24 / 30
お金のためなら人を殺すか、あるいは復讐のためか 3
しおりを挟む
「命令されたからお前は自分の父親を殺したのか?」
アッシュはイスに縛られたグリースに質問した。
「それは、そう。そうだよ。仕方なかったんだ。」
アッシュの質問に対して、グリースはあくまでも自分に非はなかったと言いたいようだった。
そして、それだけでは納得できなかったのだろう。アッシュはさらに質問をする。
「仕方ないっていうのはどういうこと?」
「それはもちろん金だよ。」
「金?」
「ああ。あんたも俺達のことには詳しいと思うけど、俺みたいな下っ端は組織に金を納めないといけないんだよ。けどそんな大金もってるわけないし、そしたら親の金をあてにするのはおかしくないだろ?」
グリースの答えを聞いたアッシュはよくわからないといったように首を傾かせた。
「お前たちのことは知らないけど、そんな大金が必要とは思えないな。」
「いや、それは。」
アッシュに指摘されてグリースは少し言葉を詰まらせた。
「そりゃあ、下っ端のままでいるならそんな金はいらないかもしれないけど、そうはいってもいつまでも下っ端のままっていうわけにはいかないだろ?上に行くには結局金がいるんだよ。」
グリースは目を泳がせながら言う。
それについてアッシュが感じたことは、グリースは命令されてローマンを殺したわけでなく、自らの意志で父親を殺して、その言い訳をアッシュにしているということだった。
「ふ~ん、そうか。けど、ふつうは親を殺すのは難しい事なんじゃないか?」
アッシュはグリースが組織で上にいくためにお金を欲していたということは理解できたが、そこで親を殺すという選択をした理由はよくわからなかった。
「まぁ難しいよ。そりゃあ俺だって命令されて仕方なかっただけで、親を殺したいなんて思わないからさ。」
「難しいなら他の人を襲った方が楽なんじゃないか?」
「それがなかなか難しいんだよ。街の奴らを襲ったとして、そいつがいくら持ってると思う?街中でそんな大金を持ってるやつなんていないだろ?」
「……」
「それが親とか親戚の場合は家の中に入りやすいからやりやすいんだよ。親なら死んだら遺産が入ってくるし、馬鹿な親戚なら金庫の金とかを盗めるかもしれないからさ。」
「ふ~ん。たしかに、遺産とか大金を手にするのは親とかのほうが都合がよさそうだ。」
アッシュは顎に手をあてて頷くような素振りをした。
それを見てグリースは愛想笑いをしながら言った。
「そうだろ?むしろ赤の他人に迷惑をかけてないんだから優しいよな?」
「優しいとは思わないね。」
グリースの言葉にアッシュが冷たい目で返す。
グリースは「ひっ。」と小さく声をあげて愛想笑いをやめた。
そしてグリースは少し沈黙した後、アッシュにおそるおそるきいた。
「な、なぁ。もう聞きたいことは終わったのかな?」
グリースに質問されて、アッシュは再び顎に手をあてる。
「う~ん。そうだな。もう聞くことはないか。」
アッシュがそう言ったとき、グリースは、アッシュが手に持ったナイフに力を込めたように感じた。
「ま、まて!待ってくれ。俺はあんたの質問にちゃんと答えてるだろ?それに、そもそもなんで俺の父親のことなんて聞いてるんだ?」
危険を感じたグリースは慌ててアッシュに尋ねた。少しでも時間を引き延ばそうとして。
グリースは頭を高速で回転させて何かないか考えを巡らせる。
(なにか助かる道はないのか。そもそも俺の親父はずっと病気で、家から出ないから知り合いもほとんどいない状態だったんだ。それをなんでこいつは気にしているのか。親父とどこかで知り合ってたのか……?)
「ああ!!」
考えを巡らせていたグリースは突然、大声をあげた。それはグリースがアッシュの正体に気づいたためだった。
「あんた!あれだろ!?親父の病気を見てた人だろ?病気は治せないけど落ち着かせることはできるとかなんとか言ってたよな?」
「……」
勢いづいて話すグリースに対して、アッシュは無言のままだった。
グリースはアッシュの様子を無視して話を続ける。
「なぁ。あんたには感謝してるんだよ。病気でうめき声ばっかりあげてた親父があんたが来てからは大人しくなってたし、あんたが親父の面倒を見てくれる分には、俺は親父を殺す必要はなかったんだよ。
「どういうこと?」
グリースの言い分にアッシュはよくわからないといった様子を見せた。
「あぁ。俺の親父は重い病気だったろ?もう寿命が短いってわかってたんだ。だから、本当は俺が殺さなくたって親父の金はすぐに俺のモノになるはずだったんだよ。」
「俺だって、親父に苦しんで死んでほしいなんて思ってないさ。だから、あんたが親父の面倒を見てくれている分にはよかったんだよ。それで親父の寿命が延びるわけでもなかったからさ。」
グリースはそれから怒ったような興奮した様子で話を続けた。
「それが、あの女だ!カンパネラとかいう、自分は聖女だとか言ってたふざけた女のせいなんだよ!あの女が親父の病気を治しちまいやがった。信じられるか?ベッドに寝たきりだった親父が一人で歩いてたんだぜ。そんなことになったら、一体いつ親父は死ぬんだよ!?」
アッシュはイスに縛られたグリースに質問した。
「それは、そう。そうだよ。仕方なかったんだ。」
アッシュの質問に対して、グリースはあくまでも自分に非はなかったと言いたいようだった。
そして、それだけでは納得できなかったのだろう。アッシュはさらに質問をする。
「仕方ないっていうのはどういうこと?」
「それはもちろん金だよ。」
「金?」
「ああ。あんたも俺達のことには詳しいと思うけど、俺みたいな下っ端は組織に金を納めないといけないんだよ。けどそんな大金もってるわけないし、そしたら親の金をあてにするのはおかしくないだろ?」
グリースの答えを聞いたアッシュはよくわからないといったように首を傾かせた。
「お前たちのことは知らないけど、そんな大金が必要とは思えないな。」
「いや、それは。」
アッシュに指摘されてグリースは少し言葉を詰まらせた。
「そりゃあ、下っ端のままでいるならそんな金はいらないかもしれないけど、そうはいってもいつまでも下っ端のままっていうわけにはいかないだろ?上に行くには結局金がいるんだよ。」
グリースは目を泳がせながら言う。
それについてアッシュが感じたことは、グリースは命令されてローマンを殺したわけでなく、自らの意志で父親を殺して、その言い訳をアッシュにしているということだった。
「ふ~ん、そうか。けど、ふつうは親を殺すのは難しい事なんじゃないか?」
アッシュはグリースが組織で上にいくためにお金を欲していたということは理解できたが、そこで親を殺すという選択をした理由はよくわからなかった。
「まぁ難しいよ。そりゃあ俺だって命令されて仕方なかっただけで、親を殺したいなんて思わないからさ。」
「難しいなら他の人を襲った方が楽なんじゃないか?」
「それがなかなか難しいんだよ。街の奴らを襲ったとして、そいつがいくら持ってると思う?街中でそんな大金を持ってるやつなんていないだろ?」
「……」
「それが親とか親戚の場合は家の中に入りやすいからやりやすいんだよ。親なら死んだら遺産が入ってくるし、馬鹿な親戚なら金庫の金とかを盗めるかもしれないからさ。」
「ふ~ん。たしかに、遺産とか大金を手にするのは親とかのほうが都合がよさそうだ。」
アッシュは顎に手をあてて頷くような素振りをした。
それを見てグリースは愛想笑いをしながら言った。
「そうだろ?むしろ赤の他人に迷惑をかけてないんだから優しいよな?」
「優しいとは思わないね。」
グリースの言葉にアッシュが冷たい目で返す。
グリースは「ひっ。」と小さく声をあげて愛想笑いをやめた。
そしてグリースは少し沈黙した後、アッシュにおそるおそるきいた。
「な、なぁ。もう聞きたいことは終わったのかな?」
グリースに質問されて、アッシュは再び顎に手をあてる。
「う~ん。そうだな。もう聞くことはないか。」
アッシュがそう言ったとき、グリースは、アッシュが手に持ったナイフに力を込めたように感じた。
「ま、まて!待ってくれ。俺はあんたの質問にちゃんと答えてるだろ?それに、そもそもなんで俺の父親のことなんて聞いてるんだ?」
危険を感じたグリースは慌ててアッシュに尋ねた。少しでも時間を引き延ばそうとして。
グリースは頭を高速で回転させて何かないか考えを巡らせる。
(なにか助かる道はないのか。そもそも俺の親父はずっと病気で、家から出ないから知り合いもほとんどいない状態だったんだ。それをなんでこいつは気にしているのか。親父とどこかで知り合ってたのか……?)
「ああ!!」
考えを巡らせていたグリースは突然、大声をあげた。それはグリースがアッシュの正体に気づいたためだった。
「あんた!あれだろ!?親父の病気を見てた人だろ?病気は治せないけど落ち着かせることはできるとかなんとか言ってたよな?」
「……」
勢いづいて話すグリースに対して、アッシュは無言のままだった。
グリースはアッシュの様子を無視して話を続ける。
「なぁ。あんたには感謝してるんだよ。病気でうめき声ばっかりあげてた親父があんたが来てからは大人しくなってたし、あんたが親父の面倒を見てくれる分には、俺は親父を殺す必要はなかったんだよ。
「どういうこと?」
グリースの言い分にアッシュはよくわからないといった様子を見せた。
「あぁ。俺の親父は重い病気だったろ?もう寿命が短いってわかってたんだ。だから、本当は俺が殺さなくたって親父の金はすぐに俺のモノになるはずだったんだよ。」
「俺だって、親父に苦しんで死んでほしいなんて思ってないさ。だから、あんたが親父の面倒を見てくれている分にはよかったんだよ。それで親父の寿命が延びるわけでもなかったからさ。」
グリースはそれから怒ったような興奮した様子で話を続けた。
「それが、あの女だ!カンパネラとかいう、自分は聖女だとか言ってたふざけた女のせいなんだよ!あの女が親父の病気を治しちまいやがった。信じられるか?ベッドに寝たきりだった親父が一人で歩いてたんだぜ。そんなことになったら、一体いつ親父は死ぬんだよ!?」
0
あなたにおすすめの小説
チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます――
金さえあれば人生はどうにでもなる――
そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。
交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。
しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。
だがその力は、本来存在してはいけないものだった。
知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。
その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在――
「世界を束ねる管理者」
神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。
巻き込まれたくない。
戦いたくもない。
知里が望むのはただ一つ。
金を稼いで楽して生きること。
しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。
守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。
金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる
巻き込まれ系異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる