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37.みんなで一緒におやすみなさい
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ラグお姉さんに抱きしめられていると安心する。
恥ずかしい気持ちもあるけど、うれしい気持ちの方が大きくて甘えたくなっちゃうな。
「またそうやってラグは。フィロもしっかりしなさいよね」
「フィロはいつでも甘えるべきだ。ルナも本当はフィロのことを甘やかしたいだろう?」
ラグお姉さんがぎゅうぎゅうする横から、ルナちゃんもくっついてきた。
ポイも僕の頭の上に止まって、一緒だよって言ってくれる。
怖いことや大変なことも、みんなと一緒なら大丈夫だ。
オルお兄さんも、僕の近くに来て優しい顔で少し笑ってくれた。
「フィロのこともラグとルナから聞いたが、フィロからも話を聞きたい」
「分かった。ええとね……」
僕は今までのことをオルお兄さんにお話した。
グラム村で暮らしていた時のこと、ラグお姉さんに会ったときのこととルナちゃんに会ったときのこと。
きっと二人から聞いた話と一緒だと思うんだけど、それでもオルお兄さんは静かに僕の話を聞いてくれた。
「そうか。フィロも苦労して生きてきたんだな。それなのに、フィロは恨みもしない。優しい心の持ち主ということがよく分かった」
オルお兄さんはまた頭をなでてくれる。
お兄さんの手は大きいから、ラグお姉さんになでなでされるのと違って包み込まれる感じがする。
「しかし、フィロはどうして俺たちの言葉を理解できるんだろうな」
「それは私も疑問に思っていた。人間に変身しているときは言葉も共通だが、獣の姿では言語が違うはず。獣同士ならば何となく分かるが、人間は獣の意思など理解できないはずだ」
「そうよね。あたしも人間の言葉は分かるけど、オルがほえてた時も具体的に何を言ってるのかなんて分からなかったわ」
僕は小さい頃から普通にお話してたから、たまたまなのかなって思ってたけど……他にお話できる人っていないのかな?
ポイとおしゃべりするのも楽しいから、旅をしながらいろんな生き物とお話したいなあ。
「フィロの能力は魔法と似たようなもので、生まれつきのものなんだろう。それにフィロは異種族から好かれる体質のようだしな」
「そうねえ……人間を警戒しやすいエルフでさえもフィロの言うことは聞いていたものね」
「あぁ。俺もフィロのことは信じてみようと思ったからな」
みんながじーっと僕の方をみる。
照れちゃうけど、僕がみんなと仲良くできるんだったらうれしいな。
「まあいいわ。明日オルも冒険者登録するんでしょ。疲れちゃったし、今日はもうみんなで寝ちゃいましょ」
「そのつもりだ」
「そうだな。明日には闇オークションのことも片付いているだろうし、またギルドへ顔を出さないとな」
ラグお姉さんは僕と一緒に、ルナちゃんも一緒のベッドで寝ることになった。
オルお兄さんは一人だけど、ゆっくり眠ってもらわなくっちゃね。
「すまないな」
「気にするな。オルも今度フィロと一緒に眠ってやってくれ。兄と一緒に眠るというのも良い体験だろう」
「そうね。お姉ちゃんと一緒に眠るのはバッチリだし」
「そうだね。僕、みんなと一緒で本当にうれしいんだ」
僕が笑うと、みんなも一緒に笑ってくれた。
さっきも寝ていたはずなのに、またすぐに眠くなってきちゃった。
よーし! いっぱい眠って、明日も頑張ろう!
恥ずかしい気持ちもあるけど、うれしい気持ちの方が大きくて甘えたくなっちゃうな。
「またそうやってラグは。フィロもしっかりしなさいよね」
「フィロはいつでも甘えるべきだ。ルナも本当はフィロのことを甘やかしたいだろう?」
ラグお姉さんがぎゅうぎゅうする横から、ルナちゃんもくっついてきた。
ポイも僕の頭の上に止まって、一緒だよって言ってくれる。
怖いことや大変なことも、みんなと一緒なら大丈夫だ。
オルお兄さんも、僕の近くに来て優しい顔で少し笑ってくれた。
「フィロのこともラグとルナから聞いたが、フィロからも話を聞きたい」
「分かった。ええとね……」
僕は今までのことをオルお兄さんにお話した。
グラム村で暮らしていた時のこと、ラグお姉さんに会ったときのこととルナちゃんに会ったときのこと。
きっと二人から聞いた話と一緒だと思うんだけど、それでもオルお兄さんは静かに僕の話を聞いてくれた。
「そうか。フィロも苦労して生きてきたんだな。それなのに、フィロは恨みもしない。優しい心の持ち主ということがよく分かった」
オルお兄さんはまた頭をなでてくれる。
お兄さんの手は大きいから、ラグお姉さんになでなでされるのと違って包み込まれる感じがする。
「しかし、フィロはどうして俺たちの言葉を理解できるんだろうな」
「それは私も疑問に思っていた。人間に変身しているときは言葉も共通だが、獣の姿では言語が違うはず。獣同士ならば何となく分かるが、人間は獣の意思など理解できないはずだ」
「そうよね。あたしも人間の言葉は分かるけど、オルがほえてた時も具体的に何を言ってるのかなんて分からなかったわ」
僕は小さい頃から普通にお話してたから、たまたまなのかなって思ってたけど……他にお話できる人っていないのかな?
ポイとおしゃべりするのも楽しいから、旅をしながらいろんな生き物とお話したいなあ。
「フィロの能力は魔法と似たようなもので、生まれつきのものなんだろう。それにフィロは異種族から好かれる体質のようだしな」
「そうねえ……人間を警戒しやすいエルフでさえもフィロの言うことは聞いていたものね」
「あぁ。俺もフィロのことは信じてみようと思ったからな」
みんながじーっと僕の方をみる。
照れちゃうけど、僕がみんなと仲良くできるんだったらうれしいな。
「まあいいわ。明日オルも冒険者登録するんでしょ。疲れちゃったし、今日はもうみんなで寝ちゃいましょ」
「そのつもりだ」
「そうだな。明日には闇オークションのことも片付いているだろうし、またギルドへ顔を出さないとな」
ラグお姉さんは僕と一緒に、ルナちゃんも一緒のベッドで寝ることになった。
オルお兄さんは一人だけど、ゆっくり眠ってもらわなくっちゃね。
「すまないな」
「気にするな。オルも今度フィロと一緒に眠ってやってくれ。兄と一緒に眠るというのも良い体験だろう」
「そうね。お姉ちゃんと一緒に眠るのはバッチリだし」
「そうだね。僕、みんなと一緒で本当にうれしいんだ」
僕が笑うと、みんなも一緒に笑ってくれた。
さっきも寝ていたはずなのに、またすぐに眠くなってきちゃった。
よーし! いっぱい眠って、明日も頑張ろう!
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