サキュバス後輩が俺だけ落とせない件

たまやん

文字の大きさ
6 / 32

休憩時間

しおりを挟む
 翌日。俺はファウスト文庫の休憩室で、コンビニの弁当をかっ込んでた。
 昨夜はピトのことで頭がいっぱいで、推しのVTuber配信も集中して見れなかった。
 あのストックルームの光景がフラッシュバックしてきて、結局3時過ぎまで寝付けなかったんだ。
 目がショボショボしてるけど、シフトは容赦なく入ってる。フリーターってこういう時辛いよな。
 休憩室は狭くて、古いソファとテーブルが置いてあるだけ。
 壁にはススムさんが貼った今月の社内目標の紙が剥がれかけてる。
 俺以外に誰もいない静かな空間で、ようやく一息つける……はずだった。
 
「休憩中ですか、宗二先輩?」
 
 その声が聞こえた瞬間、俺の箸が止まった。
 弁当の唐揚げが喉に詰まりそうになって「げほっ」と咳き込んだ。
 振り返ると、案の定、新堂ピトがドアの隙間からニコニコ顔を覗かせてた。
 ピンクのツインテールが揺れて、セーラー服にエプロン姿が妙に映える。
 いや、映えるとかどうでもいい。問題はあの子がここにいるってことだ。
 
「ピ、ピトちゃん、どうしたの? 休憩時間じゃないの?」
 
 と俺は慌てて弁当をテーブルに置いて、平静を装った。態度に出さない。これが大事だ。関わったらヤバいんだから。
 
 ピトは「私も今からです、先輩♡」
 
 と言いながら、スキップでもするみたいに近づいてきた。
 距離が縮まる。ヤバい。近い。近いって。
 
 「宗二先輩、昨日も遅くまで起きてたみたいですね?目が赤いです。肩、揉みましょうか?」

 と、彼女はニコッと笑って俺の後ろに回り込もうとする。
 
「え!? い、いや、大丈夫だよ! 全然疲れてないし!」

 と俺は咄嗟に立ち上がって距離を取った。
 肩を揉む!? 触る気か!? 何か企んでるのか!? 頭の中で警報が鳴り響く。
 あの羽と尻尾とツノが脳裏をよぎって、心臓がバクバクしてる。
 触られたら何かヤバいことが起こるかもしれないだろ。ダメだ、絶対ダメだ。
 
 ピトは「えー、でも先輩、疲れてるように見えますよ?」

 と首を傾げて、八重歯がチラッと見える笑顔を向けてくる。
 くそっ、可愛いな。いや、ダメだ。警戒しろ。

 俺は「いや、マジで大丈夫だから。弁当食べてる途中だし」

 と、弁当を盾にしながらソファの端に逃げた。
 ピトは「そうですか……」と少し残念そうに呟いたけど、すぐ「じゃあ、私も休憩なのでお菓子食べます!」
 とカバンからチョコを出してきて、隣に座ろうとする。
 
「うわっ、そこじゃなくて向こうでいいじゃん!」

 と俺は慌てて立ち上がって、テーブルを挟んで反対側に移動した。
 ピトがキョトンとしてるけど、無視だ。距離を取る。これが生存戦略だ。
 でも、ピトは諦めなかった。休憩室の隅に積まれた段ボールを見て「あ、そうだ! 先輩、あの本、棚に並べたいんですけど、高くて届かないです……」
 と言いながら、脚立を引っ張り出してきた。
 そして、俺が見てる前で脚立に登り始めた。
 
「え、ちょっと待て、俺が取るよ!」
 と俺は言ったけど、ピトは「大丈夫です、私できます!」
 とニコニコしながら登っていく。
 で、その瞬間だ。彼女が脚立の上で手を伸ばした時、スカートがヒラッと揺れて、パンツが見えそうな角度になった。
 いや、見えそうってか、ギリギリ見えないラインで止まってるけど、明らかにわざとだろこれ。
 誘惑してるのか!? 何か企んでるのか!?
 俺は顔が熱くなって目を逸らした。心臓がドクドクしてる。
 アニメで見たことあるよ、こういうシーン。でも、俺は引っかからない。絶対引っかからないぞ。
 
「ピトちゃん、危ないから降りて! 俺が取るって!」

 と俺は声を張って、脚立の下に駆け寄った。
 ピトは「えー、私、頑張りますよ?」と言いながら、さらに手を伸ばして脚立がグラッと揺れる。

 「うわっ、落ちる!」

 俺が慌てて脚立を押さえようとした瞬間、ピトが「きゃっ!」とバランスを崩し俺に倒れ込んできた。
「うおっ!」って俺もよろけて、二人でドタッと床に転がった。
 痛っ、背中打った……と思った次の瞬間、目に入った光景に俺の頭がフリーズした。
 ピトのスカートが捲れ上がっていて、ローライズのパンツが丸見えになってた。
 ピンクと白の縞柄のやつで、面積が少なすぎる。 少なすぎるだろ、これ! 
 俺、こんなの生で見たことないよ! アニメや漫画でもここまで攻めたデザインは珍しいだろ!
  顔が熱くなって、心臓がバクバクし叫びそうになった。
 その瞬間、ピトの腰の尾てい骨からピンクのスベスベした尻尾がピョコンっと一瞬飛び出して、チラッと見えた。
 あ、そっか。尻尾のせいか。尾てい骨から尻尾が生えるからローライズしか穿けないんだな、きっと。
 あの尻尾、結構太いし長いし、普通のパンツは穿けないよな……って、俺、冷静に納得してた。
 いや、納得してる場合じゃねえ! 何!? 今、尻尾出たよな!? また出たよな!? 
 やっぱり人間じゃないじゃん、この子!
 
「ひゃっ!?」

 とピトが急に叫んで、俺から飛び起きた。顔が真っ赤だ。トマトみたいに真っ赤。
 彼女は慌ててスカートを押さえて「み、見ました!? 宗二先輩、私の下着、見ましたよね!?」
 って震えた声で聞いてくる。
 俺は「え、いや、その……!」って言葉に詰まった。
 見えたよ、マジで。でも、わざとじゃないんだよ。俺だって見たくて見たわけじゃ……いや、見ちゃったけどさ!
 
 ピトは「ううっ、本当に見せる気なんて無かったです! 恥ずかしいです! もうダメです!」

 と両手で顔を覆いながら立ち上がった。尻尾が出たことには気づいてないみたいだ。
 完全にパンツ見られたショックで頭がいっぱいらしい。
 
 「先輩、下敷きにしちゃってごめんない!へ、変なもの見せちゃってごめんなさいでした!」

 と叫んで、休憩室から逃げ出していった。
 ドアがバタンと閉まる音が響いて、俺は床に座り込んだまま呆然としてる。
 いや、まるで嵐のようだ。あれはやはり何らかの狙いがあるのか?
 肩揉むとか、パンツ見えそうな角度とか……。
 でも、あの真っ赤な顔……。本当に見せる気はなかったのか?
 やっぱりヤバい奴だ。関わったら命にかかわるかもしれない。
 しかしあのローライズ、面積少なすぎだろ。尻尾のせいとはいえ、よくあれで生活できるな。
 いつもあんなの穿いてるのか……。
 いや、ダメだ。何考えてんだ、東宗二。想像するな!最低だぞ!駄目だ!目を閉じると浮かんでくる!心頭滅却……!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~

双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。 なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。 ※小説家になろうでも掲載中。 ※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...