上 下
34 / 64
第四章 レトロ喫茶は順風満帆?

34.一旦分かれてコンビニへ

しおりを挟む
 プリンアラモードも全員で食べ進めていく。
 固めのプリンは歯ざわりが丁度良く、カラメルもほろ苦い懐かしい味のプリンだ。
 レトロ喫茶はやっぱり固めのプリンだよな。

蒼樹あおいも、甘いものはもう食べられないみたいなこと言ってた割には良く食べるよな」
「量的には余裕だからな。これでもマスターですから、味の研究はするべきでしょ」
「そうだな。俺もしっかりと見た目と味を覚えておかないとな」

 男三人で仲良く食べる図ってのも変な話だけど、これもプラコレの発展のためだ。
 全て美味しくいただいて、店を後にした。

 +++

「値段もちょうどいい感じだったし、やっぱり店の雰囲気がいいよな。ここのマスターはダンディな感じだったから、じいちゃんを思い出したよ」
「いかにもマスターって感じのおじさまで、渋さが人気ありそうだよな。イケメンの対抗はやっぱりダンディなおじさまか」
「レトロな雰囲気づくりっていうのも大切なんだな」

 歩きながら、三人で色々思案する。
 じいちゃんの店とはいえ、今運営しているのは俺たちだからダンディさは難しいよな。
 そもそもとっきーは見た目がチャラい感じだし、あえて言うならげんちゃんだろうけどな。

「げんちゃんは今のままでも十分ダンディでいけるよ」
「その言い方、とげがあるよなー。俺はダンディから遠い位置にいるってか?」
「蒼樹が言うなら、そうだということか」

 相変わらずげんちゃんは俺のことを信用しすぎる気がする。
 俺は本当のことしか言ってないから別にいいんだけど、またとっきーが微妙な顔してる。

「もうつっこむのもめんどいからいいや」
「とっきーは相変わらずだな。お疲れのとっきーのために飲み物でも買いに行ってきてあげよう」
「蒼樹、俺も一緒に」

 げんちゃんもついてきてくれようとしたんだけど、二人で先に駐車場へ戻ってもらうように言って俺だけコンビニへ向かう。
 喫茶店へ向かう途中にあったのを覚えていてよかった。
 この後の予定はドライブって言ってたし、お腹は膨れてるけど飲み物はあったほうがいいよな。

「コンビニは……あったあった」

 うろ覚えだったけど無事辿り着けてよかった。
 店へ入ろうと入口へ近づくと、入り口の近くで何故か男性に囲まれている女性が見えた。

「道を教えてって言ってるだけじゃん。だから、車へ……」
「困ります。私、友達と約束があるので」
「じゃあ、友達のところまで俺たちが送ってあげるよ」

 え、なんか揉めてる?
 しかも女の人嫌がってるみたいなんだけど……今時こんなところでナンパとかする?
 相手は二人か、でもあの人たちが邪魔でコンビニにも入れなさそうだし。
 何かあったらコンビニに飛び込んで助けてもらおう。

 俺は緊張しながら女性の近くへ歩み寄る。
 
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

やり直せるなら、貴方達とは関わらない。

BL / 連載中 24h.ポイント:6,652pt お気に入り:2,723

邪霊駆除承ります萬探偵事務所【シャドウバン】

ホラー / 連載中 24h.ポイント:3,450pt お気に入り:15

男を抱く男たち・男に抱かれる男たち

BL / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:2

役目を終えて現代に戻ってきた聖女の同窓会

恋愛 / 完結 24h.ポイント:5,261pt お気に入り:79

何でもできる幼馴染への告白を邪魔してみたら

BL / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:38

勘違いしちゃってお付き合いはじめることになりました

BL / 完結 24h.ポイント:2,321pt お気に入り:558

悪役令息の義姉となりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:24,602pt お気に入り:1,407

しあわせの第一歩

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:14

酔った勢いで幼馴染と寝たら、翌日何倍にもして返された話

BL / 完結 24h.ポイント:205pt お気に入り:222

処理中です...