰められポーっとするダン》
「ダン君顔が赤いわよ」
「ハンナ、突っ込むなよ」
《レイ姫は意味がわからずニコニコしている》
「あら、どうかなさったの?」
「い、いえ、な、何でも有りません」
「アハハ」
「笑うか?!」
【図書館】
《図書館ではガミガミ夫人のお説教が続いている》
「ですからっ!わたくしがいつも申し上げているように、ガミガミ、くどくど…」
はあ…
《ふと時計を見るノホ王子》
「うわっ、もう11時半だよガミガミ夫人」
「あら、まあ、もうそんな時間ですか。では今日はこれぐらいで許して差し上げます」
昼食の前に少しでも秘密基地に行こう。
《ノホ王子はパソコンを抱えて走ろうとする》
あ、走るのはまずいよな。
《ガミガミ夫人を振り返るノホ王子》
と、とりあえず図書館を出るまでは静かに歩いて、と。
《静かに図書館を出て行くノホ王子を見ているガミガミ夫人》
「オホホ(感心感心)」
《ガミガミ夫人の顔がほころぶ》
【秘密基地】
「ハアハア…」
《ノホ王子が息を切らせて飛び込んで来る》
あれ?
姉上何だか嬉しそうだな。
《ダンと笑いながら話すレイ姫を見るノホ王子》
随分仲良くなったんだね。
「あら、ノホ王子。ガミさんのお説教から解放されたんですね」
「うん、やっとね」
「私もダートの仔でドリームカップ登録出来ましたよ」
ハンナさんも登録出来たのかあ。
僕も頑張らないとな。
「トゥザヴィクトリー良い仔を産んでくれたわあ」
トゥザヴィクトリーの仔か、じゃあ芝もダートも走れるんじゃないかな?
やった!
ダイワスカーレットとイエローサンダーの仔が産まれた!
「産まれましたね、元気な男の子です」
「お母さん似の綺麗な栗毛ですね」
お母さん似の栗毛か…能力も似ていてくれたら良いなあ。
《そして…》
いよいよスカーレットの仔が入厩するぞ。
名前は…
男の子だしなあ。
スカーレットは赤だから、レッド…
父親はサンダーで雷か。
じゃあ、赤い矢でレッドアロー?
「紅茶を入れましたのよ。皆さんお茶に致しませんか?」
「ありゃ、ひ、姫様。言ってくだされば私がやりますのに」
「わたくしにさせてください。ここではわたくしがしても良いでしょう?」
「でもでも…」
「ハンナさん、良いんじゃない?姉上の入れてくれる紅茶意外と美味しいんだよ」
「あら「意外と」は失礼ね。フフフ」
普段はメイドさんがやってくれるからね。
本当は姉上がやりたいみたいで、部屋に行った時、時々紅茶を入れてくれたりするんだよな。
料理もしたいみたいで、厨房に入ってシェフを困らせたりしてるよな。
「はい、ダンさんどうぞ」
「え?お、王子から」
「良いの良いの、僕は後で」
「し、しかし…で、では将軍に」
「私は後で構わんよ。姫様のお好きになさってください」
「どうぞ」
「は、はいっ!ありがとうございますっ!」
アハハ、ダン君汗汗で固まっちゃってる。
お姉様わかっててやってたら人が悪いよね。
でも、超天然だから絶対わかってないな。
だけど、ダン君に一番先にお茶?
まっ、良いか。
【バルコニー】
「ねえ、ノホ」
「うん?」
「わたくし…よその国の王室に嫁がなくてはいけないのかしら?」
「えっ?!」
「……」
お姉様が嫁ぐ?
ま、まあ、いつかはそんな日が来るんだよな…
「伯母様方はそうされたでしょう?」
「うん…そうだけど…」
「ノホが国王になって、わたくしは…わたくしは、貴方や国の為になるのなら政略結婚でも構わないわ…(でも…)」
「臣下に下った叔母上も居られるけど…」
「……」
「姉上。僕が国王になったら、政略結婚なんて無し無し」
「ノホ」
姉上がそんな事を考えていたなんて…
そりゃいつかは嫁ぐわけなんだけどね。
でも、嫌だな僕は。
遠くに行っちゃうなんて嫌だよな。
それに、どんな素敵な人だとしても僕は嫌だ。
姉上を取られちゃうわけだから。
【秘密基地】
「いよいよ次の水曜日が決戦の日だ。抜かりないように」
「はっ!」
イカリ将軍力入ってるな。
あ…スマホ壊してるし。
麗華さんも大変だな。
でもまあ、ドリームカップ登録出来たみたいだね。
まだ登録出来てないのは僕だけだ。
レッドアローは三冠馬になったから、次の年は海外に挑戦だな。
どうしよう?
春はドバイからかな?
それからキングジョージ行って、凱旋門かな?
【食堂】
《夕食を食べるハピネス国王、レイ姫、ノホ王子》
「どうだね、強い馬は生産出来たか?」
まあね。
あれ?
いつもならお姉様が先に口を開くのに…
何か考え事?
「どうしたのだ?レイ」
「あ、はい、お父様」
また嫁ぎ先の事を考えてたのかな?
僕が国王になっても姉上にはずっとここに居てもらいたいよな。
何か良い方法は無いかな?
【秘密基地】
さて、レッドアローはキングジョージを快勝して凱旋門賞に挑戦だ。
「嫌ですわ、ダンさんたら」
「す、済みません」
「フフフ」
《ふとレイ姫に目をやるノホ王子》
楽しそうに笑ってる。
いつもの姉上だ。
そんなに心配する事無いかな?
嫁ぐのは先の話しだし…
ずっとずっと先なら良いのにな。
「オーナー、いよいよ凱旋門賞の発走ですね、レッドアローを応援しましょう!」
良し良し、頑張ってくれよ。
スタートだ!
スローペースだな。
4コーナーでよーいドンになるパターンか?
レッドアローは先行してるけど…
あ、押し出されてハナに立った。
まあ、スカーレットの子だから逃げられるけどね。
そう言えば、エルコンドルパサーも逃げて2着に粘ったんだよな。
いやいや、ここは勝たないと。
第3コーナーで後ろの馬達が詰めて来た。
第4コーナー、馬群に飲み込まれるなよ。
並びかけられて、二枚腰使った!
長い直線だ。
まだ先頭走ってる。
そのまま行けーーー!
うおっ!二の足使った!
ゴール!
よっしゃ!3馬身差の圧勝だ。
あ、ドリームカップ登録?
勿論Yes。
はあ…
やっと僕の馬もドリームカップに登録出来たぞ。
「皆さ~ん。お茶に致しません事?」
「はーい(姉上嬉しそうだね)」
【秘密基地のリビング】
「クッキーはいかが?ここのキッチンを借りて焼きましたのよ」
「おおっ、美味そうっスね」
また一番最初にダン君に配ってる。
「姫様、これは中々美味しいクッキーですな」
「ありがとうイカリ将軍、嬉しいですわ」
イカリ将軍あれで甘い物大好きなんだよな。
「いよいよ明日夜8時が決戦なのね」
「そうだ。皆んなしっかり準備しておくように」
「皆さん頑張りましょう!」
いつもならイカリ将軍が締めるのに、麗華さんが締めた。
イカリ将軍姉上のクッキーを嬉しそうにほうばってる。
【秘密基地】
《水曜日の夜》
さあ、もうすぐドリームカップが始まるぞ。
スプリント、マイル、クラシックディスタンス、牝馬限定戦、長距離、ダートなど、色々なレースが有るんだけど、掲示板に載るとポイントが貰えるんだ。
1着が5点、2着4点、3着3点、4着2点、5着1点で、多くポイントを取った国が勝ちになる。
僕のレッドアローは、クラシックディスタンスに出走するんだ。
ハンナさんの馬はダートに、姉上の馬は牝馬限定戦に出走するみたいだね。
0
あなたにおすすめの小説
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる