94 / 108
第3章 シュルトーリア
予定変更
しおりを挟む
明けましておめでとうございます。
今年も頑張って更新を続けますのでよろしくお願いいたします
----------------------------------------
そのまま体を動かしてもらい、服がきつくないか、動きづらくないか、生地が破れそうになっていないかを確認する。それから上から着るシャツとズボンを着て同じように動きと生地を確認して無事ダブの服が完成した。
服の制作から確認まで所要時間2時間半。朝早くに出てきたのでガルド達が昼ご飯に戻ってくるまでまだ時間がある。
「じゃあ今のうちにガルドの服も作るか。」
ガルドのサイズは感覚的に体が覚えている。首にしがみついた時、横に並んで歩いた時、上に跨った時。いろんな角度からガルドを見たし、体に触ってきた。
その時の感覚頼りにダブの服と同様に脳内に表示される型紙通りに布を切り出して下着と服を作っていく。もちろんズボンとパンツを作る時に尻尾を通す穴を空けておくことは忘れない。
慣れたおかげか今度はパンツ、肌着、シャツ、ズボンの4枚を1時間半で縫い上げた。完全にスキル頼りにしているので違いはないはずだが心なしかこちらの方ができがいい気がする。
作った服を収納にしまうとそろそろお昼なのでガルド達がいつ戻ってきてもいいようにご飯の準備をしてガルド達を待つことにした。
「(帰ったぞ。)」
テーブルを出し、一通り肉を切り分けてあとは焼くだけというところまで準備を終えるとガルドからの念話が届いた。森の方へ振り返ると猪を肩に担いだガルドが森を抜け、そばまで寄ってきていた。
「お帰り。それが午前の成果か。」
「(早いうちに仕留めたのだが、この巨体だ。血抜きに時間が掛かってしまった。)」
ガルドが抱えているので対比でそれほど大きくは見えないが猪単体で見るとたしかに中々の大物だ。よく見れば首が半ばほどまで切り裂かれいるが、血が流れ出てこなかった。
「血抜きまで済ませてくれたのか。ありがとうな。これは午後に解体させて、夕飯にしよう。」
「(うむ。妻の手料理、期待しているぞ。)」
「あぁ!しっかし……。」
「どうしたのだ。」
ガルドの体を見ているとガルドが怪訝な顔をこちらに向けた。
「ずいぶん汚れたな。」
猪を相手にした時か血抜きの時に被ったのか貫頭衣だけでなくガルドの体の至るところに血と泥がこびりついていた。
「ガルドの服も作ったけど……。」
「(そうか。ではすぐに……。)」
「着るのは体を洗ってからだな。」
「(……そうか。)」
ガルドは作業台に置かれた服に目を向けて顔を綻ばせると俺が続けた言葉に耳を寝かせてしょぼくれてしまった。
「午後にはお湯を出す魔導を急いで作るからな。できたら体を洗って、着てみてくれ。」
「(うむ!では午後は我もここに残ろう。)」
再び笑みを浮かべた顔をこちらに向けるガルドの手を取りテーブルに向かった。
続々と戻ってくる従魔達から成果を回収して昼食の支度をする。とはいえ今日も肉を焼くだけではあるのだが。
「(今日の食事も実に美味しいぞ。)」
「(オ、オデも、美味しいご飯、嬉しい。)」
相変わらず褒めてくれるガルドとダブに少し悪い気がしつつもこれからのためにそう簡単に予定を変更できないことを悩む。
もっと手っ取り早く大金を稼げれば楽になるのにと考えながら食事を済ませると、オークと子バラム達から受け取った成果を仕分ける。
結果、半日で依頼の品を全て集めきってしまった。
「まさか半日で依頼を終わらせるとは。」
午後の収穫に期待しつつ、ギルドに納品するものと自分達で食べる物に仕分けをしているとオークの一人が近づいてきた。
「(奥方様、ご報告があります。)」
「なんだ?」
「(森で獲物を捜索中に森の中の崖に空いた洞窟を根城にしている賊と思われる集団を発見しました。)」
「盗賊か~。」
「(その賊を仕留めるのはいかがでしょう?賊を退治すれば奥方様の功績となるのでは?)」
そう言われて、講習で習ったことを思い出す。
「そういえば盗賊は殺さずに街の兵士に引き渡せば、指名手配されてれば報奨金が出るし、されてなくても奴隷として売られて金が入るんだよな……。」
さらに盗賊の持ち物はすべて盗賊を退治した者の物になる。臨時収入の可能性に俺は先ほどの考えを曲げて予定を変更することにした。
「よし!午後はその盗賊退治に行くぞ!」
荷物を纏めてオークが見つけた盗賊のアジトへ向かう。案内役として盗賊狩りを進言してきたオークと俺とバラムだけで向かう。ガルド達は体が大きくて、オーク達は人数が多くて目立つので一度ディメンジョンルームに戻ってもらった。盗賊のアジトに入ってから入り口を開いて一気に攻め落とすつもりだ。
「(あちらです。)」
オークが木の影に身を隠して進行方向にある崖を指示した。そこにはポッカリと空いた洞窟の入り口と頭にバンダナを巻いた男が2人見張りとして立っていた。
「(何というか、見たまんまだな。)」
小さくディメンジョンルームの入り口を開けると気付かれないように念話を使ってこの後の手順を確認しておく。
「(本当に盗賊かどうか確認するために、まずこのまま出て行って話掛ける。もしかしたら話掛ける前にいきなり襲ってくるかもしれないから、その時はバラムは防御を頼むな。)」
「(は~い。バラム、ちゃんとご主人さま守るよ~。)」
「(盗賊だと確定したら入り口を開く。そうしたら出てきて見張りの制圧だ。盗賊たちは街の兵士に引き渡してお金にするからなるべく殺さないように。)」
「(分かりました。縛りあげればいいんですね。)」
他のみんなからも各々返事が聞こえる。彼らの声が落ち着くのを待ち、「それじゃあ行くか」と腰を上げた。
「すいませ~ん。」
「誰だ!」
あえて、声を掛けながらガサガサと音を立てて森から姿を見せる。それに見張りらしき男たちは警戒心を見せるがこんなに堂々と声を掛けて近づいてくる奴を敵だとは思ってないのだろう。姿を見せると俺が一人だと勘違いしたのかニヤニヤして武器の構えから力が抜けている。
「冒険者か?」
「装備は大したことねぇな。これじゃあ大した金にならん。」
今のセリフだけで盗賊にほぼ間違いないが念のため確認しておく。
「あなた達は盗賊で間違いないですか?」
「おうよ。泣く子も黙る『レッドコブラ盗賊団』だ。」
「そうですか。」
「迷子かなんか知らんが、俺達の前に姿を見せた自分を恨むんだな。」
「いえ、盗賊団で良かった。」
「なに?」
俺はディメンジョンルームを開くために魔力を腕輪に流す。
「魔力!魔法使いか、させるかよ!」
そう言って男は手に持っていたナイフをこちらに投擲する。その狙いは正確で真っ直ぐ俺の眉間に向かって飛んできた。
キィン!
「何!」
甲高い音とともに男が声を上げる。俺の眉間に刺さると思われたナイフは危なげなくバラムが伸ばした触手によって阻まれた。
そして、俺はディメンジョンルームを開き、命令を下す。
「奴らを捕らえろ!」
俺がそういうとディメンジョンルームから黒い影が伸びて2人を縛りあげた。
「ロアはそのままこいつらを縛り上げてここで待機。他のみんなはこのまま洞窟に突入だ。」
「「「オオォォォォ!」」」
俺の号令に従い、オーク達は洞窟に突入していく。俺は少しだけ待ってからオーク達の後を追った。
今年も頑張って更新を続けますのでよろしくお願いいたします
----------------------------------------
そのまま体を動かしてもらい、服がきつくないか、動きづらくないか、生地が破れそうになっていないかを確認する。それから上から着るシャツとズボンを着て同じように動きと生地を確認して無事ダブの服が完成した。
服の制作から確認まで所要時間2時間半。朝早くに出てきたのでガルド達が昼ご飯に戻ってくるまでまだ時間がある。
「じゃあ今のうちにガルドの服も作るか。」
ガルドのサイズは感覚的に体が覚えている。首にしがみついた時、横に並んで歩いた時、上に跨った時。いろんな角度からガルドを見たし、体に触ってきた。
その時の感覚頼りにダブの服と同様に脳内に表示される型紙通りに布を切り出して下着と服を作っていく。もちろんズボンとパンツを作る時に尻尾を通す穴を空けておくことは忘れない。
慣れたおかげか今度はパンツ、肌着、シャツ、ズボンの4枚を1時間半で縫い上げた。完全にスキル頼りにしているので違いはないはずだが心なしかこちらの方ができがいい気がする。
作った服を収納にしまうとそろそろお昼なのでガルド達がいつ戻ってきてもいいようにご飯の準備をしてガルド達を待つことにした。
「(帰ったぞ。)」
テーブルを出し、一通り肉を切り分けてあとは焼くだけというところまで準備を終えるとガルドからの念話が届いた。森の方へ振り返ると猪を肩に担いだガルドが森を抜け、そばまで寄ってきていた。
「お帰り。それが午前の成果か。」
「(早いうちに仕留めたのだが、この巨体だ。血抜きに時間が掛かってしまった。)」
ガルドが抱えているので対比でそれほど大きくは見えないが猪単体で見るとたしかに中々の大物だ。よく見れば首が半ばほどまで切り裂かれいるが、血が流れ出てこなかった。
「血抜きまで済ませてくれたのか。ありがとうな。これは午後に解体させて、夕飯にしよう。」
「(うむ。妻の手料理、期待しているぞ。)」
「あぁ!しっかし……。」
「どうしたのだ。」
ガルドの体を見ているとガルドが怪訝な顔をこちらに向けた。
「ずいぶん汚れたな。」
猪を相手にした時か血抜きの時に被ったのか貫頭衣だけでなくガルドの体の至るところに血と泥がこびりついていた。
「ガルドの服も作ったけど……。」
「(そうか。ではすぐに……。)」
「着るのは体を洗ってからだな。」
「(……そうか。)」
ガルドは作業台に置かれた服に目を向けて顔を綻ばせると俺が続けた言葉に耳を寝かせてしょぼくれてしまった。
「午後にはお湯を出す魔導を急いで作るからな。できたら体を洗って、着てみてくれ。」
「(うむ!では午後は我もここに残ろう。)」
再び笑みを浮かべた顔をこちらに向けるガルドの手を取りテーブルに向かった。
続々と戻ってくる従魔達から成果を回収して昼食の支度をする。とはいえ今日も肉を焼くだけではあるのだが。
「(今日の食事も実に美味しいぞ。)」
「(オ、オデも、美味しいご飯、嬉しい。)」
相変わらず褒めてくれるガルドとダブに少し悪い気がしつつもこれからのためにそう簡単に予定を変更できないことを悩む。
もっと手っ取り早く大金を稼げれば楽になるのにと考えながら食事を済ませると、オークと子バラム達から受け取った成果を仕分ける。
結果、半日で依頼の品を全て集めきってしまった。
「まさか半日で依頼を終わらせるとは。」
午後の収穫に期待しつつ、ギルドに納品するものと自分達で食べる物に仕分けをしているとオークの一人が近づいてきた。
「(奥方様、ご報告があります。)」
「なんだ?」
「(森で獲物を捜索中に森の中の崖に空いた洞窟を根城にしている賊と思われる集団を発見しました。)」
「盗賊か~。」
「(その賊を仕留めるのはいかがでしょう?賊を退治すれば奥方様の功績となるのでは?)」
そう言われて、講習で習ったことを思い出す。
「そういえば盗賊は殺さずに街の兵士に引き渡せば、指名手配されてれば報奨金が出るし、されてなくても奴隷として売られて金が入るんだよな……。」
さらに盗賊の持ち物はすべて盗賊を退治した者の物になる。臨時収入の可能性に俺は先ほどの考えを曲げて予定を変更することにした。
「よし!午後はその盗賊退治に行くぞ!」
荷物を纏めてオークが見つけた盗賊のアジトへ向かう。案内役として盗賊狩りを進言してきたオークと俺とバラムだけで向かう。ガルド達は体が大きくて、オーク達は人数が多くて目立つので一度ディメンジョンルームに戻ってもらった。盗賊のアジトに入ってから入り口を開いて一気に攻め落とすつもりだ。
「(あちらです。)」
オークが木の影に身を隠して進行方向にある崖を指示した。そこにはポッカリと空いた洞窟の入り口と頭にバンダナを巻いた男が2人見張りとして立っていた。
「(何というか、見たまんまだな。)」
小さくディメンジョンルームの入り口を開けると気付かれないように念話を使ってこの後の手順を確認しておく。
「(本当に盗賊かどうか確認するために、まずこのまま出て行って話掛ける。もしかしたら話掛ける前にいきなり襲ってくるかもしれないから、その時はバラムは防御を頼むな。)」
「(は~い。バラム、ちゃんとご主人さま守るよ~。)」
「(盗賊だと確定したら入り口を開く。そうしたら出てきて見張りの制圧だ。盗賊たちは街の兵士に引き渡してお金にするからなるべく殺さないように。)」
「(分かりました。縛りあげればいいんですね。)」
他のみんなからも各々返事が聞こえる。彼らの声が落ち着くのを待ち、「それじゃあ行くか」と腰を上げた。
「すいませ~ん。」
「誰だ!」
あえて、声を掛けながらガサガサと音を立てて森から姿を見せる。それに見張りらしき男たちは警戒心を見せるがこんなに堂々と声を掛けて近づいてくる奴を敵だとは思ってないのだろう。姿を見せると俺が一人だと勘違いしたのかニヤニヤして武器の構えから力が抜けている。
「冒険者か?」
「装備は大したことねぇな。これじゃあ大した金にならん。」
今のセリフだけで盗賊にほぼ間違いないが念のため確認しておく。
「あなた達は盗賊で間違いないですか?」
「おうよ。泣く子も黙る『レッドコブラ盗賊団』だ。」
「そうですか。」
「迷子かなんか知らんが、俺達の前に姿を見せた自分を恨むんだな。」
「いえ、盗賊団で良かった。」
「なに?」
俺はディメンジョンルームを開くために魔力を腕輪に流す。
「魔力!魔法使いか、させるかよ!」
そう言って男は手に持っていたナイフをこちらに投擲する。その狙いは正確で真っ直ぐ俺の眉間に向かって飛んできた。
キィン!
「何!」
甲高い音とともに男が声を上げる。俺の眉間に刺さると思われたナイフは危なげなくバラムが伸ばした触手によって阻まれた。
そして、俺はディメンジョンルームを開き、命令を下す。
「奴らを捕らえろ!」
俺がそういうとディメンジョンルームから黒い影が伸びて2人を縛りあげた。
「ロアはそのままこいつらを縛り上げてここで待機。他のみんなはこのまま洞窟に突入だ。」
「「「オオォォォォ!」」」
俺の号令に従い、オーク達は洞窟に突入していく。俺は少しだけ待ってからオーク達の後を追った。
51
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる