『神様が引退したら大変な事になりました』

大輝

文字の大きさ
1 / 26

第1章 えーーーっ?!神様が引退?

しおりを挟む
【天上界】

〈雲のようなベッドに横たわる神。オロオロする爺や〉

「ああ、大神様、どうなさったのです?」

「ワシはもう疲れたよ。物凄く眠いのじゃ。そろそろ引退してゆっくり休みたい」

「父上、大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃない。あー眠い。物凄く眠い」

「爺。父上が引退したらどうなるのだろう?」

「今迄そのような事はございませんでしたので、私には見当もつきません」

「また昔のような事になるかもね」

「これ、天使の分際で何という口のきき方です」

「爺、良いのだ、友達なのだから。それより、昔のようにって…あの時は父上達が収めたから良いけれど…」

「大神様があの状態じゃあね…闇の神はどうしていらっしゃるかしら?」

「うむ、叔父上の所に行ってみるか」

「私も行く!」

【人間界】

「何だか空がおかしくないかい?」

「どんよりしてるな」

「薄気味悪いね」

【天上界闇の神の神殿】

「そうか、兄上が…それで下界の様子がおかしいのだな。光と闇のバランスが取れている状態が一番良いのだ。光だけの世界も闇だけの世界も決して良い物ではない」

「叔父上、私は人間界に行ってみようと思います」

「しかし、私達はエネルギー体。肉体を持たずに人間界に行ってどうなる?」

「何か方法が有るはずです」

「光の神、図書館に行ってみよう。前に本で読んた事が有るの」

【人間界ハポネ村】

〈数日後〉

「昼間なのに薄暗いね」

「こんな日がいつまで続くんだろう?」

「歴史の本に書いて有るわよね?昔、こんなふうに空が暗くなって、そして物の怪が現れたって」

「あんなの本当か嘘かわかんないよ」

「千代子さんが言ってたわ「世界が闇に覆われし時、再び光の神が地上に降り立つ」って」

「物の怪で世界が混沌としてた時、光の神と闇の神が現れたって話しだね。お婆ちゃんの昔話は面白いけどさ」

「七都(なつ)は信じてないの?」

「だって、ただの言い伝えだよ。だいたい神様なんて本当に居るのかな?そりゃ居たら良いな、って思うよ」

「うん。悪い事をしたら罰が当たる。神様はちゃんと見てると思う。ううん、そう思いたい」

「ねえ、満(みちる)光(ひかる)は?」

「お兄ちゃんなら、さっき山に入って行ったわよ」

【ハポネ村の茶屋】

「お婆ちゃんまだ帰ってない」

「どこに行ったの?」

「よもぎの葉を摘みに行ったのよ」

「七都ちゃーん。大変だ!千代子さんが!」

「え?お婆ちゃんがどうしたの?」

「物の怪に襲われたって、今、餡(あん)先生の所に」

「大変。七都、行こう」

【療養所】

「越野先生、お婆ちゃんは?!」

「安藤千代子さんなら、奥の部屋に居ますよ」

【奥の部屋】

「お婆ちゃん!」

「七都。大きな声を出すんじゃないよ。ここをどこだと思ってるんだい」

「だって、物の怪に襲われたって言うから心配して来たんじゃない」

「千代子さん、大丈夫?」

「それがね、よもぎの葉を摘んでたらいきなり化けもんが現れたから、とっさに持ってた菓子を投げたんだよ。そしたら美味しそうに食べてるじゃないか。だからね、その隙に逃げて来たんだよ」

「怪我は?」

「村に戻ったら腰が抜けただけさ。杵さんが大げさなんだよ。大騒ぎしてここに運ぶんだもの」

「だってよう、いきなり倒れ込むからさ」

「杵さん、ありがとね。お婆ちゃんたら、もう」

「お婆ちゃんて呼ぶな、って言ったろ」

「はいはい、千代子さんです。そんな事より本当にお婆ちゃんが見たのって物の怪だったの?」

「だから、お婆ちゃんじゃないよ」

【天上界の図書館】

〈本を調べる光の神〉

うーん…しかし、そんなに都合良く手に入れる事が出来るものかな?

「ねえ、下界に行くなら私も一緒に行くね」

「え?」

「だって、一人じゃ何も出来ないじゃない」

【人間界ハポネ村の療養所】

「大変だ!餡先生!」

「今度は何?」

「ああ、満ちゃん。光が、光が…」

「紫月、紫月、しっかりするんだ!」

〈紫月光が運ばれて来る〉

「嘘でしょ?!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

「これは…もう、手の施しようが無いわね」

「餡先生お願い、そんな事言わないで!お兄ちゃんを助けて!お願いよ」

「ごめんね、私だって助けたいけど…もう…魂が抜け出てる。ほら「何で泣くんだ?」って、満ちゃんの頭を撫でてるのよ」

「そんな…そんなの…私には見えないもん」

「満…(餡先生には見えちゃうんだよね、そういうの)」

「ちょっと待って、何か来た。光?」

「しーっ」

「光?そんなの見えないよ」

「私には確かに見える…あ、何か言ってる」

「しーっ、黙って。私は光の神」

「あ、天使が居る」

「どうもー」

「何?随分軽い天使ね」

〈金色の光が光の身体に重なっていく〉

「(何をするつもりなの?あ、光君の魂が天に昇って行く)」

〈餡は天に昇る光の魂を見ている〉

「お兄…ちゃん?」

「今動いたよね?餡先生!」

「え?」

〈光の身体に目をやる餡〉

「治療するから、皆んなは部屋を出て!」

〈部屋を出る村人達〉

「ほら、満も七都も、出た出た」

「満、大丈夫だよ。餡先生腕だけは確かだから」

「「だけ」は余計でしょう?ほら出てて」

〈七都は満を連れて部屋を出る〉

「えっ?」

〈治療をしようと餡が振り返ると、光の身体が金色の光に包まれていた〉

「貴方…確かさっき、光の神って言ったわよね。神だが何だか知らないけど、亡くなった人の身体を乗っ取るなんて、どういうつもり?」

「すまぬ…うっ…」

「あっ、まだ動いちゃダメ」

〈そう言って光の身体を寝かせる餡〉

「不思議…傷が癒えて行く。これが貴方の力なの?でも何の為に?」

「私に出来るだろうか(この世界を…救う事が)」

「何の事情が有るか知らないけど、用が済んだら帰るんでしよう?死んだはずの兄が生き返って喜んでる満ちゃんはどうなるのよ?」

「事実を話さねばなるまいな」

「それはちょっと待って。私は普通の人に見えない物が見えるけど、見えない人には理解出来ない事も有るでしょう?」

「その人になりきるしか無いニャ」

「猫魔」

「光の神、置いて行くなんてひどいニャ」

「猫まんま?」

「オバサン、猫まんまじゃないニャ。猫魔ニャ」

「おば、おばさん?ちょっと化け猫さん。おばさんは失礼でしょう?」

「化け猫じゃないニャ。妖魔ニャ」

「おんなじじゃない」

「言っとくけど、俺は良い妖魔ニャ。光の神様のペットなのニャ」

「ペットにした覚えは無いが」

「細かい事は気にしニャい、気にしニャい」

「私も、猫まんまの言う通り、なりきるしか無いと思うわ」

「そうニャろ?中々話しがわかるニャ。でも言っとくけど俺は猫魔ニャ。猫まんまじゃないニャって、聞いてニャいし」

「猫魔でも猫まんまでも、どっちだって良いじゃない」

「光の天使も居たニョか?」

「猫魔ちゃーん。猫まんま食べる~?」

「食べるニャ!」

〈猫魔に猫まんまを食べさせて餡が戻って来る〉

「猫ちゃん美味しそうに食べてるわよ。天使さんも一緒にね」

「すまぬな」

「良いのよ。そんな事より、貴方のヒーリング能力…興味深いわ」

「な、何故そのように顔を近づけるのだ?」

「前の光はちょっと乱暴で好きじゃなかったけど、魂が変わると顔つきまで変わるのね」

「は、離れてくれぬか」

「フフフ、お顔が赤いわよ。か・み・さ・ま」

「何故だがわからぬが、身体が熱うなった。この身体まだ本調子ではないようだ」

「いえいえ~それは健全な男の身体よ。ほら、ここがこんなに元気」

「うおっ、な、何故このような…」

「男性が女性に魅力を感じるとこうなるの」

「肉体を持つという事は、厄介なものなのだな」

「ねえ、ここで仕事しない?住・み・込・み・で」

「うっ、そのようにそなたの手が触れると、そこが硬うなって痛い」

「どう?その気になった?住込み」

「この者には妹がおったな?心配しているのではないか?」

「妹と言っても血が繋がってるわけじゃないし、今は別々に暮らしてるんだから良いんじゃない?」

そんなわけでこの療養所の世話になる事になったのだが…

〈翌日の療養所〉

「お兄ちゃん!もう大丈夫なの?本当に生きてるのね?本当に本当に大丈夫なの?」

「あ、ああ、心配をかけてすまぬ」

「変な喋り方ね、どうしちゃったのよ光?」

「ああ、光君ね、ちょっと記憶が無いみたいなのよ」

「えーーー?」

「そ、そうなのだ」

「その変な喋り方なんとかならないの?」

「すまぬ」

「変でも何でも生きててくれたら良いの」

「私は、今の光君素敵だと思うわ。物腰が柔らかくて」

「そぉうおー?何だか気持ち悪いけど」

「お兄ちゃん。私を置いて死んだりしないでね、約束よ」

〈泣いてる満の頭を良し良しと撫でる光の神〉

「痛っ」

今のは、この身体の持ち主の感情か?

心臓が…肉体が憶えていたと言うのか?

物狂おしいほどに妹を愛していたのだな。

〈数日後〉

「お兄ちゃん、本土に行くわよ」

「私も一緒に行くのか?」

「七都も」

【ハポネの港】

「船に乗るのか?」

「本当に何も憶えて無いのね」

「すまぬ」

「もう!調子狂っちゃうな。いつもならそこは「うるせえな」って言う所だよ」

「ここから船で本土のブリの港に行くのよ」

「ブリ?美味そうな名前ニャ」

「何か言った?」

「いや、何も」

「も、もう我慢出来ないニャ。魚の匂いニャ」

「何?物の怪?」

「まあ、可愛い猫ちゃん」

「どこが可愛いのよ、物の怪よ、物の怪」

「俺は妖魔の猫魔ニャ。光の神じゃニャい、光のペットなのニャ」

「お兄ちゃんが猫を飼ってたなんて知らなかったわ」

「もしもし、満?猫じゃなくて妖魔だから」

「猫魔ちゃん。仲良くしましょうね」

「はいニャ」

「聞いて無いし。まあ、悪い物の怪じゃなさそうだし良いか」

【ブリの港】

「着いた~」

「ちょっと、化け猫が居ないわよ」

「あそこにおる」

「あ、本当。もうマルシェに行ってる」

【ブリの町のマルシェ】

「美味そうな物がたくさん有るニャ」

「何だお前は?化け猫か?」

「俺様は化け猫じゃないニャ」

「怪しい、怪し過ぎる。近頃は物の怪が出るからね」

「だから物の怪じゃないニャ」

「あは、あはは、すみません。その妖魔、この人のペットなんです」

「何の騒ぎだい?おや、紫月さん家の満ちゃんじゃないか」

「あ、おばさん。今日は野菜たくさん収穫出来たから持って来たの」

「その猫放しておやりよ。この子達が連れてるんだ。悪い物の怪じゃないよ。私が保証する」

「まあ、あんたがそう言うなら信じるよ」

「さあこっちへおいで」

〈マルシェの八百屋で荷物を下ろす満達〉

「猫ちゃん、お腹空いてたんだろ?お食べ」

「貰って良いのかニャ?」

「遠慮しないでお食べよ。うちは八百屋だからさ、魚じゃなくて悪いけど美味しいよ」

「ありがとニャ。頂きます。美味美味美味いニャ」

「美味しいかい、そりゃ良かった。ささ、あんた達もお食べ」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜

丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。 与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。 専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、 失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。 そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、 セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。 「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」 彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、 彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。 嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、 広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、 独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。 栄養と愛情を取り戻したセレナは、 誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、 社交界で注目される存在となる。 一方、セレナを失った伯爵家は、 彼女の能力なしでは立ち行かず、 ゆっくりと没落していくのだった――。 虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです

鍛高譚
恋愛
内容紹介 「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」 王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。 婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。 「かしこまりました」 ――正直、本当に辞めたかったので。 これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し…… すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。 そしてその瞬間―― 王宮が止まった。 料理人が動かない。 書類が処理されない。 伝令がいない。 ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。 さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。 噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。 そしてついに―― 教会・貴族・王家が下した決断は、 「王太子廃嫡」 そして。 「レティシア、女王即位」 婚約破棄して宰相をクビにした結果、 王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――? これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの 完全自業自得ざまぁ物語。

処理中です...