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第四章 赤き猛る力、青き知性の守り、白き光の慈しみ
25.話し合い
トカゲは家の中へ連れて来てくれた。この家も傷んではいるが、雨露はしのげそうだ。
彼らにとっては大切な家なのだろう。
俺たちも木の椅子を借りて、座らせてもらう。
「お頭の様子がおかしくなったのはオレのせいなんだ。オレは奴隷商人が大事そうに持っていたお宝をかすめ取った。お宝がキラキラしていてきれいだったから、お頭が寝ている間に驚かせようと思って首にかけた。そうしたら……」
「お頭さんがドラゴンになって、渓谷の方へ飛んでいった?」
トカゲは頷いて、両手のこぶしをグッと握りしめた。
驚かせようとあげたもので、逆にドラゴンが暴走することになるなんて思いもよらなかったのだろう。
「首にかけたということは、首飾りか。首飾りに何か問題が?」
「考えられるのは、その首飾り自体に呪いの類がかかっていたのかもしれません。ドラゴンの自制心を奪うくらいの強い呪いとなると厄介ですね」
俺が問うと、エディも少し考えこんでいる。呪いの首飾りだとすると、ただ壊すだけでも危ないのだろうか?
さすがに呪いに関しての知識はないので、呪いの種類までは判定できなさそうだ。
「ドラゴンになっても、その首飾りが首についたままなら……壊したら元に戻る?」
「手に取って触れても呪いが発動しないのであれば、ただ触れる分には問題ないのでしょう。要は身に着けると呪いが発動するということです。ならば、手っ取り早いのは破壊することかもしれません」
「でも、お頭はドラゴンだぞ? 壊すっていってもお頭のそばに近寄れない。お頭は渓谷にずっといるけど、バタバタしてるし……」
トカゲの言うことはもっともだ。
問題はどうやってドラゴンに近づいて、首飾りを壊すかだろう。
そのためにはドラゴンの気を引き、一気に近づいて壊すしかない。
「首飾りを壊す役目は私が一番適任かと。ただ、斬るならば一度で一気に壊しにかかるべきです。暴れられると少々厄介ですし、そう何度も懐に飛び込めるかどうかはやってみないと分かりません」
「エディの素早さと力があればドラゴンの懐へはいけそうだ。より確実に壊せるように、俺も補助する。首飾りの素材と言えば、金属やガラスが主だ。だとすれば……壊しやすくするために温度差と利用するのはどうだろう?」
「温度差……私が一撃で首飾りを壊せるようにとの配慮ですね? リサイル様が現在安定して使えるのは炎。だとすれば、剣自体に冷気をまとわせましょう」
俺とエディが話を進めているせいでトカゲはついてこれていないみたいだが、少し待ってもらう。
なるべくならば一回で確実に壊してしまいたいので、エディと続けて話し合う。
「エディは剣に冷気をまとわせることは可能なのか?」
「はい。リサイル様にしっかりと魔力を保っていただく必要がありますが、剣に冷気をまとわせることは可能です。炎はユーアンに命じて集中させるとして、あとはドラゴンの気を引ければ成功率もあがりそうですが」
「それは……トカゲ、君に頼みたい。お頭さんはおそらく完全に自我を失っていないんじゃないかと思うんだ。もし、失っているのならこの地に留まる理由がない。ドラゴンの姿になって暴れながらも、この土地を守りたいと思っているんじゃないかな」
これは予想で確実だとは言えないけれど、ドラゴンは空を飛べる生き物だ。
完全に呪いにかかっているのならば、飛び回りながら炎を吐くなりの攻撃をしてきてもおかしくない。
この辺りも破壊されつくされている可能性もあったはずだ。
渓谷のそばにあるダルネストは、正直一番最初になくなりそうな場所にある。
とすれば、ドラゴンが渓谷に留まっている理由は一つ。渓谷を守るために、離れたくないからだ。
「オレが役に立てるなら、オレもお頭を元に戻したい。初めてあった兄ちゃんたちに頼ってばかりだけど、お願いだ! お頭を助けてほしい」
「俺たちにとっても利があることだ。だよな、エディ」
「残念ながら、そうなりますね。リサイル様、決行するなら今すぐでもよろしいかと」
俺たちは考えをまとめると、頷き合ってからもう一度渓谷の方へ戻ることにした。
+++
レッドドラゴンは、相変わらず渓谷に陣取って暴れていた。
ただ、破壊活動はしていない。苦しそうに吠えながら、足を踏み鳴らしているだけだ。
「リサイル様はこちらで待っていてください」
「分かった。ユーアン!」
俺が呼びかけると右手の人差し指の爪が赤く光を放ち、ポンっという音と共にユーアンが現れる。
ユーアンは俺の肩に乗り、尻尾をぶんぶんと振ってやる気を見せてくれた。
彼らにとっては大切な家なのだろう。
俺たちも木の椅子を借りて、座らせてもらう。
「お頭の様子がおかしくなったのはオレのせいなんだ。オレは奴隷商人が大事そうに持っていたお宝をかすめ取った。お宝がキラキラしていてきれいだったから、お頭が寝ている間に驚かせようと思って首にかけた。そうしたら……」
「お頭さんがドラゴンになって、渓谷の方へ飛んでいった?」
トカゲは頷いて、両手のこぶしをグッと握りしめた。
驚かせようとあげたもので、逆にドラゴンが暴走することになるなんて思いもよらなかったのだろう。
「首にかけたということは、首飾りか。首飾りに何か問題が?」
「考えられるのは、その首飾り自体に呪いの類がかかっていたのかもしれません。ドラゴンの自制心を奪うくらいの強い呪いとなると厄介ですね」
俺が問うと、エディも少し考えこんでいる。呪いの首飾りだとすると、ただ壊すだけでも危ないのだろうか?
さすがに呪いに関しての知識はないので、呪いの種類までは判定できなさそうだ。
「ドラゴンになっても、その首飾りが首についたままなら……壊したら元に戻る?」
「手に取って触れても呪いが発動しないのであれば、ただ触れる分には問題ないのでしょう。要は身に着けると呪いが発動するということです。ならば、手っ取り早いのは破壊することかもしれません」
「でも、お頭はドラゴンだぞ? 壊すっていってもお頭のそばに近寄れない。お頭は渓谷にずっといるけど、バタバタしてるし……」
トカゲの言うことはもっともだ。
問題はどうやってドラゴンに近づいて、首飾りを壊すかだろう。
そのためにはドラゴンの気を引き、一気に近づいて壊すしかない。
「首飾りを壊す役目は私が一番適任かと。ただ、斬るならば一度で一気に壊しにかかるべきです。暴れられると少々厄介ですし、そう何度も懐に飛び込めるかどうかはやってみないと分かりません」
「エディの素早さと力があればドラゴンの懐へはいけそうだ。より確実に壊せるように、俺も補助する。首飾りの素材と言えば、金属やガラスが主だ。だとすれば……壊しやすくするために温度差と利用するのはどうだろう?」
「温度差……私が一撃で首飾りを壊せるようにとの配慮ですね? リサイル様が現在安定して使えるのは炎。だとすれば、剣自体に冷気をまとわせましょう」
俺とエディが話を進めているせいでトカゲはついてこれていないみたいだが、少し待ってもらう。
なるべくならば一回で確実に壊してしまいたいので、エディと続けて話し合う。
「エディは剣に冷気をまとわせることは可能なのか?」
「はい。リサイル様にしっかりと魔力を保っていただく必要がありますが、剣に冷気をまとわせることは可能です。炎はユーアンに命じて集中させるとして、あとはドラゴンの気を引ければ成功率もあがりそうですが」
「それは……トカゲ、君に頼みたい。お頭さんはおそらく完全に自我を失っていないんじゃないかと思うんだ。もし、失っているのならこの地に留まる理由がない。ドラゴンの姿になって暴れながらも、この土地を守りたいと思っているんじゃないかな」
これは予想で確実だとは言えないけれど、ドラゴンは空を飛べる生き物だ。
完全に呪いにかかっているのならば、飛び回りながら炎を吐くなりの攻撃をしてきてもおかしくない。
この辺りも破壊されつくされている可能性もあったはずだ。
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とすれば、ドラゴンが渓谷に留まっている理由は一つ。渓谷を守るために、離れたくないからだ。
「オレが役に立てるなら、オレもお頭を元に戻したい。初めてあった兄ちゃんたちに頼ってばかりだけど、お願いだ! お頭を助けてほしい」
「俺たちにとっても利があることだ。だよな、エディ」
「残念ながら、そうなりますね。リサイル様、決行するなら今すぐでもよろしいかと」
俺たちは考えをまとめると、頷き合ってからもう一度渓谷の方へ戻ることにした。
+++
レッドドラゴンは、相変わらず渓谷に陣取って暴れていた。
ただ、破壊活動はしていない。苦しそうに吠えながら、足を踏み鳴らしているだけだ。
「リサイル様はこちらで待っていてください」
「分かった。ユーアン!」
俺が呼びかけると右手の人差し指の爪が赤く光を放ち、ポンっという音と共にユーアンが現れる。
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