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アウクスブルク帝国への招聘18
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ボリス騎士団長の説明によると、ディセルドルフの街は500年前の黒の森の魔族の暴走により、滅亡の危機に見舞われたが、青の魔導士とその従者達に救われた。しかし、この地方の人々にとって屈辱的な300年前の戦争の敗戦の結果、青の魔導士が暗黒の魔導士であり、魔王に組み知る人類の敵という彼らにとって受け入れがたい歴史を受け入れさせられた。だが、時の聖女が青の魔導士は300年の後、再び復活し、この地を救済し、帝国からの独立を果たすだろうと予言したのだ。その聖女はこの地方、当時のこの国にとってとても大切な人物だった。だが、この予言の為、その聖女は斬首刑となった。
この地方の人達は亡き敬愛する聖女への想い、畏敬の対象である青の魔導士の事を決して忘れず、口伝でこの本当の歴史を刻み続けた。更にこの地方には蘇り信仰が古くからあり、帝国から迫害される歴史もあって、 ひたすら300年間待っていたのだ。そこに現れたのが、髪の色こそ違うものの、この地方にはどこの家庭にでもある青の魔導士の小さな絵画や銅像、それにそっくりな容貌と当時の私の戦闘服にそっくりな騎士服を着た私…皆、関心を持っていかれた。誰もが私が伝説の魔導士ではないか? 待ちに待った救世主の再臨ではないか? と心躍らせていたのだ。
それだけではなかった様だ。私が何気なく口ずさんだ歌。それは今では王国でも帝国でも忘れ去られた500年前の歌だった。それを私は何気なく口ずさんだ。それに屋台で食べた食べ物。この地方に来た事がある者にですら知る筈のない食べ物を、私は名前まで言って買い求めた。それは300年前から作るのを止めていた青の魔導士由来の食べ物。この地方の人は300年後の私の再臨の際、直ぐに見抜ける様、工夫を凝らしていたのだ。
私は最初から知っているかの様にその食べ物の名前を言って買い求めた。300年前に禁止された大昔の王国の歌。誰もしらない筈の歌を口ずさむアクレイア王国の聖女。誰しもが期待を膨らませていた。彼らの聖女が青の魔導士を蘇らせてくれたのではないか? と、
そして、彼らの考えは正しかったのだ。青の魔導士は復活した。確かに私は500年前のこの街を救済した魔導士アリシアその人だ。そして、聖女として、再びこの街を救った。
「あの、大げさすぎません?」
私の抗議は当然だろう。驚いた事に、街の住民たちの誰しもが、私を見ると感動に打ち震えているようだったのだ。そして、心からの私を賛美する言葉が紡がれる。普段なら心地良さに胸を膨らませるが、ここまで大げさだと、居心地が悪い。
「クリス様への感謝を考えれば当然です。私とて、今直ぐにでも地に頭を擦り付け、頭を垂れたい衝動に駆られるのです」
「い、いや、土下座されても…」
「クリス、人を敬う行為と土下座は似ているけど、全く違う行為だよ」
「そうですよ。クリスさん。ボリスさんはクリスさんに畏敬の念を現したいのよ」
「だから、大げさすぎない?」
「クリス、ようは、彼らは君の事を女神様みたいに思っているんだよ」
「女神様? 私は信じてないけど、そんな大げさなものじゃないわよ。買い被りすぎよ」
「彼らにとってはそれ位大事な人だってことだよ」
これからどうなるんだろう?
ディセルドルフの城につくと、私は広間に通されて、その上座に座らされた。
「ここ、上座じゃ? 普通、領主のボリスさんの座る場所じゃ?」
「青の魔導士様を下座に等座らせる事ができる訳がございません。大人しくそこに座ってください」
「は、はい…」
とんでもないというボリスの発言に気圧されてあっさりはいっと言ってしまった。
こうして、宴会が始まった。私はこの地方の懐かしい食事に舌鼓をうったが、いくつかは300年前に作る事を止めた500年前の私の大好物だった。おかげで、私が食べ物の名前を言うだけでその場が盛り上がった。
「ホントにクリス様は500年前の大魔導士様だったのだな…」
フレデリク中隊長がぶつぶつ呟く。
「中隊長、私が妄想癖のある変な女の子だと思ってたの?」
「まさか…ただ、あまりのことに…赤の森でクリス様から聞き出した事や、騎士団に飾られた絵画の少女があまりにもクリス様に似ていたから、当然そうなだろうとは思ってたが…」
私の右横にはボリス ディセルドルフ騎士団長が領主として、左横にフレデリク中隊長が客員として…私の立場、何なの? 客人でも、領主を押しのけて、上座に座るってるって、変なのよね。
「中隊長、私達はこれからどうなるんでしょうか?」
「とりあえず、彼らの挨拶を受けてから考えればいいんじゃないかな?」
「彼ら?」
「今、広間に入ってきた騎士達がいるだろう?」
「えっ? あれ、ホントだ。誰か入ってきている。でも、変じゃないですか? あの人達、私達ともこの地方の騎士団とも違う騎士服ですよ」
「あれはベルリンやミュンヘンの騎士団長達です。魔道具で駆けつけたんですよ。慌てたんだろうけど、ようやく到着した様です」
「あの人達、何しに来たんですか?」
「決まってるじゃないですか。私と同じですよ」
「ボリス団長と? 同じ? 何をですか?」
「…直ぐにわかりますよ」
私は???と頭の中がぐるぐるした。私はお酒を飲んでいたので、ちょっと頭の回転が悪かった。そして、各騎士団長達が真っすぐに私の前に来て、礼をすると、次々と私の前に跪いた。総勢20名。全てこの付近の騎士…それも騎士団長クラスではないだろうか。騎士の服も団長となると豪奢に着飾っている。目の前の騎士達は正しく団長クラスとしか思えない姿だった。そして、
「ベルリン第一騎士団長ベルンハルト500年前の誓いに従い、青の魔法使いアリシア様に騎士として誓いをたてます」
「へぇ?」
私は思わずとぼけた声を出してしまった。何でそうなるの? そして、次々と騎士団長達は私に口上を述べ、騎士の誓いをたて、私の手を取り、その手の甲にキスをしていった。
私は20人以上の騎士団長に騎士の誓いをたてられてしまった。
「ぴえん、大げさすぎない?」
半場私が泣いていると、最後に止めを刺す人がやって来た。でも、私はそれに気がつかず、思わず助けを求めてしまった。一通り騎士団長達が私に騎士の誓いを終わった頃、遅れてアクレイア王国第一騎士団服を身にまとった叔父様が姿を現したのだ。
「叔父様、助けて! 何故か騎士に誓いをたてたくなる奇病が蔓延しています。何かの間違いです。大げさすぎます。みんなを落ち着かせて、何とかしてください!」
「クリス、その青い髪…やはりお前は青の…」
「私の事、困りますか?」
私は叔父様に直接的に聞いた。普通、迷惑だろう。いくら姪といっても、暗黒の大魔導士は御免こうむるだろう。しかし、イェスタ叔父様がとった行動は、私の斜め上を行っていた。
「アクレイア王国も君への感謝を忘れた事なぞない。叔父としてではなく、アクレイア王国の騎士として、私はあなたに永遠の忠誠を誓う。ケルンはあなた様のものだ」
そう言うと、イェスタ叔父様は他の騎士団長よりも更に洗練された所作で、私の手をすくい、その手の甲にキスをした。またしても騎士の誓いをたてられた。
「ぴえんこえてぱおんだ!!!!!!!」
私は泣きそうになった。これ、絶対、私を頭に据えて、戦争する気だ。私は戦争にだけは加担したくないのだ。断固断る。そんな事になる位なら、自害すると伝えよう。いや、マジだからね?
この地方の人達は亡き敬愛する聖女への想い、畏敬の対象である青の魔導士の事を決して忘れず、口伝でこの本当の歴史を刻み続けた。更にこの地方には蘇り信仰が古くからあり、帝国から迫害される歴史もあって、 ひたすら300年間待っていたのだ。そこに現れたのが、髪の色こそ違うものの、この地方にはどこの家庭にでもある青の魔導士の小さな絵画や銅像、それにそっくりな容貌と当時の私の戦闘服にそっくりな騎士服を着た私…皆、関心を持っていかれた。誰もが私が伝説の魔導士ではないか? 待ちに待った救世主の再臨ではないか? と心躍らせていたのだ。
それだけではなかった様だ。私が何気なく口ずさんだ歌。それは今では王国でも帝国でも忘れ去られた500年前の歌だった。それを私は何気なく口ずさんだ。それに屋台で食べた食べ物。この地方に来た事がある者にですら知る筈のない食べ物を、私は名前まで言って買い求めた。それは300年前から作るのを止めていた青の魔導士由来の食べ物。この地方の人は300年後の私の再臨の際、直ぐに見抜ける様、工夫を凝らしていたのだ。
私は最初から知っているかの様にその食べ物の名前を言って買い求めた。300年前に禁止された大昔の王国の歌。誰もしらない筈の歌を口ずさむアクレイア王国の聖女。誰しもが期待を膨らませていた。彼らの聖女が青の魔導士を蘇らせてくれたのではないか? と、
そして、彼らの考えは正しかったのだ。青の魔導士は復活した。確かに私は500年前のこの街を救済した魔導士アリシアその人だ。そして、聖女として、再びこの街を救った。
「あの、大げさすぎません?」
私の抗議は当然だろう。驚いた事に、街の住民たちの誰しもが、私を見ると感動に打ち震えているようだったのだ。そして、心からの私を賛美する言葉が紡がれる。普段なら心地良さに胸を膨らませるが、ここまで大げさだと、居心地が悪い。
「クリス様への感謝を考えれば当然です。私とて、今直ぐにでも地に頭を擦り付け、頭を垂れたい衝動に駆られるのです」
「い、いや、土下座されても…」
「クリス、人を敬う行為と土下座は似ているけど、全く違う行為だよ」
「そうですよ。クリスさん。ボリスさんはクリスさんに畏敬の念を現したいのよ」
「だから、大げさすぎない?」
「クリス、ようは、彼らは君の事を女神様みたいに思っているんだよ」
「女神様? 私は信じてないけど、そんな大げさなものじゃないわよ。買い被りすぎよ」
「彼らにとってはそれ位大事な人だってことだよ」
これからどうなるんだろう?
ディセルドルフの城につくと、私は広間に通されて、その上座に座らされた。
「ここ、上座じゃ? 普通、領主のボリスさんの座る場所じゃ?」
「青の魔導士様を下座に等座らせる事ができる訳がございません。大人しくそこに座ってください」
「は、はい…」
とんでもないというボリスの発言に気圧されてあっさりはいっと言ってしまった。
こうして、宴会が始まった。私はこの地方の懐かしい食事に舌鼓をうったが、いくつかは300年前に作る事を止めた500年前の私の大好物だった。おかげで、私が食べ物の名前を言うだけでその場が盛り上がった。
「ホントにクリス様は500年前の大魔導士様だったのだな…」
フレデリク中隊長がぶつぶつ呟く。
「中隊長、私が妄想癖のある変な女の子だと思ってたの?」
「まさか…ただ、あまりのことに…赤の森でクリス様から聞き出した事や、騎士団に飾られた絵画の少女があまりにもクリス様に似ていたから、当然そうなだろうとは思ってたが…」
私の右横にはボリス ディセルドルフ騎士団長が領主として、左横にフレデリク中隊長が客員として…私の立場、何なの? 客人でも、領主を押しのけて、上座に座るってるって、変なのよね。
「中隊長、私達はこれからどうなるんでしょうか?」
「とりあえず、彼らの挨拶を受けてから考えればいいんじゃないかな?」
「彼ら?」
「今、広間に入ってきた騎士達がいるだろう?」
「えっ? あれ、ホントだ。誰か入ってきている。でも、変じゃないですか? あの人達、私達ともこの地方の騎士団とも違う騎士服ですよ」
「あれはベルリンやミュンヘンの騎士団長達です。魔道具で駆けつけたんですよ。慌てたんだろうけど、ようやく到着した様です」
「あの人達、何しに来たんですか?」
「決まってるじゃないですか。私と同じですよ」
「ボリス団長と? 同じ? 何をですか?」
「…直ぐにわかりますよ」
私は???と頭の中がぐるぐるした。私はお酒を飲んでいたので、ちょっと頭の回転が悪かった。そして、各騎士団長達が真っすぐに私の前に来て、礼をすると、次々と私の前に跪いた。総勢20名。全てこの付近の騎士…それも騎士団長クラスではないだろうか。騎士の服も団長となると豪奢に着飾っている。目の前の騎士達は正しく団長クラスとしか思えない姿だった。そして、
「ベルリン第一騎士団長ベルンハルト500年前の誓いに従い、青の魔法使いアリシア様に騎士として誓いをたてます」
「へぇ?」
私は思わずとぼけた声を出してしまった。何でそうなるの? そして、次々と騎士団長達は私に口上を述べ、騎士の誓いをたて、私の手を取り、その手の甲にキスをしていった。
私は20人以上の騎士団長に騎士の誓いをたてられてしまった。
「ぴえん、大げさすぎない?」
半場私が泣いていると、最後に止めを刺す人がやって来た。でも、私はそれに気がつかず、思わず助けを求めてしまった。一通り騎士団長達が私に騎士の誓いを終わった頃、遅れてアクレイア王国第一騎士団服を身にまとった叔父様が姿を現したのだ。
「叔父様、助けて! 何故か騎士に誓いをたてたくなる奇病が蔓延しています。何かの間違いです。大げさすぎます。みんなを落ち着かせて、何とかしてください!」
「クリス、その青い髪…やはりお前は青の…」
「私の事、困りますか?」
私は叔父様に直接的に聞いた。普通、迷惑だろう。いくら姪といっても、暗黒の大魔導士は御免こうむるだろう。しかし、イェスタ叔父様がとった行動は、私の斜め上を行っていた。
「アクレイア王国も君への感謝を忘れた事なぞない。叔父としてではなく、アクレイア王国の騎士として、私はあなたに永遠の忠誠を誓う。ケルンはあなた様のものだ」
そう言うと、イェスタ叔父様は他の騎士団長よりも更に洗練された所作で、私の手をすくい、その手の甲にキスをした。またしても騎士の誓いをたてられた。
「ぴえんこえてぱおんだ!!!!!!!」
私は泣きそうになった。これ、絶対、私を頭に据えて、戦争する気だ。私は戦争にだけは加担したくないのだ。断固断る。そんな事になる位なら、自害すると伝えよう。いや、マジだからね?
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