召喚士一族の落ちこぼれ長男なのに、過保護な従者が離してくれません!

楓乃めーぷる

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第五章 夢と記憶

62.真の契約※

 口づけが深くなっていくと、息が上がってぼんやりとしていく。
 奪われていくと感じたのが魔力なのだと分かるまでに時間がかかった。
 今、エディを呼び出したばかりだからエディの存在を維持するための魔力が足りていないのかもしれない。

「ん……まだ、足りない?」
「ええ。足りません。あなたの全てを手に入れるために……私と真の契約を」
「真の契約……?」

 話している間に、エディは器用に俺の服を脱がせていく。
 紺の立て襟シャツは乱され、黒のパンツは取り払われていた。
 俺のあらわになった肌に口づけが落とされていくたびに、身体が震えた。

「どうぞ、契約の言葉を」
「こ、この状況で……? んっ……」

 肌を強く吸われると、恥ずかしい声が漏れてしまう。
 クスクスと笑う声も肌をくすぐり、俺はどうしていいのか分からなくなる。

「エディという名は仮の名。契約は真の名で行うものでしたね? 私が何者なのか……それをお教えしなくては」
「ん、うん……教えて?」

 俺が素直にお願いすると、エディは満足そうな笑みを浮かべた。
 耳たぶをみながら、吐息混じりで伝えてくれる。

「私は、夜明けと始まりをつかさど黎明れいめい竜。ドーンドラゴンです。真名まなはレイディス。世界の始まりと共に生まれ、悠久の時を生きるドラゴンです」
「黎明竜……ドーンドラゴンのレイディス……それが、本当の名前……」
「はい。リサイル様だけにお教えする真名。その名で私と契約を」

 レイディス……俺だけが知っている本当の名前だと思うと、とくんと胸が音を立てる。
 俺は与えられるやんわりとした刺激を感じながら、小さく頷きを返した。
 
「分かった……レイディス……我、リサイル・サモナードは、汝、レイディスと真の契約を結ぶ。真の契約は汝だけ。悠久に……共にありたいと望む」
「はい。我、レイディスは、汝、リサイル・サモナードと真の契約を結びます。いつ、いかなる時もあなたと共に。あなたのことだけを守りぬき、悠久に共にありたいと望みます」

 レイディスは俺の願いに答えるように、唇を……俺の視界から外れるようにしてから右足の内ももに触れさせた。
 内ももは、淡く光り優しい闇をまとわせたあと……契約の証をふわりと浮かばせる。

「えっ……そこ……?」
「私とリサイル様は、真の契約を結ぶことを望みました。私しか見られない場所に印をつける。当たり前のことです」
「見られないって……それってどういうこと……?」

 俺が恥ずかしさで顔を赤くしていると、内ももを強く吸われる。
 ビクンと身体が跳ねて、また力が抜ける感覚が広がっていく。
 レイディスが意地悪く微笑んでいるのが見えて、文句を言いたいのに身体が言うことを聞いてくれない。

「真の契約が何かは、まだ分かっていないようですね。真の契約は、契約の言葉だけではなく心と魂が繋がらなくてはなりません。全てを捧げ合ってこそ、真の契約を結ぶことができるのです」
「心と魂を……捧げ合う……」
「分かりやすく人間の言葉を借りるのならば……互いに心を通じ合わせる。つまり、両想いになるということです」
「両想い……だから、他のみんなとは違う……ということ?」

 レイディスは微笑みながら頷く。
 そして、俺の身体中を愛するように赤い印をつけていく。
 最初は恥ずかしくて力が入らないだけかと思っていたけれど、魔力が失われていく量が多い気がする。

「レイディス、なんだか身体がおかしい……気が……」
「おかしいことはありません。普通は召喚士が召喚者の力を操る。それが契約なのです。真の契約は、違います。召喚士の心まで手に入れた召喚者は、召喚士の命令を聞かなくとも逆に召喚士を思うがままにできるのです」
「え……待って、それって……んんっ」
「リサイル様にとっては、主従逆転。私があなたの主導権をにぎることができる。しかし、思うがままという言い方はよくありませんね。私は私の意志で、あなたに仕えることができるとでも思っていただければよいでしょうか」

 またレイディスに深く口づけられると、今度は身体が熱くほてってくる。
 魔力を返されたみたいだ。
 好き勝手にもてあそばれているのに、俺の心はそれすら受け入れてしまっている。

「言ったはずだ。俺は……全てを差し出すと。だから……レイディスの思うままに……」

 俺も流されているわけじゃない。
 その気持ちを込めて言い返すと、レイディスはそうですかと満足そうな声色で答えた。

「では……遠慮なく、あなたの全てを私のものに」
「んっ……」

 何度も交わされる口づけは、俺の頭の中をとろけさせていく。
 俺の上半身もあらわにされ、下着のみの姿にされていく。
 俺は自然とレイディスの首へ両腕を巻き付けて身体を起こし、もっと欲しいと刺激をねだりはじめた。

「そんなに身体を擦りつけて……あなたの可愛らしい部分までおねだりをしていますよ?」
「あ……うぁっ、そこは……だめぇ」

 敏感な中心に触れられて、ビクビクと腰が揺れてしまった。
 そこは期待するようにひくひくと膨らんで、触れられるのを待っているようだ。
 レイディスは俺のまぶたに唇を落としながら、下半身に手を伸ばした。
 そして、熱をもつ俺自身に触れて、緩く刺激を与えはじめる。

「ひぁっ! ぁ、あぁ……」
「素敵な声を我慢してはいけません。もっと私に聞かせてください」
「やぁっ、あ、あ……んっ、ひぅ」

 やわやわと触れられると、もどかしさでじんわりとしびれてくるような感覚になる。
 この先へ進むのは怖いという思いと同時に、もっと触れてほしい思いがあふれて止まらない。

 俺はレイディスの声に逆らえない。ねだるように甘ったるい声を上げ続ける。
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