異世界に行く少女は、毒親に育てられていました

トリップ

大きな扉を抜けると
洋館の家の中だった。
てっきり、空から落とされたり、
森の中だと思ってた。
《そりゃないぜ、
空からって死ぬだろ？
ふつーに考えて》
『な、何故お前！？』
《？
まぁしばらく入るぜ？
だって案内人だから》

さっきとは全く別人だ。
性格が変わったと言うべきか…
《取り敢えず、俺はマシュと言う。
ヨロターン
で、此処は異世界。
実感湧かないだろうけど
これ現実な
この世界には爵位が有る。
まぁ、爵位が分からないなら
簡単に言えば、身分制度だね。
一応上位の方の設定だ。
爵位の序列が
公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵
みたいな感じ
うーんまぁ、あっちに
身分制度は無かったから
分からないだろうね
だから奴隷買い放題
好き勝手にできる。
ハーレムハーレム！
って感じお分かり？》

………えーと、何がお分かり！？
言葉的に簡潔すぎて何となく
分かるけど！
突拍子すぎて怖い…
例えるなら擬音だ。
説明してんのに、
此処をビューみたいにやるんだ！
的な感じ…
頭を抱える私
逆に、分かってるの圧がかかる。

《名前は考えてあるの？ 》
『え、』
《名前は
まさか前の名前でいいとか考えてる？
名前は、親からの贈り物だけど…
君の場合違うでしょ？
生まれ祝福されて
この世の最初にもらうギフト
それを知らず育ってきた奴らは
さぞ、幸せだろうね…
まぁ、道具としてじゃなく
君自身になるんだ》

そう言われて、自分の姿を見た。
和が好きなのに、洋風だ。
綺麗なアンティーク ドールをイメージされた感じ。
新しい私自身…
余り実感が湧かない。

『リグレット…』

《…後悔ねー
何を後悔してんのかは
一応聞かないであげるよ》

『てか、何でマシュ？
意味は？』

《意味？
単純に、マッシュルームが
好きだから?》

ふざけてるのか、本当にそんな理由なのか分からない。
これ以上余計な事は、言わないようにしよう。
後が面倒だ。
コイツはリアクションを
楽しんでいる。
近づいてくるし、
顔近づけるし

『何？』

《相変わらず、表情筋死んでるねー
これ、渡しとくよ。》

ペンダント見たいだが
大きいメダルみたいな奴。
にしても、重い。

《それ、落とすなよ
爵位が有る証拠
本人以外使えないから安心しろ
本人以外使おうとすると、
警報が出て懲罰もんだ。
ステータスも見れる。
指で円を描け》

そう言われて円を描くと、
空中に文字が現れた。
自分個人情報らしきものが、
書いてある。

《これは、爵位を持つものだけが、
使える。
隠し子の場合でも使える。
いろんな人種が居るからなー。
この世界は、基本的魔法が
成り立ってる。
その後に機械技術が、発展してきてる。
魔法を使えるものが偉く稀だから
余計に配慮されている。》
『?
じゃあ、魔力を持ってる人たちが、
爵位を持ってる？って感じなの？』

《いや、それは違うよ
さっき言ったろ
色んな人種がいる
ってな
魔力有りきじゃないんだ。
人種って言っても、
巨人族やらエルフやら
そんなのザラじゃない。
だから爵位は、
殆ど人間で成り立っている。
差別オンパレードの国だ。
強い物だけが生き残れるそんな国だ。
取り敢えず、行くぞ》
『どこに行くつもりだ？』

《実際に見て体験した方が良いだろ？
そっちの方が実感枠だろうしない》
マシュがそういうと腕を掴まれ、
外に出た。
外に出ると森の中にいる。
隠れた洋館そのものだ。
美しさと不気味さが混ざっている。
好きだこの雰囲気な感じ。
《ゴシック系好きなの？》
『嫌いじゃない…』
暫く歩いた。
屋敷からはそんなに遠くない
小さな町についた。