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第2章:生い立ち編1~訓練施設インシデント~
第17話 インシデント13:戦闘訓練のはじまり
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「バルド、今日はエリオスと共に弓射と剣術の訓練であったな」
セルジオは今日の訓練予定をバルドに確認していた。
「はっ!左様にございます。今一つ、本日の訓練より同行者が増えます。
ラドライト准男爵家ミハエル様、フローライト准男爵家アドルフ様が加わります」
バルドはセルジオに呼応する。
マデュラ子爵家の企て、セルジオ抹殺が未遂に終わった大ネズミ襲撃から3年が経とうとしていた。セルジオは3歳の誕生日を迎え、生殖器排除手術を受け終えていた。
生殖器排除手術を受けるとそれまでの基礎訓練と自己防衛主体の訓練から攻撃と防衛双方のより実戦に近い訓練となる。
大ネズミ襲撃は、地上に矢を射られた大ネズミが落下した事で王都騎士団団長の知る所となった。
首謀者が詮議され、直接、咎められる事はなかったものの、マデュラ子爵家の刺客は動きを封じざるを得なくなった。
バルドはこの3年間でセルジオにあらゆる自己防衛の手段を教え込んだ。力が弱く、幼子だからこそ、相手は油断をする。その『油断』を武器に一瞬の隙に敢えて懐に入り込み、顎下から頭上へ向け一気に短剣を突き刺す。
人間の骨格と筋肉の動きをセルジオとバルド自身の身体を使って覚えさせた。
「よいですか!防御は相手の出方と相手の力を利用します。
相手が向かってくるのを待てばよいのです。
短剣を抜く早さだけに集中しておればよいのです」
バルドはセルジオの子供の力で、人間の身体のどの部分にどこまで深く短剣を刺す事ができるか?防具に『獲物』を付け、『肉を刺す』感覚をセルジオに叩きこんだ。
「セルジオ様は女子にございます。
女子は男子に比べ骨が細く、肉も薄く、
『力』ではどうしても敵いません。
『ない物、ない事』へ目を向けるのではなく、
『ある物、ある事』に目を向けます。
セルジオ様には『早さ』と『柔軟さ』がございます。
相手の目にも止まらぬ『早さ』と相手が思いもよらぬ『体勢』を
鍛錬すればよろしいのです」
バルドはセルジオが最大限に自身の身体能力を引き出せる様にセルジオの身体の成長に合わせ武具を調整していた。
騎士は叙任式を迎えるまでは『剣』を持つ事はできない。その為、剣術の訓練は短剣と剣の『刃』の部分が木製の物を使用する。しかし、木製の剣と本来の剣では『重心』の位置が異なる。
そこでバルドは本来の剣の『重心』が同じ位置にくるように柄と刃の境目に輪になった鉄製の重りを装着させた。『早さ』と柔軟性を活かした『体勢』を体得するには身体と剣のバランスが鍵となると考えての事だった。
セルジオは大ネズミ襲撃以来、バルドの懐で約8ヶ月を過ごした。
その間にバルドの動きに合わせて自身の身体が最も『楽な位置』を取るバランス感覚を身に付けた。
バルドはセルジオの身体の『重心』が常に『中央』にくる様に懐の抱える位置を調整した。
『重心』が『中央』にくることで四肢を自由に動かす事ができる。それが『早さ』と『体勢』を武器とする最大の強みとなっていた。
セルジオとバルドはエリオスら訓練同行者との訓練前に身体を馴らす準備運動を始めた。
セルジオの居室隣の武具置き場と簡易訓練所を兼ねた部屋で双剣術の訓練だった。バルドはセルジオに常に双剣での訓練をさせた。通常は『剣』と『盾』を一対とするが、『盾』は重量がある。
『早さ』には『盾』は不向きであったからだ。
カンッ!カンッ!カッカンッカン!・・・
カンッ!カンッ!カッカンッカン!・・・
バルドは膝を床につけた体勢で、セルジオの身長に合わせ短剣を交える。
「もう少し、脇を絞めますと短剣の軌道が短くなります!
さっ!セルジオ様!もう一度!」
カンッ!カンッ!カッ!
ガッガッ!カンカンカカンッ!
バルドはセルジオが感覚を身体で覚えるまで何度も同じ内容を繰り返す。
熱を帯びてくるとセルジオは『青白い炎』を身体から湧き立たせた。この時、既にセルジオ自身も自らの身体から『青白い炎』が湧き立つ事を認識していた。そして、その事が『感覚を身に付けた合図』だと感じていた。
「バルド!今の動きはどうだ?脇の甘さは直ったか?」
3歳とは思えない歯切れのよい言葉と飲みこみの早さにバルドは毎回感心する。
「左様でございますな。左がいささか『当て』が弱い様に感じます。
今一度!左のみ連続でまいりましょう」
バルドは妥協をしなかった。
セルジオを一人の騎士として扱い、決して子供扱いはしなかった。
カカカカカンッ!カンッ!カンッッ!
「はっ、はぁはぁ・・・・はぁ、どうだ?」
セルジオは息を切らしながらバルドへ問う。
「セルジオ様、
『重心』を少し左へ移動致しましょう。鏡で体勢をご覧下さい」
踏み込む時の足と腰の基点、腕と短剣の『重心』がどの位置にくるかを鏡越しに確認する。『重心の移動』ができていれば見た目の動きも美しい。バルドは理論と実践を合わせ、セルジオの全てを武器としたいと考えていた。
「さっ!今一度!
終わりましたらエリオス様らとの訓練へまいります。
セルジオ様、遅れを取りませぬ様に!」
「承知した!いくぞ!」
鏡越しに直した『重心移動』に意識を向け、セルジオはバルドへ『青白い炎』と共に踏み込んだ。
バッババッ!
ガンッカンッ!
グッググッ!ガキンッ!
スチャッ!
バルドは踏み込んだセルジオをそのまま押し返す。セルジオは後ろへ吹き飛び体勢を正す。
「セルジオ様っ!加減をしてはなりませんっ!
訓練は訓練にあらず!訓練は実戦とお思い下さい!
私を一撃の一瞬にて殺めるお覚悟でかかってまいれっ!」
バルドは容赦しなかった。
「おのれ!まいるぞ!」
セルジオは『青白き炎』を更に湧き立たせバルドの懐へ入り込む。
カンッ!
シュルシュルシュツル・・・・
カチンッ!カランッ・・・・
セルジオの短剣は宙を舞い、後方の石壁にあたり落下した。
バルドの懐に入り込んだセルジオの喉元にバルドの短剣が寸での所で止まる。
「よい動きにございます。短剣がはじかれねば私は死んでおりました」
バルドは短剣を鞘へ納める。
「・・・・早う、バルドを唸らせたいものだ・・・・」
セルジオは悔し気な目を向ける。
「ははははっ、セルジオ様。攻めの剣術は始めたばかりですぞ。焦りは禁物にございます」
バルドはセルジオの頭をなでる。
「急いでおるのだ!私はっ!
バルドに独りでゆっくり休める時を与えたいのだっ!
私と一緒にいてばかりでは気が休まらぬとベアトレスが申していた・・・・」
セルジオは少しはにかみバルドを見上げる。
バルドは膝を折り、セルジオと目線を合わせる。
「セルジオ様、私がセルジオ様と共にいたいのでございます。
ベアトレス殿はやきもちをやいているのやもしれませんな。
セルジオ様とご一緒できる時を持ちたいのやもしれませんぞ。
今日の訓練が終わりましたらベアトレス殿のお部屋へまいりましょう。
訓練の様子を話して差し上げてはいかがですか?
ポルデュラ様も交えてお茶を頂くのもよいかと・・・・・」
バルドは目頭が熱くなるのを抑え、セルジオの頭へ手を置いた。
『心の土壌は日々の行いで肥沃となろう』
ポルデュラがセルジオの心を封印した時、バルドとベアトレスへ与えた役割を思い出す。
「そうか、わかった。
しかし、私は諦めぬぞっ!早うバルドを唸らせてみせるぞっ!」
セルジオはバルドの胸に小さな手を置き、誓いを立てる素振りを見せた。
「それは楽しみにございます」
バルドはセルジオの姿に『心の土壌』が育まれている事を感じるのだった。
セルジオは今日の訓練予定をバルドに確認していた。
「はっ!左様にございます。今一つ、本日の訓練より同行者が増えます。
ラドライト准男爵家ミハエル様、フローライト准男爵家アドルフ様が加わります」
バルドはセルジオに呼応する。
マデュラ子爵家の企て、セルジオ抹殺が未遂に終わった大ネズミ襲撃から3年が経とうとしていた。セルジオは3歳の誕生日を迎え、生殖器排除手術を受け終えていた。
生殖器排除手術を受けるとそれまでの基礎訓練と自己防衛主体の訓練から攻撃と防衛双方のより実戦に近い訓練となる。
大ネズミ襲撃は、地上に矢を射られた大ネズミが落下した事で王都騎士団団長の知る所となった。
首謀者が詮議され、直接、咎められる事はなかったものの、マデュラ子爵家の刺客は動きを封じざるを得なくなった。
バルドはこの3年間でセルジオにあらゆる自己防衛の手段を教え込んだ。力が弱く、幼子だからこそ、相手は油断をする。その『油断』を武器に一瞬の隙に敢えて懐に入り込み、顎下から頭上へ向け一気に短剣を突き刺す。
人間の骨格と筋肉の動きをセルジオとバルド自身の身体を使って覚えさせた。
「よいですか!防御は相手の出方と相手の力を利用します。
相手が向かってくるのを待てばよいのです。
短剣を抜く早さだけに集中しておればよいのです」
バルドはセルジオの子供の力で、人間の身体のどの部分にどこまで深く短剣を刺す事ができるか?防具に『獲物』を付け、『肉を刺す』感覚をセルジオに叩きこんだ。
「セルジオ様は女子にございます。
女子は男子に比べ骨が細く、肉も薄く、
『力』ではどうしても敵いません。
『ない物、ない事』へ目を向けるのではなく、
『ある物、ある事』に目を向けます。
セルジオ様には『早さ』と『柔軟さ』がございます。
相手の目にも止まらぬ『早さ』と相手が思いもよらぬ『体勢』を
鍛錬すればよろしいのです」
バルドはセルジオが最大限に自身の身体能力を引き出せる様にセルジオの身体の成長に合わせ武具を調整していた。
騎士は叙任式を迎えるまでは『剣』を持つ事はできない。その為、剣術の訓練は短剣と剣の『刃』の部分が木製の物を使用する。しかし、木製の剣と本来の剣では『重心』の位置が異なる。
そこでバルドは本来の剣の『重心』が同じ位置にくるように柄と刃の境目に輪になった鉄製の重りを装着させた。『早さ』と柔軟性を活かした『体勢』を体得するには身体と剣のバランスが鍵となると考えての事だった。
セルジオは大ネズミ襲撃以来、バルドの懐で約8ヶ月を過ごした。
その間にバルドの動きに合わせて自身の身体が最も『楽な位置』を取るバランス感覚を身に付けた。
バルドはセルジオの身体の『重心』が常に『中央』にくる様に懐の抱える位置を調整した。
『重心』が『中央』にくることで四肢を自由に動かす事ができる。それが『早さ』と『体勢』を武器とする最大の強みとなっていた。
セルジオとバルドはエリオスら訓練同行者との訓練前に身体を馴らす準備運動を始めた。
セルジオの居室隣の武具置き場と簡易訓練所を兼ねた部屋で双剣術の訓練だった。バルドはセルジオに常に双剣での訓練をさせた。通常は『剣』と『盾』を一対とするが、『盾』は重量がある。
『早さ』には『盾』は不向きであったからだ。
カンッ!カンッ!カッカンッカン!・・・
カンッ!カンッ!カッカンッカン!・・・
バルドは膝を床につけた体勢で、セルジオの身長に合わせ短剣を交える。
「もう少し、脇を絞めますと短剣の軌道が短くなります!
さっ!セルジオ様!もう一度!」
カンッ!カンッ!カッ!
ガッガッ!カンカンカカンッ!
バルドはセルジオが感覚を身体で覚えるまで何度も同じ内容を繰り返す。
熱を帯びてくるとセルジオは『青白い炎』を身体から湧き立たせた。この時、既にセルジオ自身も自らの身体から『青白い炎』が湧き立つ事を認識していた。そして、その事が『感覚を身に付けた合図』だと感じていた。
「バルド!今の動きはどうだ?脇の甘さは直ったか?」
3歳とは思えない歯切れのよい言葉と飲みこみの早さにバルドは毎回感心する。
「左様でございますな。左がいささか『当て』が弱い様に感じます。
今一度!左のみ連続でまいりましょう」
バルドは妥協をしなかった。
セルジオを一人の騎士として扱い、決して子供扱いはしなかった。
カカカカカンッ!カンッ!カンッッ!
「はっ、はぁはぁ・・・・はぁ、どうだ?」
セルジオは息を切らしながらバルドへ問う。
「セルジオ様、
『重心』を少し左へ移動致しましょう。鏡で体勢をご覧下さい」
踏み込む時の足と腰の基点、腕と短剣の『重心』がどの位置にくるかを鏡越しに確認する。『重心の移動』ができていれば見た目の動きも美しい。バルドは理論と実践を合わせ、セルジオの全てを武器としたいと考えていた。
「さっ!今一度!
終わりましたらエリオス様らとの訓練へまいります。
セルジオ様、遅れを取りませぬ様に!」
「承知した!いくぞ!」
鏡越しに直した『重心移動』に意識を向け、セルジオはバルドへ『青白い炎』と共に踏み込んだ。
バッババッ!
ガンッカンッ!
グッググッ!ガキンッ!
スチャッ!
バルドは踏み込んだセルジオをそのまま押し返す。セルジオは後ろへ吹き飛び体勢を正す。
「セルジオ様っ!加減をしてはなりませんっ!
訓練は訓練にあらず!訓練は実戦とお思い下さい!
私を一撃の一瞬にて殺めるお覚悟でかかってまいれっ!」
バルドは容赦しなかった。
「おのれ!まいるぞ!」
セルジオは『青白き炎』を更に湧き立たせバルドの懐へ入り込む。
カンッ!
シュルシュルシュツル・・・・
カチンッ!カランッ・・・・
セルジオの短剣は宙を舞い、後方の石壁にあたり落下した。
バルドの懐に入り込んだセルジオの喉元にバルドの短剣が寸での所で止まる。
「よい動きにございます。短剣がはじかれねば私は死んでおりました」
バルドは短剣を鞘へ納める。
「・・・・早う、バルドを唸らせたいものだ・・・・」
セルジオは悔し気な目を向ける。
「ははははっ、セルジオ様。攻めの剣術は始めたばかりですぞ。焦りは禁物にございます」
バルドはセルジオの頭をなでる。
「急いでおるのだ!私はっ!
バルドに独りでゆっくり休める時を与えたいのだっ!
私と一緒にいてばかりでは気が休まらぬとベアトレスが申していた・・・・」
セルジオは少しはにかみバルドを見上げる。
バルドは膝を折り、セルジオと目線を合わせる。
「セルジオ様、私がセルジオ様と共にいたいのでございます。
ベアトレス殿はやきもちをやいているのやもしれませんな。
セルジオ様とご一緒できる時を持ちたいのやもしれませんぞ。
今日の訓練が終わりましたらベアトレス殿のお部屋へまいりましょう。
訓練の様子を話して差し上げてはいかがですか?
ポルデュラ様も交えてお茶を頂くのもよいかと・・・・・」
バルドは目頭が熱くなるのを抑え、セルジオの頭へ手を置いた。
『心の土壌は日々の行いで肥沃となろう』
ポルデュラがセルジオの心を封印した時、バルドとベアトレスへ与えた役割を思い出す。
「そうか、わかった。
しかし、私は諦めぬぞっ!早うバルドを唸らせてみせるぞっ!」
セルジオはバルドの胸に小さな手を置き、誓いを立てる素振りを見せた。
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