地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!

楓乃めーぷる

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第四章 私たちが歩む道

61.休日の過ごし方

 今日は待ちに待った休日。
 天気も雲ひとつなくて、ポカポカとしているからどこへでも行きたくなる気分!

 美術館に連れて行ってくれる話になって、朝も車で迎えに来てくれた。
 おまかせだからどこの美術館かは聞いてないんだけど、私も少しはおしゃれしなくちゃと思って早起きして支度した。

 髪の毛は後ろで緩く編みこみにして、普段は着ない少しレトロな柄の茶色のワンピースに茶の編み上げパンプスを合わせる。
 小さめの茶の皮のバッグを持って、車に乗り込んだ。

「おはようございます! 楽しみにしてました」
「おはよう。どこへ行こうかと悩んでしまって、結局自分が好きなところにしてしまってすまない」

 苦笑している氷室さんは、普段よりラフな白シャツと黒のジャケットでネクタイをしていないのが不思議な感じ。
 茶のチノパンも爽やか。
 そういえば、休日はコンタクトにする日もあるって言ってたけど……今日はコンタクトだ。
 眼鏡がないと、なんか穏やかに見えるから不思議。
 
 そう言えば、私服を見るのも初めて。
 新鮮だし、それに……カッコイイ。

 車が緩やかに発進すると、緊張と嬉しい気持ちでいっぱいになって、表情が緩んでしまう。
 恥ずかしいので、気づかれないうちに表情を整えないと!

「君が興味あるところかどうかは分からないが、個人的にお勧めな美術館だから紹介したくてな」
「紹介ということは、秦弥さんは来たことがあるんですか?」

 運転中、景色を見ていても私はどこだかさっぱり分かっていないので、どこに向かっているのか分からない。
 余計にどこに行くのか凄く楽しみだから、表情にまんま出ちゃってる気がする。

「そんなに楽しみだという顔をされると、もし期待外れだったら申し訳ないな」

 信号待ちの合間に横目でチラッと確認されていたのは分かっていたけど、やっぱり分かりやすいかな?
 でも、デートだなんて学生の時以来だったような気がするし。
 浮かれ気分だったしても、仕方ないと思う。
 
「やっぱりバレバレですか? 期待外れだなんてそんなことないです! どこでもきっと楽しいです」

 笑いかけると、それならいいが、と微笑された。
 私も楽しい気分を隠さずに笑いかける。
 目的地まではもう少しみたいだから、少しでもヒントがないか景色を眺めて考えてみようかな。

 +++

 程なく駐車場に車を停めて、そこからは歩きで向かう。
 家族連れが多くいて、色々と楽しんでいる人たちで賑わっている公園を通り抜けていくと、オシャレだけどこじんまりとした建物が見えてくる。

「この人って……もっと外観派手にしそうなイメージありましたけど、そうでもないんですね」
「作品の色合いはハッキリとしているから間違ってはいないが。初めて来た時は、思っていたより自然豊かな場所に美術館が建っていることに驚いたな」

 名前を見て私も知っている芸術家の人で、ちょっと安心した。
 名言や作品もかなり有名な人だから、他にどんな作品を書いているのか気になるし。
 自分で自発的には来ないから、こういう機会にゆっくりと見て回るのは色々と刺激になりそうで、余計に楽しみになってきた。
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