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第四章 赤き猛る力、青き知性の守り、白き光の慈しみ
41.二人目の契約
公王陛下もサフィシュ殿下もお心が決まっているというならば、俺も召喚士としてどうすべきなのか。
今、しっかりと決めなくてはいけない。
隣にいるエディを見ると、エディもいつものように俺へ従うと視線で伝えてきてくれる。
「分かりました。殿下、契約しましょう。ブルードラゴンと結べるのならば、心強いです」
「そうか! では頼んだぞ」
俺が意志を伝えると、殿下も嬉しそうな表情を見せてくれる。
俺は改めて殿下と契約を結ぶために、静かに向き合った。
「我、リサイル・サモナードは、汝、サフィシュ・ディ・ルーブロアと契約関係を結ぶ。異存はないか?」
「異存はない。我、サフィシュ・ディ・ルーブロアは、汝、リサイル・サモナードと契約し、汝が求める時に力を貸すことに同意する」
契約の言葉を紡ぐと、殿下は俺の左手を取って指先に優しく口づける。
指先がほんのりと青く輝き始め、青のドラゴンと盾の絵が重なる紋章が浮かび上がった。
光は指先を優しく包みこみ、すうっと手に吸い込まれ、溶けるように消えていく。
「リサイル様がまた汚されて……あのレッドドラゴンの紋章だけでも許しがたいというのに。更にあなたまで加わると?」
「エディ、聞こえているぞ。全く、この国の皇子へ向かって無礼に振る舞えるのはお前くらいだ。一体エディは何者なのだ?」
エディに対してサフィシュ殿下が真意を探るような視線を投げつけると、エディは軽く目を細めた程度で全く表情を変えずに静かに口を開いた。
「私はリサイル様の従者です。どのような時でもおそばにいると誓っておりますので、殿下も不用意にリサイル様へ近づかないようにお願い申し上げます」
「言っていることは丁寧だと見せかけて、やはり無礼だな。底が見えない従者殿」
殿下は不機嫌そうにエディをあしらってから、改めて俺の方へ向き直った。
サフィシュ殿下は皇子としての威厳もあるし、若くても国の事を考えていつも行動している立派な方なのだろう。
時々、勢いのまま行動することもあるようだけれど……アジュランさんがそばにいて支えているのは俺とエディのような関係性と似ているのかもしれない。
「これで正式に契約できたな。リサイル、改めてよろしく頼む」
「はい、ありがとうございます。殿下」
「その、殿下という呼び方はふさわしくないだろう? オレは召喚士であるリサイルと共に戦う身。オレたちは仲間だ。もっと気軽に話してほしい」
サフィシュ殿下は無茶な要求をしてくる。
この雰囲気だと、俺が折れるまでずっとこの場で粘られてしまいそうだ。
「一国の皇子と気軽に話すというのはまだ難しいですが、殿下ではなくサフィシュと呼ばせていただきます」
俺が名前を呼ぶと、殿下は分かりやすく嬉しそうに笑ってくれた。
アジュランさんも、良かったですねと微笑んでいる。
不機嫌そうなのはエディくらいだろうか?
「サフィシュと呼ばれるのも悪くないな。この国のことも大事で大切なことだが、オレはリサイルが気に入った。だから、困ったときはいつでも遠慮なく呼んでほしい」
「分かりました。契約してくださって、ありがとうございます。サフィシュ」
俺たちはこの後も少し会話したあと、予定通りサフィシュたちと共にもう一度城へ向かった。
玉座の間で公王陛下に報告したあと、書庫へ自由に立ち入りできる許可もいただくことができた。
ついでに礼だと言われて断り切れず、金貨もたくさんいただいてしまった。
これで当分の間はお金に困ることもなさそうだ。
+++
宿と城を往復しながら、俺は色々なことを本で学び実践していった。
召喚士のことが書かれた本も少しだけあり、ブルードラゴンは召喚士を良き友として認めていつでも力になると昔に約束したらしい。
だからこそ、俺が名乗ったあとも親切で協力的だったというわけだ。
「でも、伝説の召喚士が一体どこへ行ったのか。それが分からないんだよな」
「伝説の召喚士自体のことは、ほとんど書物に残されていないと言われています。ですが、常に共にいたと言われている三種のドラゴンのところへ行けば、謎が少しずつ解けるのかもしれません」
「それなら、次へ行きたい場所は決まったな」
俺は本を閉じて、エディと視線を合わせる。
エディも俺が言わずとも分かっていたのだろう。レッド、ブルーときたら……残るはホワイト。
伝説の召喚士が共にいたと言われている、ホワイトドラゴンのいる場所だ。
「次の目的地は、ホワイトドラゴンが住まうランシュノー王国ですね。芸術の国とも言われていますし、リサイル様なら気に入るかもしれません」
「そうだな。新しい場所へ行くのは緊張もするけれど、楽しみでもある。この国にもしばらく滞在していたし、読みたい本も読み終えたからな。公王陛下とサフィシュのおかげだ」
「でしたら、旅支度をいたしましょう。旅立つ前に念のためごあいさつされた方がよろしいかと」
「とても勉強させていただいたし、改めてお礼を言いに行かないとな」
俺は本を閉じて元の場所へ戻し、早速公王陛下へ謁見を申し込んで旅立つことを伝えた。
公王陛下と公妃殿下も旅立つことを残念がっていたけれど、ランシュノー王国へ行くと伝えると納得してくれた。
やはり、伝説の召喚士のようにホワイトドラゴンとも会ってみるべきだと思ってくれたのかもしれない。
無事に謁見を終えて玉座の間を出ると、廊下でサフィシュと出会った。
同じようにサフィシュにも旅立つことを伝えると、とても残念そうな表情をしていた。
今、しっかりと決めなくてはいけない。
隣にいるエディを見ると、エディもいつものように俺へ従うと視線で伝えてきてくれる。
「分かりました。殿下、契約しましょう。ブルードラゴンと結べるのならば、心強いです」
「そうか! では頼んだぞ」
俺が意志を伝えると、殿下も嬉しそうな表情を見せてくれる。
俺は改めて殿下と契約を結ぶために、静かに向き合った。
「我、リサイル・サモナードは、汝、サフィシュ・ディ・ルーブロアと契約関係を結ぶ。異存はないか?」
「異存はない。我、サフィシュ・ディ・ルーブロアは、汝、リサイル・サモナードと契約し、汝が求める時に力を貸すことに同意する」
契約の言葉を紡ぐと、殿下は俺の左手を取って指先に優しく口づける。
指先がほんのりと青く輝き始め、青のドラゴンと盾の絵が重なる紋章が浮かび上がった。
光は指先を優しく包みこみ、すうっと手に吸い込まれ、溶けるように消えていく。
「リサイル様がまた汚されて……あのレッドドラゴンの紋章だけでも許しがたいというのに。更にあなたまで加わると?」
「エディ、聞こえているぞ。全く、この国の皇子へ向かって無礼に振る舞えるのはお前くらいだ。一体エディは何者なのだ?」
エディに対してサフィシュ殿下が真意を探るような視線を投げつけると、エディは軽く目を細めた程度で全く表情を変えずに静かに口を開いた。
「私はリサイル様の従者です。どのような時でもおそばにいると誓っておりますので、殿下も不用意にリサイル様へ近づかないようにお願い申し上げます」
「言っていることは丁寧だと見せかけて、やはり無礼だな。底が見えない従者殿」
殿下は不機嫌そうにエディをあしらってから、改めて俺の方へ向き直った。
サフィシュ殿下は皇子としての威厳もあるし、若くても国の事を考えていつも行動している立派な方なのだろう。
時々、勢いのまま行動することもあるようだけれど……アジュランさんがそばにいて支えているのは俺とエディのような関係性と似ているのかもしれない。
「これで正式に契約できたな。リサイル、改めてよろしく頼む」
「はい、ありがとうございます。殿下」
「その、殿下という呼び方はふさわしくないだろう? オレは召喚士であるリサイルと共に戦う身。オレたちは仲間だ。もっと気軽に話してほしい」
サフィシュ殿下は無茶な要求をしてくる。
この雰囲気だと、俺が折れるまでずっとこの場で粘られてしまいそうだ。
「一国の皇子と気軽に話すというのはまだ難しいですが、殿下ではなくサフィシュと呼ばせていただきます」
俺が名前を呼ぶと、殿下は分かりやすく嬉しそうに笑ってくれた。
アジュランさんも、良かったですねと微笑んでいる。
不機嫌そうなのはエディくらいだろうか?
「サフィシュと呼ばれるのも悪くないな。この国のことも大事で大切なことだが、オレはリサイルが気に入った。だから、困ったときはいつでも遠慮なく呼んでほしい」
「分かりました。契約してくださって、ありがとうございます。サフィシュ」
俺たちはこの後も少し会話したあと、予定通りサフィシュたちと共にもう一度城へ向かった。
玉座の間で公王陛下に報告したあと、書庫へ自由に立ち入りできる許可もいただくことができた。
ついでに礼だと言われて断り切れず、金貨もたくさんいただいてしまった。
これで当分の間はお金に困ることもなさそうだ。
+++
宿と城を往復しながら、俺は色々なことを本で学び実践していった。
召喚士のことが書かれた本も少しだけあり、ブルードラゴンは召喚士を良き友として認めていつでも力になると昔に約束したらしい。
だからこそ、俺が名乗ったあとも親切で協力的だったというわけだ。
「でも、伝説の召喚士が一体どこへ行ったのか。それが分からないんだよな」
「伝説の召喚士自体のことは、ほとんど書物に残されていないと言われています。ですが、常に共にいたと言われている三種のドラゴンのところへ行けば、謎が少しずつ解けるのかもしれません」
「それなら、次へ行きたい場所は決まったな」
俺は本を閉じて、エディと視線を合わせる。
エディも俺が言わずとも分かっていたのだろう。レッド、ブルーときたら……残るはホワイト。
伝説の召喚士が共にいたと言われている、ホワイトドラゴンのいる場所だ。
「次の目的地は、ホワイトドラゴンが住まうランシュノー王国ですね。芸術の国とも言われていますし、リサイル様なら気に入るかもしれません」
「そうだな。新しい場所へ行くのは緊張もするけれど、楽しみでもある。この国にもしばらく滞在していたし、読みたい本も読み終えたからな。公王陛下とサフィシュのおかげだ」
「でしたら、旅支度をいたしましょう。旅立つ前に念のためごあいさつされた方がよろしいかと」
「とても勉強させていただいたし、改めてお礼を言いに行かないとな」
俺は本を閉じて元の場所へ戻し、早速公王陛下へ謁見を申し込んで旅立つことを伝えた。
公王陛下と公妃殿下も旅立つことを残念がっていたけれど、ランシュノー王国へ行くと伝えると納得してくれた。
やはり、伝説の召喚士のようにホワイトドラゴンとも会ってみるべきだと思ってくれたのかもしれない。
無事に謁見を終えて玉座の間を出ると、廊下でサフィシュと出会った。
同じようにサフィシュにも旅立つことを伝えると、とても残念そうな表情をしていた。
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