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第二章 バディになった二人の奇妙な関係
7.無理矢理にでも手に入れたい
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いつもの調子で僕を睨むが、今はまだ快楽の方が上回っているらしく眼光にそこまでの力は感じられない。
それでも拒否の態度は相変わらずだ。
「いいから……放せ」
僕はニッコリと笑って指を解放してやると、今度はリューの身体ごと自分の方へと引き寄せ自然と抱き合う形にする。
先程から予定外の行動を取ったせいか、リューの反応が遅れている。
突き飛ばせばいいのになされるがままだ。
「全く……いつも自分だけ気持ち良さそうにしてるからな。僕にも分けてくれてもいいのに」
「処理を頼んでいるだけだ。お互いに快楽を得るためにしている訳では……」
「だからといって、僕の事が嫌いってわけじゃなさそうだからな。そういうところは分かりやすい」
リューの耳元で笑ってやると、居心地悪そうに逃れようと身体を捻る。
だが、僕が両腕でしっかりと捕まえてしまったせいで逃げ切れずに嫌悪感なのか眉間に皺を寄せている。
「いい加減、離せ。やることは終わっただろう。戯れも程々にしないと体調を崩す」
「具合を崩していたのは僕ではなくてリューだけどね。それで、続きをさせてくれないの?」
「意味が分からない。そういう気はないと何度も言っている」
「ここまで身体を許しあっているのに? 他の人が聞いたらどう思うかな?」
意味深に笑いかけても、リューは表情を険しくするばかりで取り合ってくれない。
「……」
「ねぇ、リュー。確かに君の体調管理のためにしているけれど。君は僕が君に触れることを許してくれている。それって、僕はある意味特別だと考えてもいいよね? それは、バディだからっていう理由だけ?」
「俺はそれしか考えていなかった。ただ、それがお前というだけで。バディならば迷惑をかける訳にはいかない」
「義務感だけで誰でも良かったのか?」
「……よく分からない。何が言いたい?」
僕の質問攻めに考え込んで固まっている。
確かに今の関係はおかしなものだけれど。
そんなに悩むことなのだろうか? 僕は優しく背を撫でてやる。
「自分でも変だとは思っているのだろう? だからといって僕から強制はしていない。この処理だって僕がリューに何かあったら困るからと思って申し出たことだ。ここまではいい?」
「……あぁ」
「僕は確かに自分で処理もできるし、外で発散することもできるけど。バディになったからには僕の体調管理も大事だと思わない?」
「それは、そうだが」
リューに甘えるように擦り寄ってみる。
それでも力づくで振り払おうとはせずに様子を伺っている。
もうひと押ししたら丸め込めるかもしれない。
「ねぇ、リュー。僕も君の役に立ちたいと思ってる。だから、協力し合おう? 僕はリューを、リューは僕を。二人で発散し合えば一番効率がいいと思わない?」
「お前……最初からそう言いたいがために俺の処理を申し出たのか。つまり……」
「もっと深く二人で繋がりあえば、何の問題もないよ」
「ずっとしつこく言っていたが……そんなに俺としたいのか?」
一見無表情だが、どこか呆れた様子なのが分かる。
こういう駆け引きには慣れていないようだし、適当な理論で固めればイケそうな気がする。
僕は押し切ろうとさらに言い放つ。
「勿論。でも下心だけじゃない。バディだからこそ、だよ。心身ともに万全な状態でいるには、体内に溜めるなんて以ての外だと身をもって知っただろう?」
「お前は……そのつもりで俺に近づいたのか。あの時助けたのも、俺の弱みを握れば言う通りになるだろうと? 蜘蛛の巣を張って逃げられないように絡め取ってから、じっくり食べるつもりでどこまでも計算高く打算で動いていたのだな」
リューが珍しく喋ると思ったら、こちらを蔑むような視線を投げかけて長い息を吐いた。
それでも拒否の態度は相変わらずだ。
「いいから……放せ」
僕はニッコリと笑って指を解放してやると、今度はリューの身体ごと自分の方へと引き寄せ自然と抱き合う形にする。
先程から予定外の行動を取ったせいか、リューの反応が遅れている。
突き飛ばせばいいのになされるがままだ。
「全く……いつも自分だけ気持ち良さそうにしてるからな。僕にも分けてくれてもいいのに」
「処理を頼んでいるだけだ。お互いに快楽を得るためにしている訳では……」
「だからといって、僕の事が嫌いってわけじゃなさそうだからな。そういうところは分かりやすい」
リューの耳元で笑ってやると、居心地悪そうに逃れようと身体を捻る。
だが、僕が両腕でしっかりと捕まえてしまったせいで逃げ切れずに嫌悪感なのか眉間に皺を寄せている。
「いい加減、離せ。やることは終わっただろう。戯れも程々にしないと体調を崩す」
「具合を崩していたのは僕ではなくてリューだけどね。それで、続きをさせてくれないの?」
「意味が分からない。そういう気はないと何度も言っている」
「ここまで身体を許しあっているのに? 他の人が聞いたらどう思うかな?」
意味深に笑いかけても、リューは表情を険しくするばかりで取り合ってくれない。
「……」
「ねぇ、リュー。確かに君の体調管理のためにしているけれど。君は僕が君に触れることを許してくれている。それって、僕はある意味特別だと考えてもいいよね? それは、バディだからっていう理由だけ?」
「俺はそれしか考えていなかった。ただ、それがお前というだけで。バディならば迷惑をかける訳にはいかない」
「義務感だけで誰でも良かったのか?」
「……よく分からない。何が言いたい?」
僕の質問攻めに考え込んで固まっている。
確かに今の関係はおかしなものだけれど。
そんなに悩むことなのだろうか? 僕は優しく背を撫でてやる。
「自分でも変だとは思っているのだろう? だからといって僕から強制はしていない。この処理だって僕がリューに何かあったら困るからと思って申し出たことだ。ここまではいい?」
「……あぁ」
「僕は確かに自分で処理もできるし、外で発散することもできるけど。バディになったからには僕の体調管理も大事だと思わない?」
「それは、そうだが」
リューに甘えるように擦り寄ってみる。
それでも力づくで振り払おうとはせずに様子を伺っている。
もうひと押ししたら丸め込めるかもしれない。
「ねぇ、リュー。僕も君の役に立ちたいと思ってる。だから、協力し合おう? 僕はリューを、リューは僕を。二人で発散し合えば一番効率がいいと思わない?」
「お前……最初からそう言いたいがために俺の処理を申し出たのか。つまり……」
「もっと深く二人で繋がりあえば、何の問題もないよ」
「ずっとしつこく言っていたが……そんなに俺としたいのか?」
一見無表情だが、どこか呆れた様子なのが分かる。
こういう駆け引きには慣れていないようだし、適当な理論で固めればイケそうな気がする。
僕は押し切ろうとさらに言い放つ。
「勿論。でも下心だけじゃない。バディだからこそ、だよ。心身ともに万全な状態でいるには、体内に溜めるなんて以ての外だと身をもって知っただろう?」
「お前は……そのつもりで俺に近づいたのか。あの時助けたのも、俺の弱みを握れば言う通りになるだろうと? 蜘蛛の巣を張って逃げられないように絡め取ってから、じっくり食べるつもりでどこまでも計算高く打算で動いていたのだな」
リューが珍しく喋ると思ったら、こちらを蔑むような視線を投げかけて長い息を吐いた。
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