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第六章 奴隷オークション
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夜斗がリチャードを助けるため、敵に囲まれながらも、エルマーに魔晶銃を向ける。
だが視界の隅で、夜那が詠唱のモーションに入っているのを捉える。
(ここは、夜那に任せたほうがいいか)
夜斗は夜那に邪魔が入らないよう、周囲の敵を殲滅することにした。
「我らの行く手を、導き給え。光明弾!」
「ぎゃあ!!」
夜那の手から放たれた眩い閃光を眼前で浴びたエルマーは、悲鳴をあげた。剣を落とし、両手で目を覆いながらうめき声をあげる。
リチャードは己が助かったことに、呆然となった。
「ボーッとするな、リチャード! 土属性の魔法を!」
「あ、わ、わかった!」
夜那に叱咤され、リチャードは左手の剣を手放し、エルマーに向けた。
「土の小精霊ティエラ、我に力を貸した 降り注ぐは石礫の雨。ストーンレイン!」
『手助けするよ!』
ティエラの助力もあり、大量の石の雨がエルマーを襲った。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
エルマーは呻いて床に倒れると、そのまま動かなくなった。
リチャードは全身の力が抜けて、そのまま壁づたいに座り込む。
「終わった、のか? というか、ストーンレインって、あんなに石礫、降ったか?」
「ロイが精霊拒絶導具を破壊してくれたおかげで、小精霊たちが来てくれたんだ。それで私は魔法が使えるようになったし、ティエラにリチャードに力を貸すよう頼んだんだよ」
座り込むリチャードのそばに寄る夜那。周囲を見渡すと、頭であるエルマーやられたことで、部下たちが散り散りに逃げていく。
それに慌てるリチャード。
「まずい! 動ける者たちは、奴らを追ってくれ!」
リチャードが騎士団に叫ぶが、慣れない戦闘で彼らは疲れ切っており、床に座り込んでいる者たちばかりだ。それでも、少しでもリチャードの役に立とうと、ふらふらと立ち上がる。
「私のほうが早いよ」
夜那は逃げていく者たちに、手を向ける。
「木々の根よ、彼の者らの動きを封じよ。植縛!」
「な、なんだ!?」
「わあぁぁぁ!!」
逃げる者たちのの足元が割れ、木の根が次々と、セプスクルクスのメンバーを捕まえていく。
夜那は続けて、魔法を放つ。
「天よりこぼれ落ちるは聖なる雫。降り注げ、癒しの雨」
屋内にも関わらず、薄い雲が発生し雨が降る。
雨に打たれた者たちは、傷口が塞がっていくのに、驚きの声を上げた。
「ありがとな、夜那」
「さっき、助けてもらったから。これで貸し借りなしね」
リチャードは小さく笑った。
夜那は肩をすくめ、夜斗のもとに向かう。
「ロイたちは、どうなったんだろうな」
「こっちも全部、終わったよ」
ニ階の手すりに寄りかかりながら、ロイが手を振る。
兄妹は気絶しているエルマーを拘束し、隠し武器が無いか、念入りにチェックした。その間に、ロイが下りてくる。
「ファルは?」
「捕まえた奴らを誘導してる。首謀者もちゃんと捕まえた」
「そうか」
座り込んだままのリチャードに合わせるように、ロイは膝をついた。
「終わったよ、リチャード。全部、終わった」
「ロイ?」
ロイの言いたいことが理解できず、リチャードは首を傾げる。
「君のお兄さんたち、リヒャルト殿下とリスペニア殿下の暗殺に使われたと思われる毒の資料を見つけた」
「っ!? ほん、とうか?」
「うん。紫金ちゃん誘拐は、エルマーの独断だったようだけどね。でも、ここで行われていた奴隷オークションと、殿下たちの暗殺はすべて、ニコラスの指示で、セプスクルクスが動いていた」
「……そうか。やっぱり、すべてニコラスの仕業だったんだな」
リチャードは頭を抱え込みながら、気を落ち着かせるように、深く息を吐き出す。
だが視界の隅で、夜那が詠唱のモーションに入っているのを捉える。
(ここは、夜那に任せたほうがいいか)
夜斗は夜那に邪魔が入らないよう、周囲の敵を殲滅することにした。
「我らの行く手を、導き給え。光明弾!」
「ぎゃあ!!」
夜那の手から放たれた眩い閃光を眼前で浴びたエルマーは、悲鳴をあげた。剣を落とし、両手で目を覆いながらうめき声をあげる。
リチャードは己が助かったことに、呆然となった。
「ボーッとするな、リチャード! 土属性の魔法を!」
「あ、わ、わかった!」
夜那に叱咤され、リチャードは左手の剣を手放し、エルマーに向けた。
「土の小精霊ティエラ、我に力を貸した 降り注ぐは石礫の雨。ストーンレイン!」
『手助けするよ!』
ティエラの助力もあり、大量の石の雨がエルマーを襲った。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
エルマーは呻いて床に倒れると、そのまま動かなくなった。
リチャードは全身の力が抜けて、そのまま壁づたいに座り込む。
「終わった、のか? というか、ストーンレインって、あんなに石礫、降ったか?」
「ロイが精霊拒絶導具を破壊してくれたおかげで、小精霊たちが来てくれたんだ。それで私は魔法が使えるようになったし、ティエラにリチャードに力を貸すよう頼んだんだよ」
座り込むリチャードのそばに寄る夜那。周囲を見渡すと、頭であるエルマーやられたことで、部下たちが散り散りに逃げていく。
それに慌てるリチャード。
「まずい! 動ける者たちは、奴らを追ってくれ!」
リチャードが騎士団に叫ぶが、慣れない戦闘で彼らは疲れ切っており、床に座り込んでいる者たちばかりだ。それでも、少しでもリチャードの役に立とうと、ふらふらと立ち上がる。
「私のほうが早いよ」
夜那は逃げていく者たちに、手を向ける。
「木々の根よ、彼の者らの動きを封じよ。植縛!」
「な、なんだ!?」
「わあぁぁぁ!!」
逃げる者たちのの足元が割れ、木の根が次々と、セプスクルクスのメンバーを捕まえていく。
夜那は続けて、魔法を放つ。
「天よりこぼれ落ちるは聖なる雫。降り注げ、癒しの雨」
屋内にも関わらず、薄い雲が発生し雨が降る。
雨に打たれた者たちは、傷口が塞がっていくのに、驚きの声を上げた。
「ありがとな、夜那」
「さっき、助けてもらったから。これで貸し借りなしね」
リチャードは小さく笑った。
夜那は肩をすくめ、夜斗のもとに向かう。
「ロイたちは、どうなったんだろうな」
「こっちも全部、終わったよ」
ニ階の手すりに寄りかかりながら、ロイが手を振る。
兄妹は気絶しているエルマーを拘束し、隠し武器が無いか、念入りにチェックした。その間に、ロイが下りてくる。
「ファルは?」
「捕まえた奴らを誘導してる。首謀者もちゃんと捕まえた」
「そうか」
座り込んだままのリチャードに合わせるように、ロイは膝をついた。
「終わったよ、リチャード。全部、終わった」
「ロイ?」
ロイの言いたいことが理解できず、リチャードは首を傾げる。
「君のお兄さんたち、リヒャルト殿下とリスペニア殿下の暗殺に使われたと思われる毒の資料を見つけた」
「っ!? ほん、とうか?」
「うん。紫金ちゃん誘拐は、エルマーの独断だったようだけどね。でも、ここで行われていた奴隷オークションと、殿下たちの暗殺はすべて、ニコラスの指示で、セプスクルクスが動いていた」
「……そうか。やっぱり、すべてニコラスの仕業だったんだな」
リチャードは頭を抱え込みながら、気を落ち着かせるように、深く息を吐き出す。
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