14 / 28
〜第2話〜 大暴走!?おしゃまな妹、愛央とうじょう!
4.クズには何をしても許される
しおりを挟む
―数日後 学校
キーンコーンカーンコーン
チャイムがひびき、昼休みが始まる。
いつも通りの学校風景だ。
「あー、さっきの授業良く眠れなかったなー」
退屈な授業は睡眠に充てることが効率的な学校生活だ。
「よーし、次の授業は良く眠れるように軽く運動しときますか!」
「あんた学校なんだと思ってるの…」
この子はクラスメイトの友美。
モブキャラなので覚えなくてもいいよ。
「…なんか今すごい失礼なこと言われた気がしたんだけど」
「えっ、気のせいじゃないかな~?」
「朱美さん!朱美さんはいらっしゃる!?」
「うおっ」
授業終わりの気だるい余韻を吹き飛ばすように、美鳥のかん高い声が響く。
となりのクラスから、毎回よう来るわ…
「うーん私は今いないよ」
「そうですの。では出直すとしますわ…」
私がそういうと美鳥は素直に背を向ける。
「って!いるじゃありませんの!!バカにしているの!?」
「わーわー!いちいち声荒げないでよ!」
そんなわけがなかった。
―廊下
「んで。今回は何の用?」
「朱美さん、あなた確か妹がいましたよね?愛央さんという…」
「あー、まあね。愛央がどうしたの?」
「…あなたのことですし、何もご存じないのでしょうね」
「…?」
「論より証拠ですわ。ちょっとついてきて」
「…はぁ」
私は美鳥に導かれるままに、彼女の後ろをついていく。
―下の階の教室前
「なにこれ…?」
そこは普段は使われない小さな空き教室。
だが、今は窓やドアが黒いカーテンでさえぎられ、
中からほのかに明かりが灯っていることが外側からかろうじて確認できる。
そして、床に立っている小さな看板にはこう書かれている。
『下僕サロン』と。
「下僕サロン…?ここって…」
私が状況を飲み込めずにいると、部屋の中から数人の女子たちが出てきた。
「くすくす。見た?あの顔?」
「ほんと、おもしろかったー」
「また来たいけど、そろそろ金欠ー」
「そうねー。…あ」
女子たちは、私たちの存在を確認すると、気まずそうにして、そそくさと行ってしまった。
「な、何…?中でいったい何が…」
「入るわよ」
「うえ!ちょ、ちょっと!」
物おじせず部屋の中に入っていく美鳥につられて、私も部屋の中に入った。
「なに…?薄暗くてよく見えない…」
「すぐに目が慣れますわ。そんなことよりも…」
美鳥はそう言うと、少し息をため込み…
「愛央さん!いるんでしょう?お姉さんを連れてきてあげましたわ!」
「ええ!?」
「んー?ああそう。」
奥の方から愛央の声がする。
声の方向を目をこらして注意深く見るとそこには確かに愛央がいた。
「…別に頼んでないけど?」
「そう言わず。姉妹同士仲良くなさったらどうかしら?」
「愛央!」
愛央はこの前捕まえた少年を椅子代わりにして座っている。
「その子は…」
「ああ、コレ?私の椅子。デコボコしてるし、たまに揺れるしあんま座り心地良くないけどね」
「うう…」
「…」
「まぁせっかく来たんだったらおねえちゃんも楽しんでってよ。私が作った一大アトラクションをね」
「え…?」
愛央の合図とともに照明が灯され、あたりの様子が分かるようになると、そこで繰り広げられている光景にギョッとする。
「遊具ナンバー02『ヨシダ』」
「私を見下してきた吉田くん。彼にふさわしい仕事はみんなのストレス解消用サンドバッグ♡
グローブをつけて、どこでも殴り放題♪これが意外と好評なの♪5分間で300円ね」
「キャハハハ!ほらほら!もっとごめんなさいしなさい!」ゴスゴス
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「遊具ナンバー03『モリ』」
「空気を読まない発言でみんなを困らせている森くん。
彼は人間 的当てゲームの的になってもらってるんだ。一回300円だけど、得点によっては安くなるの♪」
ボンッ
「あはぁっん!」
「あ♡股に当たったみたいだね。あそこに当たると高得点♪」
「いえーい!本当ブザマで面白い♡」
「遊具ナンバー04『オオイズミ』」
「4人組の中では一番イケメンで、女子人気もそこそこあった大泉くんにはここのマスコットになってもらってる♪
命令するとどんなことでもしてくれる、忠実な操り人形。
人気だからちょっと割高だけど500円で5分間楽しめるんだ♪」
「ほらぁ。床はいずりながら、媚びるように私の足を舐めなさい」
「はい…お客様のお足、とってもおいしいです…」ジュプジュプ…
「そして極めつけはこの人間椅子。まぁ座り心地はサイアクだけど。岸部くんは他の人から見ても断トツのクズだったから、コイツの上に座りたいって人に人気。これは100円で時間無制限♪」
「………」
「…ホラ!何とか言えよクズ!!」
そう言うと愛央は少年の身体を平手で叩きつける。
「あぎゃあん!」
「は、はい…私の価値は100円です…」
「クスクス…」
「はーあ、飽きちゃった。ホラ、後は床に股でもこすりつけて勝手によがってなさい」
「は、はひぃ…」
「ちょっ愛央!さすがにこれはやりすぎだよ!お金まで稼いじゃって…」
「なにいってんの?おねえちゃん。コイツら私をいじめたクズだよ?
『クズには何をしても許される』常識でしょう?」
「いや、だからって…そもそもボーイズホルダー1機では1体の男子しか捕まえられないはずでしょ?どうやってこんなにたくさんの男子を…」
「そんなのあの後、博士からたくさんもらったに決まってんじゃん」
あのダメ博士…
「と、とにかくこんなのよくないよ!おねえちゃんと一緒に帰ろう?」
「…ふん」
「無駄ですわ。ここまで話が進んでいる以上、説得で話をつけるのは困難…」
「じゃあどうすれば…」
「決まっていますわ。ボーイズホルダーを持つ者同士が対立した場合、決着をつける方法はひとつ…」
「まさか…」
「そう…」
「「ボーイズバトルで勝負!!」」
「やっぱし~!」
キーンコーンカーンコーン
チャイムがひびき、昼休みが始まる。
いつも通りの学校風景だ。
「あー、さっきの授業良く眠れなかったなー」
退屈な授業は睡眠に充てることが効率的な学校生活だ。
「よーし、次の授業は良く眠れるように軽く運動しときますか!」
「あんた学校なんだと思ってるの…」
この子はクラスメイトの友美。
モブキャラなので覚えなくてもいいよ。
「…なんか今すごい失礼なこと言われた気がしたんだけど」
「えっ、気のせいじゃないかな~?」
「朱美さん!朱美さんはいらっしゃる!?」
「うおっ」
授業終わりの気だるい余韻を吹き飛ばすように、美鳥のかん高い声が響く。
となりのクラスから、毎回よう来るわ…
「うーん私は今いないよ」
「そうですの。では出直すとしますわ…」
私がそういうと美鳥は素直に背を向ける。
「って!いるじゃありませんの!!バカにしているの!?」
「わーわー!いちいち声荒げないでよ!」
そんなわけがなかった。
―廊下
「んで。今回は何の用?」
「朱美さん、あなた確か妹がいましたよね?愛央さんという…」
「あー、まあね。愛央がどうしたの?」
「…あなたのことですし、何もご存じないのでしょうね」
「…?」
「論より証拠ですわ。ちょっとついてきて」
「…はぁ」
私は美鳥に導かれるままに、彼女の後ろをついていく。
―下の階の教室前
「なにこれ…?」
そこは普段は使われない小さな空き教室。
だが、今は窓やドアが黒いカーテンでさえぎられ、
中からほのかに明かりが灯っていることが外側からかろうじて確認できる。
そして、床に立っている小さな看板にはこう書かれている。
『下僕サロン』と。
「下僕サロン…?ここって…」
私が状況を飲み込めずにいると、部屋の中から数人の女子たちが出てきた。
「くすくす。見た?あの顔?」
「ほんと、おもしろかったー」
「また来たいけど、そろそろ金欠ー」
「そうねー。…あ」
女子たちは、私たちの存在を確認すると、気まずそうにして、そそくさと行ってしまった。
「な、何…?中でいったい何が…」
「入るわよ」
「うえ!ちょ、ちょっと!」
物おじせず部屋の中に入っていく美鳥につられて、私も部屋の中に入った。
「なに…?薄暗くてよく見えない…」
「すぐに目が慣れますわ。そんなことよりも…」
美鳥はそう言うと、少し息をため込み…
「愛央さん!いるんでしょう?お姉さんを連れてきてあげましたわ!」
「ええ!?」
「んー?ああそう。」
奥の方から愛央の声がする。
声の方向を目をこらして注意深く見るとそこには確かに愛央がいた。
「…別に頼んでないけど?」
「そう言わず。姉妹同士仲良くなさったらどうかしら?」
「愛央!」
愛央はこの前捕まえた少年を椅子代わりにして座っている。
「その子は…」
「ああ、コレ?私の椅子。デコボコしてるし、たまに揺れるしあんま座り心地良くないけどね」
「うう…」
「…」
「まぁせっかく来たんだったらおねえちゃんも楽しんでってよ。私が作った一大アトラクションをね」
「え…?」
愛央の合図とともに照明が灯され、あたりの様子が分かるようになると、そこで繰り広げられている光景にギョッとする。
「遊具ナンバー02『ヨシダ』」
「私を見下してきた吉田くん。彼にふさわしい仕事はみんなのストレス解消用サンドバッグ♡
グローブをつけて、どこでも殴り放題♪これが意外と好評なの♪5分間で300円ね」
「キャハハハ!ほらほら!もっとごめんなさいしなさい!」ゴスゴス
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「遊具ナンバー03『モリ』」
「空気を読まない発言でみんなを困らせている森くん。
彼は人間 的当てゲームの的になってもらってるんだ。一回300円だけど、得点によっては安くなるの♪」
ボンッ
「あはぁっん!」
「あ♡股に当たったみたいだね。あそこに当たると高得点♪」
「いえーい!本当ブザマで面白い♡」
「遊具ナンバー04『オオイズミ』」
「4人組の中では一番イケメンで、女子人気もそこそこあった大泉くんにはここのマスコットになってもらってる♪
命令するとどんなことでもしてくれる、忠実な操り人形。
人気だからちょっと割高だけど500円で5分間楽しめるんだ♪」
「ほらぁ。床はいずりながら、媚びるように私の足を舐めなさい」
「はい…お客様のお足、とってもおいしいです…」ジュプジュプ…
「そして極めつけはこの人間椅子。まぁ座り心地はサイアクだけど。岸部くんは他の人から見ても断トツのクズだったから、コイツの上に座りたいって人に人気。これは100円で時間無制限♪」
「………」
「…ホラ!何とか言えよクズ!!」
そう言うと愛央は少年の身体を平手で叩きつける。
「あぎゃあん!」
「は、はい…私の価値は100円です…」
「クスクス…」
「はーあ、飽きちゃった。ホラ、後は床に股でもこすりつけて勝手によがってなさい」
「は、はひぃ…」
「ちょっ愛央!さすがにこれはやりすぎだよ!お金まで稼いじゃって…」
「なにいってんの?おねえちゃん。コイツら私をいじめたクズだよ?
『クズには何をしても許される』常識でしょう?」
「いや、だからって…そもそもボーイズホルダー1機では1体の男子しか捕まえられないはずでしょ?どうやってこんなにたくさんの男子を…」
「そんなのあの後、博士からたくさんもらったに決まってんじゃん」
あのダメ博士…
「と、とにかくこんなのよくないよ!おねえちゃんと一緒に帰ろう?」
「…ふん」
「無駄ですわ。ここまで話が進んでいる以上、説得で話をつけるのは困難…」
「じゃあどうすれば…」
「決まっていますわ。ボーイズホルダーを持つ者同士が対立した場合、決着をつける方法はひとつ…」
「まさか…」
「そう…」
「「ボーイズバトルで勝負!!」」
「やっぱし~!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる