歴史研究者の俺は殺されたと思ったら1000年前の世界に転生しました。

なの

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第三章 新しい世界

第6話

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慣れないことばかりの一日が終わり、くたくたな状態で寮室へ戻った。


「お帰り~!」


そうだった。こいつがいた。
今日はまだまだ大変そうだ。 

翌日


 朝でも相変わらダル絡みをしてくるエガーをガン無視して教室に向かった。
 なにやら俺のクラスの前が大勢の生徒で埋め尽くされていて中に入れない。


「ん~?シルヴィ君のクラス、どうしたんだろうね?」


エガーも気になるようだ。


「あ、クラヴェンス君!レインベール先輩が探してるぞ!」


一人の生徒が俺にそう伝えてくれた。
レインベール先輩…?知り合いだったっけ?
俺が何かやらかしたのだろうか。


「…!シルヴィ!」


 大勢の生徒の中心から俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。そちらの方を見ると、周りよりも飛び出た金髪が人混みを掻き分けてこちらへ向かってきた。


「やっと会えた…。」


現れた男の人はモデルのようなスタイルで、ルビーのような赤い瞳の持ち主だった。その目は、生徒会長で第一皇子のルシファー様にとても似ていた。


「あの、すいません。どこかで会いました?」


どうしても名前が出てこない。この人とどこかで会っただろうか。
 もしかして、貴族の交流のなかで仲良くなった人かもしれないな。入学する前も何度か交流があって、歳が近い子供何人かと仲良くなった。


「……え?シルヴィ、覚えてない?リオテウス・レインベールって言うんだけど…。」


リオテウス…?
確かに記憶がある。だけど、名前だけだ。
 11歳の頃に隣国のキールへ行ったときに聞いた名前だ。彼以外の記憶は結構あるが、彼だけは思い出せない。
 記憶の一部だけにもやがかかってしまっている。きっとその部分が彼との記憶なのだろう。


「ごめんなさい。思い出せない…。」


「…………」


「そっ…か。思い出せないなら仕方ないね。改めて、俺はリオテウス・レインベールだ。隣国から留学して、今は3年だ。」


「そうですか。よろしくお願いします、"レインベール先輩"!」


「………………ぁぁ。」


 レインベール先輩はとてもショックを受けたような、獲物を狙っている虎のような、感情がよくわからない目をしていた。
 俺が思い出せないから傷つけちゃったんだ。早く思い出さないとめっちゃ失礼だ。


「ごめんなさい!すぐに思い出します。」


そう言って俺は目をつぶりながら記憶をたどった。


「いいよ。無理しないで。」


「でも…。」


「…く、…思い..は……な…だ。」 

「え?」


レインベール先輩がなにか言ってたが、聞き取ることはできなかった。













リオテウス・レインベール 


シルヴィがいる教室へと足を運ぶ。
まだ来ていないようだ。
気が付くと俺の回りは大勢の生徒で溢れていた。大勢の視線にはもう
すると一人の生徒が、


「あ、クラヴェンス君!レインベール先輩が探してるぞ!」


と言った。
シルヴィがやっと教室に来たのだ。シルヴィの隣には見知らぬ男が立っていた。"誰だ?"と尋問したいが、今優先するべきはそっちじゃない。


「…!シルヴィ!」


小さい影がすぐにシルヴィだとわかる。
再開できた感動を胸に、シルヴィのもとへ人を横へと掻き分けながら向かった。


「やっと会えた…。」


子供の頃と変わらない艶のあるくすんだピンク色の髪に、ハチミツような甘い瞳。あのときも、その目で笑いかけてくれた。


「あの、すいません。どこかで会いました?」


その言葉を聞いた瞬間に頭が白くなった。
ひどいショックを受けたのだ。


「……え?シルヴィ、覚えてない?リオテウス・レインベールって言うんだけど…。」


 再開したら私のことを覚えていて、また笑ってくれると思っていた。
 完璧だと言われるようになった私の弱い部分も受け入れてくれると思っていた。


「ごめんなさい。思い出せない…。」


「…………」


「そっ…か。思い出せないなら仕方ないね。改めて、俺はリオテウス・レインベールだ。隣国から留学して、今は3年だ。」


 今すぐにも叫びだしたい衝動にかられたが、そんな姿を見せてシルヴィを驚かせたくない。
自分を落ち着かせて冷静を保ち、自己紹介をした。シルヴィにとっては初対面と変わらないのだから。


「そうですか。よろしくお願いします、"レインベール先輩"!」


「………………ぁぁ。」


ファミリーネームに先輩。距離を感じてしまう呼び方だ。昔は名前で呼んでくれたのに。


「ごめんなさい!すぐに思い出します。」


優しいシルヴィは、私がショックを受けたことに気がついたのだろう。


「いいよ。無理しないで。」


「でも…。」


「結局、私達の思い出はその程度だったんだな。」


その言葉はシルヴィに届かなかった。





リオテウス・レインベール 


下唇を噛みしめ、廊下を早足で進んで行く。 
 そんな私の姿を意外そうに見る生徒達の姿が何回も通りすぎる。 


私は片方の耳についている黄色いイヤリングに触れた。
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