BOYS HOLDER(ボーイズホルダー) 〜男の子をゲット&リリース&バトル!〜

命(ミコト)

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~第1話~ 大発明!?ボーイズホルダー!

8.キャッチアンドリリース

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―朱美の家


「ふぅー。今日は一日いろいろあったなぁー」


私は自室のベッドに背中をつけ、男の子図鑑のタブレットに映し出された広夢のデータをぼんやり眺めながら、博士の言ったことを思い出していた。


『キャッチアンドリリースの原則』

『男の子の保持限界時間は24時間』


「・・・」

「もうすぐ…お別れなんだなぁー…」


ふと、今日一日広夢と遊んだ時間を思い出す。

短い時間だったけど、私にとっては輝くような時間だった。


「ボーイズホルダーで捕獲されている間の記憶は、解放された後にはほとんど忘れちゃうんだっけ」


明日には広夢が私のことを忘れてしまうと思うと、胸がギュッと締め付けられるようだ。

『離れたくない』そんな思いが頭の中に浮かんでは消える。


「・・・」

「アップロード」


バシュウン!


サークルから広夢が召喚される。


「はい、およびでしょうか。ごしゅじんさま」

「広夢…」

「…?」

「…一緒にお風呂はいろっか!」

「…?」


「…ふえっ。」




―お風呂 更衣室


「ほら、広夢も早く脱いで」

「はううぅぅ…」


私は下着になるまで服を脱いだ後、なかなか服を脱ごうとしない広夢を催促する。

広夢は股を押さえて恥ずかしがりながらも、時折チラチラと私の方を見る。


「ん?」

「ひあっ。すみません……」


私と目が合うと広夢はきまりが悪そうにまたうつむいてしまう。


「ようし、そっちがそのつもりなら…」


私はタブレットをいじり、


「クロスチェンジ!」

バシュウン!

「ひゃあっ!?」


着せ替え機能を使って広夢をお風呂に入ることができる姿にさせた。


「うう…」

「広夢。ほら、これでおあいこ」


私は最後の下着脱ぎ捨て、広夢と同じ姿になる。


「ふわっ…」


私は少しドキドキしながら両手を広げると、広夢もぼーっとしたようになり、私の身体を見つめる。


「ふふふ。さ、一緒にお風呂入ろ!」

「…は、はい」


私は恥ずかしがる広夢の手を引き、浴室内に入れた。



―お風呂 浴室


「ふふ…広夢の肌はスベスベでいいねぇ」

「はんっ。くすぐったいですぅ」

「はは、ごめんごめん」


私と広夢は向き合いながら、せっけんを使ってお互いの身体を洗っている。


「ここは念入りに洗わないとね♡」

「にゃあん♡お、お願いします…♡」


私たちは時折、身体をくっつけながら、お互いの身体をごしごしと洗う。


「ふふふ…ありがと。広夢のおかげでキレイになったよ」

「あ…よかった…です…」


一通り洗い終わると、シャワーの水で泡と今日の疲れを洗い流した。


始めはカチカチだった広夢も、疲れを全部出し切ったのか、浴槽に入るころには、リラックスし、ぼんやりまどろんでいた。


「ふあぁ…」

「ふふふ…広夢かーわいい♡」


私はぬいぐるみを抱くように広夢を抱きしめる。


「…ごしゅじんさま。」


広夢は上気した顔を上げて言う。


「ん?」

「好き…」


広夢はそう一言つぶやくと顔を近づけ、そして…


「…!」

―唇を重ねた。

「んっんっ♡」

「ふあぅ…」

「…ぷは」


キスは3秒ほど続いた。
ほとんど不意打ちのキスで私はしばらく茫然としていた。

数秒遅れてようやく意識が感覚に追いつく。

広夢の小さな口から広がった、とろけるようなキッスの余韻が私の脳みそを直接刺激する。


「ふえあ…」

「あう…」


よくよく見ると広夢の顔はもう真っ赤だ。


「…のぼせちゃったかな?」

「ぶくぶく」


広夢の暗黙の意思表示をくみ取った私は、お風呂から出ることにした。


―寝室


もう寝るばっかしだ。

私はパジャマに着替え、広夢は着せ替えツールでパジャマに衣装をチェンジした。


「ふふ…今日は色々あったねぇー」

「はい。ごしゅじんさま」


身体は弛緩し、
まぶたを閉じるとすぐに眠ってしまいそうだ。

だけど、目を閉じたらもう広夢に会えなくなるような。

そんな気がして私は目をがんばって開けていた。


「…ねぇ、もう少し夜更かししてようよ。広夢はさ…どんな人が好みなの?」

「・・・」

「…広夢?」

「すぅーすぅー」

「・・・」


広夢は寝息を立ててぐっすり寝入っていた。


「くす…、しかたないなぁもう」

「…おやすみ広夢」


私はそういうと今度は私から広夢の唇にこっそりキスをした。

別れを惜しむように、しばらく唇を重ねていた。


「…私も寝るかな」


感慨深いような、名残惜しいような。

胸からこみ上げてくる、泣きたい気持ちをこらえて。

パチン


電気を消すと、
数分と待たずに私の感覚は夢の中へとさらわれた。
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