BOYS HOLDER(ボーイズホルダー) 〜男の子をゲット&リリース&バトル!〜

命(ミコト)

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〜第3話〜 大混乱!?謎の組織シュリュウ団あらわる!

9.苦杯

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「サヤ!!」

「!?」


絶望の雲間に光が差すように、よく聞き覚えのある女性の叫び声が聞こえた。

この粗野さの中にも大人っぽさが混じった声は…


「あ…!博士!!」


声の方向に目を向けるとそこにいたのは博士だ。


「博士…?大河内博士…!?」

「…久しぶりだなサヤ」

「…ご無沙汰しております」

「えっ?えっ?」

「どうやら、訳アリみたいですわね」


ふたりは知り合いのようだ。


「こんなところにいらっしゃったとは…探しました」

「住まいを明かすとマスコミやらうるさいのでな。
 だが、そんなことを話しに来たわけではない」

「…お前たち…一体何をしている…?
 世界征服など…」


「…ここに博士がいらっしゃることは
 こちらとしては想定外でした。
 よって一旦帰還し、ボスの判断を仰ぎたいと思います」

「ボスだと…?ちょっと待て!
 このまま帰れると思っているのか!」

「そうだよ!私たちの男子返して!」

「おやめなさい朱美さん!」

「え…美鳥…?」


私がサヤに抗議しようとすると美鳥は何故か私を制止する。


「美鳥は状況をよくわかっている。
 この場面で私が無条件で引こうというのだ。
 これ以上の話は無いだろう」

「あ…!」

「悔しいですが…」

「なるほど…二人とも負けたか…」


「焦らずともまたすぐに会えるでしょう。
 博士が逃げなければ…ですが」

「誰が逃げるか!誰だか知らんが君たちの
 ボスとやらに伝えておけ!
 『私をなめるな』とな!」

「フッ…」

「何がおかしい…!」

「いえ、伝えておきますよ。必ずね…」

「朱美、美鳥」

「?」

「お前たちともいずれまた会う日が来るだろう。
 その時は敵ではなく味方として会えることを
 祈っている」

「さらばだ!いくぞお前たち!」

「シャー!」


部下たちを引き連れ、シュリュウ団たちは去っていった…


「つまり…私たちにシュリュウ団に入れって言ってるのかな…」

「そういう意味でしょうね…」


「そんなことより、博士!
 シュリュウ団とどういう繋がりなの!?」

「それは私も気になりましたわ。
 説明してくださらない?」

「…わかった。すべてを話す。
 ただ、もう少し準備をさせてくれ」

「準備…?」

「いろいろだ。後片付けも含めてな」

「確かに…今ここで。
 という気分にはなりませんわね」

「愛央くんも一緒が良い。
 まずは一呼吸置こう。
 はやる気持ちもわかるが、いま急げることは何も無い」

「…わかった。」


こうして私たちとシュリュウ団との対決は私たちの敗北に終わった。

シュリュウ団の正体、シュリュウ団と博士との繋がり…

多くの謎をひとまず嚥下し、私たちの一日は終わろうとしていた。

…苦い味わいを私たちの脳裏に残して。



―数時間後 シュリュウ団アジト


「―それで、そのまま逃げて帰ってきたってわけね。
  シュリュウ団兵長サヤ」

「戦略的撤退と呼んでもらおうか。アヤ」

「ノルマは果たした。
  あそこで無理に博士を敵に回すわけにもいかないだろう」

「ふふ…、そういうことにしておいてあげるわ」

「…それで『ボス』の意向は?」

「『消せ』と。
 でもさすがにそういうわけにはいかないでしょう?」

「やはり一度招待すべきだわ。
 博士を私たちの『お茶会』にね…」

「ならばその仕事、私が遂行させてもら―」


「ダメダメ♪サヤっちガサツだから
 そういう細かいこと苦手でしょ♪」


「なっ!?ガサツとはなんだ!
 確かにこの前アジトのドア壊したりしたけど…!」

「ああ…そんなことあったわね。
  それはガサツよ。サヤ」

「アヤまで!?」

「…じゃあ、あなたにお願いするわ。
 シュリュウ団の参謀を担うあなたにね」


「はぁーい♪かるぅーく
 こなしちゃいますよぉ♪」




第3話

大混乱!?謎の組織シュリュウ団あらわる!

~完~
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