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あったはずの未来
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もし祖母が死なずに2011年秋の状態が続いていたらどうなったか考えてみた。そのためには父が祖母より先に死ななければならない。そうなったとしたら僕が祖母の介護を担当しており今でも間違いなく祖母は存命だったはずだ。2011年11月、僕はジュール・ヴェルヌの小説を読もうとしていた。藤子・F・不二雄のようなSF作家になるためだ。この流れはウィキペディアで漫画家やSF作家を調べ始めた2011年2月から始まった。1年も経たないうちに僕の知的好奇心は急速に増幅していた。その一方で藤子Fの漫画チンプイを読み、ゴッホは生涯に1枚しか絵が売れなかったことを知る。作家として認められないことに悩んでいた時代だ。ゴッホに共感した。祖母が死に父と対立し悩む中で岡本太郎に救われたというのが正史だが、祖母存命中から作家の肩書きを得られないことに苦悩してはいた。肩書きは人間だ、という岡本太郎の言葉に救われることになったが、ウィキペディアで得られる知識の限界を感じる中で図書館へ行き岡本太郎のことを知る別の歴史もあったかもしれない。祖母の死があった悲惨な現実の正史よりももっと輝く想い出になるような形で。ゴッホに関心を持ち図書館で伝記を読みそこから岡本太郎の伝記を手にとるという歴史こそ僕が望むところだった。そして漫画家の肩書きを持つ藤子・F・不二雄を岡本太郎は超える。だが太郎は結局は世に認められた存在であるから何か違うと感じる。そんな中、正史のとおり2012年暮れに竹中直人演じる種田山頭火を知る。俳句を職業にできないながらも、飲み食いしないでも句を作り続ける山頭火に目指すべき創作者の姿を見る。もちろんそんな僕の人生はまだ元気な祖母とともにある。すでに作家になれているか、少なくともまだ作家への夢に専念できている今の僕とともに。そんな歴史にならなかった今は残念だったと思う。
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