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16.宿屋を探そう

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 別の人のお使いもして、何個か依頼を終わらせてからギルドへ戻る。
 無事に依頼を終わったっていうお知らせが、ちゃんとギルドに届いたみたい。
 お使いの依頼を出していた人たちがありがとうって気持ちを、ギルドに送れるって言ってた。
 きっと、僕たちが届けてからすぐにギルドに知らせてくれたんだと思う。
 
「こちらが依頼終了の報酬になります」
「ありがとう。よし、今日はこれを持って一旦宿を探すか」

 ラグお姉さんがギルドのお姉さんからお金の入った袋をもらって、僕たちに見せてくれた。
 ルナちゃんと僕も手を合わせて、ニコニコする。

「これで今日はふかふかのベッドで眠れるわね」
「うん! 僕、初めてだなー」
「みんなで仲良く眠るとしようか」

 僕たちは仲良くギルドを出て、宿屋さんを探しながら街を歩く。
 お使いをしていたら日が落ちてきたから、もう少ししたら夜になりそうだ。
 今日は頑張ったから少し疲れちゃったし、ゆっくり眠りたいな。

「思ったより報酬がもらえたからな。明日は買い物もしようか」
「そうね。あ、あそこの建物は宿屋じゃない?」

 ベッドの絵が描いてある看板が見えてきた。
 木の建物はギルドの建物よりは小さいけど、二階建てだから人もたくさん泊まれそう。
 お部屋が空いているといいんだけど、どうかなあ?

「何件かあるらしいが、なるべく街の中でも静かでギルドから離れたところがいいらしい。ギルドの子に勧められたんだ」
「ギルドに近いところは人も多そうよね。あたしたち見た目はか弱い乙女と子どもだし、うるさいおっさんたちに絡まれたくないわよね」

 お酒を飲めるところがあると、みんな楽しくなっちゃうんだろうなぁ。
 でも、宿屋さんって一階はお酒を飲めるところが多いって聞いたことがある。

 宿屋さんの入口の扉を開けると、やっぱり一階はお酒を飲めるところみたい。
 何人かの人がお酒を飲んでいたけど、楽しそうにしているだけで怖そうな人はいないみたい。

「いらっしゃい。三人かい?」
「部屋を頼みたいのだが、空いているだろうか」

 ラグお姉さんが飲み物を運んでいた宿屋のおばさんに話しかけると、おばさんはちょっと待ってと言って僕たちから見えないところへ行ってしまった。

「一部屋なら空いてるよ。ベッドは二つだ」
「そうか。フィオは私と一緒に眠ればいいし問題ないな」
「何よそれ。別にあたしと一緒でいいじゃない」

 二人とも一緒でいいって言ってくれるけど、二人も疲れてるのにいいのかなぁ?

「僕、床でも……」
「ダメに決まってるだろう!」
「あんたねえ! そんなわけないでしょ!」

 ラグお姉さんとルナちゃん、同時に怒られちゃった。
 宿屋のおばさんも、仲良しなんだねえと僕たちを見ながら笑ってる。
 ベッドが二つでも仲良く眠れそうで、僕もちょっとほっとした。
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