召喚士一族の落ちこぼれ長男なのに、過保護な従者が離してくれません!

楓乃めーぷる

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第五章 夢と記憶

64.一つに※

 俺はつい名前を言ってしまったことを申し訳なく思い、違うんだと苦笑する。

「俺が落ち込んでいたから……励まそうとしていただけだ。それに、他のみんながその度に俺から引きはがしてくれていたし」
「腹立たしいことですが、それは後にいたしましょう。今は……リサイル様をもっとかわいがって差し上げないと」

 レイディスはやわらかに微笑すると、俺の腰に手を這わせながらゆっくりと滑らせていく。
 くすぐったさに身体を震わせていると、指先が秘所に触れた。
 俺は突然触れられたことに驚いてしまい、このまま触れられて大丈夫なのだろうかと戸惑う。
 
「ひぅっ」
「この大切な場所は、誰も触れていませんね?」

 俺が無言でこくこくと頷くと、レイディスは満足そうに笑みを深めたあとにつぷりと指先を押し込んできた。
 突然の刺激に驚いて縮こまると、安心させるようなキスを何度も繰り返される。
 また上がってきた熱にふわふわし始めると、レイディスはくすぐるように何度も俺の秘所をなでる。

「ぁっ、ぁあ……」
「リサイル様、力を抜いてください。少しずつ慣らします」

 レイディスは指先に水をまとわせた後に、水に粘着性を与えたらしい。
 器用に魔法を使うので感心していると、未知の刺激に心臓の鼓動が早くなってくる。

「ふっ……ふぁっ、ぁあ……」
「大丈夫ですよ、今、一本入れたのが分かりますか?」

 レイディスの長い指が、俺の秘所をこじ開けて中へ沈んできたのが分かる。
 指がトンと中を叩くと、ビクッと身体が跳ねてしまう。
 つい力を入れてしまうので、その度に頭をなでられてキスをされる。

「んぁ、あ……」
「少しずつ受け入れ始めているようですね。痛くはありませんか?」
「んっ……だい、じょうぶ……」

 くちゅくちゅと恥ずかしい音が聞こえてきて、顔がかあっと熱くなる。
 けれど、未知の感覚はもどかしくもあって自然ときゅっと締め付けてしまう。

「指を増やします。これで……二本。いかがでしょうか?」
「ひぅんっ! ん……うぅん……」

 答えたいけれど、うまく答えられない。頷き返すくらいで余裕がない。
 ていねいにほぐされているうちに、レイディスの指先が内側を押し上げてくる。

「ひゃあぁっ!」
「こちらが良さそうですね。また、少しずつ蜜をこぼされて。きちんと受け入れようとしてくださっているのが、伝わってきます」
「そこ……なに?」
「リサイル様が気持ちよくなれる場所ですよ。こうして擦ってあげると……」

 レイディスに擦られると、恥ずかしい声と共にびくんっと身体が反った。
 気持ちよくなれる場所……そんなものまであるなんて、知らない。
 知らないことばかりだけれど、レイディスは俺を優しく導いてくれる。

「ああ、指が三本に増えても飲み込めるようになってきましたね。とても上手です」
「んふぅ……ぅ、んっ……」

 レイディスは丹念に俺をほぐしてからゆっくりと指を引き抜いて、俺の残滓ざんしを舐めとる。
 恥ずかしいのにぞくぞくしてしまって、目が離せない。

「そんなに熱い視線で見られてしまうと、私でも照れてしまいますね。リサイル様、そろそろ一つになってもよろしいでしょうか?」
「んっ……俺も……一つに、なりたい……」

 俺が答えると、レイディスに優しくベッドへ寝かされた。
 レイディスも服を脱いでいき、俺と同じように身体をさらしてくれる。
 適度に筋肉がついた身体は均整がとれていて、以前にふと見てしまったときのように美しいままだ。

「リサイル様は、私の裸がお好きですね」
「……っ。きれい、だから……」

 俺が思わず顔をそらすと、クスクスと笑う声が上から振ってくる。
 いつもの無表情はどこへ行ったのか、レイディスは嬉しそうな様子を隠さない。
 俺の両膝を立てると、ゆっくりと上から覆いかぶさってきた。
 レイディスの口元が珍しく少し迷うように動く。けれど、浅く息を吸ったあとに口を開いた。

「私は人間の醜さに飽き飽きしていました。もう、見ているのも面倒になって目を閉じていたのです。そんなとき、リサイル様に呼び出されました。こんな子どもがと思いましたが……あなたに触れると、純粋で柔らかな魔力を感じました」
「俺の……魔力?」
「はい。しかし、その魔力はか細くてはかない。不安定な魔力でした。人間にも、まだ純粋さが残っていることに少しだけ興味を持ち、リサイル様の成長を見てみようと。そう思いました」

 それが……レイディスが俺の従者になってくれた理由だったのか。
 俺は未熟でレイディスの召喚に耐えられる状態ではなかった。それでも……そばで見守ることを選んでくれた。

「ありがとう……俺の願いをかなえてくれて。未熟な俺を見守ってくれて……ありがとう」
「リサイル様の素直で純粋な姿を失わせるあの家族だけは今でも許せませんが……悪意にも負けずに必死に耐え抜くあなたを守りたいと。そう思うようになったのです。リサイル様には、私だけがいればいいのだと」

 レイディスの思いが痛いほど伝わってくる。俺のことを長い間守ってくれていたレイディス。
 だからこそ、俺は今まで生きて来られた。俺も……初めから気持ちは変わっていなかったんだ。
 
「俺は……最初からレイディスのことが大好きだったんだ。俺だけのレイディスだから……俺の全てを受け取ってほしい」

 俺が両腕を広げると、レイディスは俺の思いを受け止めるように優しく微笑んでくれる。
 そして……ゆっくりと、身体が重なり合っていく。

「――愛しています。あなたの全ては私のものに」

 レイディスの言葉と共に、俺の中にゆっくりとレイディスが入ってくるのが分かる。
 少しだけ苦しいけれど、怖くない。
 思いを受け止めるために、俺はレイディスの身体をそっと引き寄せた。
 レイディスも俺の痛みを和らげるように、何度もキスを繰り返してくれる。

「んぁぁっ!」
「――これで、一つになりました」
「あ……あぁ……よかった……ぁ」

 幸せがあふれてくるようで、俺はすがるようにレイディスを抱きしめる。
 この場所には、俺たちしかいない。
 背徳的な行為のはずなのに、今は静寂が祝福してくれているような気がする。
 レイディスも優しく俺の目尻に唇を落として、何度目か分からない口づけをしてくれた。
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