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第八章 真のハッピーエンディングを目指して
90.恵みのベル
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俺の手元で輝いているベルは、表に恵みの樹の絵が描かれていることが直感的に分かる。
とても美しい見た目だけど、何に使うんだろう?
「それは恵みのベル。恵みの樹に愛情を込めてくれた者へ私たちからの贈り物です。貴方が素晴らしい精霊使いだということを示すベルでもあります。どうぞ、受け取ってください」
「そのベルを人間の王に見せれば納得してくれるはずだよ! ハル、ホントにごめんね。恵みの樹を一生懸命頑張って育ててくれてありがとう!」
「精霊界エーテルヴェールへ戻った際に、忘れずにそのベルを奏でてください。わたくしたちができることは些細なことですが……貴方にとって、素敵な運命に導かれますように。わたくしたちの運命の輪から大きく羽ばたいていく貴方を応援しています」
贈り物と応援は嬉しいけど、運命の輪から大きく羽ばたいていくって……俺はプログラム上から外れているイレギュラーってことか?
よく分からないけど、隠されたエンディングへ向かっている感じがしてきた。
女神様にお礼を言うと、途端にまた目の前が眩しくなる。
耐えきれずに目を瞑り、同じく落ち着いた頃に目を開く。
「一体どうなっているのだ? ハルは無事か?」
「すみません、ご心配をおかけしました」
「あ、ハル! 良かったー。急にいなくなっちゃったから心配したんだよ?」
「カティも俺のことを? ありがとな」
恵みの樹が輝き出したことで、王様は伝説の一説を思い出したらしい。
恵みの樹が輝くとき、精霊使いは運命の三女神と出会う。
そして、かの者は信頼の証として精霊界の宝を授けられるだろう。
そういう伝説だと王様が教えてくれた。
「こちらが運命の三女神に授けられたものです」
「おお……まさか私の代でお目にかかることができるとは……ハルよ、最早其方は我々が気軽に話しかけてよい存在ではなくなった。運命の女神に愛された精霊使いよ、どうかこの地に安寧を」
王様や兵士、それに民までみんな片膝をついて跪き敬意を示されてしまった。
俺が一人で慌てていると、カティが一人クスクスと笑い出した。
「笑っちゃってごめんね? ハルのそういうところがみんな好きになっちゃうのかも。もっと自信を持ってね? 精霊使い様」
そう言ってカティも跪き、手を取られたかと思うと手の甲にキスをされる。
驚いて慌てて手を引っ込めると、いつものように頬を膨らまされる。
「ちょっと! 敬意を込めたあいさつなのにー」
「あいさつなのにーじゃなくって! 俺はこういうの慣れてないからやめてくれ!」
俺が騒ぐと、周りのみんなも笑いながら体勢を戻してくれた。
俺は精霊界エーテルヴェールへ戻ることを正式に告げて、カティと共に神殿へ戻る。
カティも選ばれなかったとはいえ、身支度と最後の別れをする時間は残されているらしい。
「あのままさよならにならなくて良かったよ」
「これは、今まで頑張ってきたご褒美だよ。でもなぁー。ボクが絶対勝つと思ってたからお別れの準備なんてしてなかったよ」
カティは珍しく寂しそうな顔をしていた。
俺はなんて言っていいか分からなかったけど、カティはいつもの腹が立つ笑い方じゃなくて素の少年らしいすがすがしい笑顔で俺を見ていた。
「勝ったハルがそんな顔をしていたら、精霊様たちが心配するよ? ほらー、もっと胸張って!」
「あ、ああ。そうだよな」
「もう、これだからハルは心配なんだよー。ボクが呼びに行かなくてもちゃんと起きるんだよ?」
「あのなあ。ガキじゃないんだから……」
カティと普通に話せる日が来るとは思ってなかった。
相変わらず一言多いし、面倒なところもあるけど……カティだって本当は悔しいはずなのにずっと笑っていた。
この辺りは確かに……理想の受け、なのかもしれないな。
ようやく、育成も終わったんだ。胸を張って帰ろう。
とても美しい見た目だけど、何に使うんだろう?
「それは恵みのベル。恵みの樹に愛情を込めてくれた者へ私たちからの贈り物です。貴方が素晴らしい精霊使いだということを示すベルでもあります。どうぞ、受け取ってください」
「そのベルを人間の王に見せれば納得してくれるはずだよ! ハル、ホントにごめんね。恵みの樹を一生懸命頑張って育ててくれてありがとう!」
「精霊界エーテルヴェールへ戻った際に、忘れずにそのベルを奏でてください。わたくしたちができることは些細なことですが……貴方にとって、素敵な運命に導かれますように。わたくしたちの運命の輪から大きく羽ばたいていく貴方を応援しています」
贈り物と応援は嬉しいけど、運命の輪から大きく羽ばたいていくって……俺はプログラム上から外れているイレギュラーってことか?
よく分からないけど、隠されたエンディングへ向かっている感じがしてきた。
女神様にお礼を言うと、途端にまた目の前が眩しくなる。
耐えきれずに目を瞑り、同じく落ち着いた頃に目を開く。
「一体どうなっているのだ? ハルは無事か?」
「すみません、ご心配をおかけしました」
「あ、ハル! 良かったー。急にいなくなっちゃったから心配したんだよ?」
「カティも俺のことを? ありがとな」
恵みの樹が輝き出したことで、王様は伝説の一説を思い出したらしい。
恵みの樹が輝くとき、精霊使いは運命の三女神と出会う。
そして、かの者は信頼の証として精霊界の宝を授けられるだろう。
そういう伝説だと王様が教えてくれた。
「こちらが運命の三女神に授けられたものです」
「おお……まさか私の代でお目にかかることができるとは……ハルよ、最早其方は我々が気軽に話しかけてよい存在ではなくなった。運命の女神に愛された精霊使いよ、どうかこの地に安寧を」
王様や兵士、それに民までみんな片膝をついて跪き敬意を示されてしまった。
俺が一人で慌てていると、カティが一人クスクスと笑い出した。
「笑っちゃってごめんね? ハルのそういうところがみんな好きになっちゃうのかも。もっと自信を持ってね? 精霊使い様」
そう言ってカティも跪き、手を取られたかと思うと手の甲にキスをされる。
驚いて慌てて手を引っ込めると、いつものように頬を膨らまされる。
「ちょっと! 敬意を込めたあいさつなのにー」
「あいさつなのにーじゃなくって! 俺はこういうの慣れてないからやめてくれ!」
俺が騒ぐと、周りのみんなも笑いながら体勢を戻してくれた。
俺は精霊界エーテルヴェールへ戻ることを正式に告げて、カティと共に神殿へ戻る。
カティも選ばれなかったとはいえ、身支度と最後の別れをする時間は残されているらしい。
「あのままさよならにならなくて良かったよ」
「これは、今まで頑張ってきたご褒美だよ。でもなぁー。ボクが絶対勝つと思ってたからお別れの準備なんてしてなかったよ」
カティは珍しく寂しそうな顔をしていた。
俺はなんて言っていいか分からなかったけど、カティはいつもの腹が立つ笑い方じゃなくて素の少年らしいすがすがしい笑顔で俺を見ていた。
「勝ったハルがそんな顔をしていたら、精霊様たちが心配するよ? ほらー、もっと胸張って!」
「あ、ああ。そうだよな」
「もう、これだからハルは心配なんだよー。ボクが呼びに行かなくてもちゃんと起きるんだよ?」
「あのなあ。ガキじゃないんだから……」
カティと普通に話せる日が来るとは思ってなかった。
相変わらず一言多いし、面倒なところもあるけど……カティだって本当は悔しいはずなのにずっと笑っていた。
この辺りは確かに……理想の受け、なのかもしれないな。
ようやく、育成も終わったんだ。胸を張って帰ろう。
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