BOYS HOLDER(ボーイズホルダー) 〜男の子をゲット&リリース&バトル!〜

命(ミコト)

文字の大きさ
3 / 28
~第1話~ 大発明!?ボーイズホルダー!

2.ボーイズホルダー

しおりを挟む
私と博士はボーイズホルダーを手に、その足で近所の公園『第一公園』へと向かった。


「ここは第一公園。ここの男子はレベルも控えめで初心者にも捕まえやすいだろう」


レベルって何だ…


「おっ!早速あんなところにサッカー少年が!」


博士の指さす方向には確かにサッカーボールと戯れている少年がいた。

年は私よりも低いくらい…
ちょっと日焼けしていて、ほっぺにはばんそうこが貼られている。


「『レベル3』ってとこか…」

「だからレベルってなに!?」

「さぁ、さっそく、この首輪を男の子の首にかけてこう叫ぶのだ!『ダウンロード!』と!」

「そうは言ってもこんな首輪、かける前に警戒されちゃうんじゃないの?」

「それについては心配いらない。男子に向かってボーイズホルダーを投げれば、自動で首にハマるご都合システムを搭載している」


ホントかよ…


「ほんとにこんなんでいけるのかなぁ」


私は胡散くささを感じながらも、そろりとサッカー少年に近づき、首輪をはめられる位置を探った。

ふと、少年がこちらを気にしだした。


「勘付かれた!
 首輪を投げるんだ。朱美くん!」

「…!」


博士の声に押されるまま、私は首輪を少年に向かって投げ込んだ。

そして博士の言った通り首輪は自動で少年の首へと向かっていく。



「ふえっ」


カチッ

少年が戸惑いの声を上げる間、その首にボーイズホルダーが装着される。


「今だ!!」

「ダウンロード!!」


私が夢中になってその言葉を叫ぶと
首輪は発光し、少年がまばゆい光に包まれる。


「うええ!?どうなるの?」

「…ダメだ!」


バシュウン!!


少年を覆っていた光が飛び散り、首輪は外れ、地べたに落下する。


「…な、なに…?」


解放された少年はおびえたようにこちらを見る。


「えっ、あっ、えーっと…」


少年から怪訝の眼差しを向けられ、私は狼狽する。


「いやー、あははははは…
 ワタシノクニデハコレガアイサツデス!」

「………」


私は苦し紛れの言い訳をするも、
少年はそそくさとどこかへ逃げてしまった。


「………」

「うーむ。ドンマイ」

「ドンマイじゃないわ!!
 これホントに効果あるんでしょうね!!」

「大事なことを言ってなかった。
 実は男の子を捕獲するためには『弱らせる』のが効果的なんだ」

「弱らせるって…どうすんの?」

「それはだな…」


博士がこっそり耳打ちをする。


「はぁ!?」




―第2ラウンド


次のターゲットを探す私と博士は、ブランコにたたずむ一人の男の子を見つけた。


「おっ。ブランコで一人ゲームしている少年がいるぞ。
 寂しいな~。将来は私みたいになっちゃうぞ」

「一緒にしてやんなや」


ブランコでゲームをしている少年は見るからに内向的な感じだった。

肌は白くて、耳のついた可愛い帽子をかぶっている。


「そら、さっき言ったことを意識して再チャレンジだ!」

「ったくしょうがないなぁ…」


私は、今度は堂々と少年の前に向かう。


「…?」

「こんにちは」


挨拶する私を少年は不思議そうな眼差しで見上げる。


「…?お姉さん何か用?」

「んー?ちょっと…ね」


私は少年のズボンに目を落とす。


そして―



「んみゅうっ!?」



私は少年の股の間に手を入れた。


「おっ…お、お姉さん何するのぉ…!」


少年が顔を赤らめ、熱っぽい声で言う。


「んー?そうだねぇー。『フツウじゃないこと』かな…♪」


私は手早く少年に首輪をつけ、そして―


「ダウンロード」

「ああっ!」


バシュウン!!


瞬く間に少年は光に包まれ、消えてしまった。


「…へ?」


「おっし!男の子を捕まえたぞぉ!」


後ろの方で隠れていた博士が歓声とともに出てくる


「いや、あのー、消えちゃったんですけど…」

「それについては問題ない。ボーイズホルダーで捕獲した男子は一度電子データに変換され、このタブレット端末に保管される。この端末から男の子に対して色々なカスタマイズを行うこともできるのさ」


なんかもう一字一句超理論すぎてついていけない…


「ホラ、早速『男の子図鑑』に捕獲した少年のデータが登録されたぞ」

「えっ」



~男の子データ~

羽月 広夢はづき ひろむ

性格:おとなしい
趣味:ゲーム
好きなもの:かわいい缶バッジ

主に公園に生息。
自己主張はあまりしないが思いやりのあるやさしい少年。
乱暴な子とは気が合わない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...