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第五章 迫り来る影
第5話
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シルヴィ・クラヴェンス
「シルヴィ、探したよ。」
「!、レインベール先輩!?」
紳士服を身につけたリオテウスがこちらへ向かってきた。
リオテウスには、どこか違和感があった。絵に描いたような笑みを浮かべている気がした。
「どうしたんですか?」
「…ちょっとだけ、二人きりでいい?」
そう言ってリオテウスは、集まっていたルイネードたちに目を向けた。
「シルヴィ、この方は?」
お母様が聞いてきた。
「3年の先輩だよ。話してくるから、少し待ってて。」
「ーーおい」
俺が行こうとすると、ルイネードが急に腕を掴んで来た。
「騙されんなよ。」
◇ ◇ ◇
その後、人気のない場所をリオテウスと一緒に探した。
「ここでいいかな?」
外へつながる廊下だ。こんな大雨の中、外へ出ようなんて考える人はいないはずだ。そのせいか、人が一人も通っていない。
リオテウスと俺は、設置されていた長椅子に二人で座った。
「話って、なんですか?」
「…相談にのってくれるかい?」
「もちろんです!どうしたんですか?」
「この前、私は人を探してるって言ったね?」
「はい…」
「見つかったよ」
「え!それは本当によかったです!!」
「私の気持ちを受け入れてくれるかな?」
「絶対に大丈夫ですよ!」
「………………よかった。」
こうしてリオテウスと話している間も、ルイネードの言ったことが気になっていた。
『騙されんなよ』
なんのことを言っているのか、俺には分からないけど、ルイネードがリオテウスのことを警戒しているのはわかった。
もしかして、この謎の雨雲と関係あるのだろうか?
ルイネードのことは、資料で知り尽くした気でいた。だけど、ルイネードが闇の力を使ったことがあること、そして詳しいことは知らなかった。
実際に、俺もリオテウスには会ったときから違和感を感じていた。確か、初めて会ったのは教室の前だった。
その時のリオテウスは昔、会ったことがあるような感じがしていた。なぜだか、俺の過去の記憶にはもやが掛かっている。
覚えているのは、診断がΩであったことだけ…。
それ以外はどうしても思い出せない。そんなに時は経っていないハズなのに。
「……最近、父上の体調が優れないんだ。」
リオテウスに話を振られて、現実に引き戻された。王族と言うものは大変だ。悩みに悩みまくっているんだな…。
「病ですか?」
「医師にはそうではないと言われたんだが、今ではベッドの上から動けない程だ。」
「明らかに弱っていると言うことですか…。」
「まあ、いい。この事は君に話すべきではなかったね。
もう話は終わりだよ。ありがとう。」
「どういたしましてです!」
そう言うと、リオテウスは微笑みを残して行ってしまった。
リオテウス・レインベール
最初からこうすべきだった。
その方が、彼に変な虫がつくことはなかっただろうに。
来週、シルヴィの元へ招待状が届く。きっと来てくれるはずだ。
シルヴィ、俺の気持ちを受け入れて
「シルヴィ、探したよ。」
「!、レインベール先輩!?」
紳士服を身につけたリオテウスがこちらへ向かってきた。
リオテウスには、どこか違和感があった。絵に描いたような笑みを浮かべている気がした。
「どうしたんですか?」
「…ちょっとだけ、二人きりでいい?」
そう言ってリオテウスは、集まっていたルイネードたちに目を向けた。
「シルヴィ、この方は?」
お母様が聞いてきた。
「3年の先輩だよ。話してくるから、少し待ってて。」
「ーーおい」
俺が行こうとすると、ルイネードが急に腕を掴んで来た。
「騙されんなよ。」
◇ ◇ ◇
その後、人気のない場所をリオテウスと一緒に探した。
「ここでいいかな?」
外へつながる廊下だ。こんな大雨の中、外へ出ようなんて考える人はいないはずだ。そのせいか、人が一人も通っていない。
リオテウスと俺は、設置されていた長椅子に二人で座った。
「話って、なんですか?」
「…相談にのってくれるかい?」
「もちろんです!どうしたんですか?」
「この前、私は人を探してるって言ったね?」
「はい…」
「見つかったよ」
「え!それは本当によかったです!!」
「私の気持ちを受け入れてくれるかな?」
「絶対に大丈夫ですよ!」
「………………よかった。」
こうしてリオテウスと話している間も、ルイネードの言ったことが気になっていた。
『騙されんなよ』
なんのことを言っているのか、俺には分からないけど、ルイネードがリオテウスのことを警戒しているのはわかった。
もしかして、この謎の雨雲と関係あるのだろうか?
ルイネードのことは、資料で知り尽くした気でいた。だけど、ルイネードが闇の力を使ったことがあること、そして詳しいことは知らなかった。
実際に、俺もリオテウスには会ったときから違和感を感じていた。確か、初めて会ったのは教室の前だった。
その時のリオテウスは昔、会ったことがあるような感じがしていた。なぜだか、俺の過去の記憶にはもやが掛かっている。
覚えているのは、診断がΩであったことだけ…。
それ以外はどうしても思い出せない。そんなに時は経っていないハズなのに。
「……最近、父上の体調が優れないんだ。」
リオテウスに話を振られて、現実に引き戻された。王族と言うものは大変だ。悩みに悩みまくっているんだな…。
「病ですか?」
「医師にはそうではないと言われたんだが、今ではベッドの上から動けない程だ。」
「明らかに弱っていると言うことですか…。」
「まあ、いい。この事は君に話すべきではなかったね。
もう話は終わりだよ。ありがとう。」
「どういたしましてです!」
そう言うと、リオテウスは微笑みを残して行ってしまった。
リオテウス・レインベール
最初からこうすべきだった。
その方が、彼に変な虫がつくことはなかっただろうに。
来週、シルヴィの元へ招待状が届く。きっと来てくれるはずだ。
シルヴィ、俺の気持ちを受け入れて
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