【本編完結】変わりモノ乙女ゲームの中で塩対応したのに、超難易度キャラに執着されました

楓乃めーぷる

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第九章 真ハピエン後の追加エピソード

103.呆ける暇なく突発イベント

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 自分で言ったけど、言ってから後悔するパターンが多すぎて一人で恥ずかしくなる。
 何も言えなくなって顔を埋めていると、トントンと扉をノックする音が聞こえてきた。

「なっ……いや、待って! 服! 服は?」
「ハル? 大丈夫。この時間だったらバードだから」
「いや、バードでもダメだろ! 俺、何も着てないし」
「僕が受け取りに行く。ハルはベッドの中にいて?」

 ラウディが俺をひと撫でしてからベッドから出る。
 一枚だけ服を羽織ると、何も気にしてない様子で扉を開けた。

「すみません、ラウディ様。入ってはいけないと言われていましたが、お食事だけはと思いまして」
「バード、ありがとう。ハル、やっぱりバードだった」
「そ、そう。俺はその……ここから出られないけど……ありがとう」
「ハルさん、元気になられたみたいで良かったです。みんなにもハルさんのことを伝えておきますね」

 バードは何も気にせずラウディとやり取りしてるみたいだ。
 俺は顔だけ覗かせるのが精一杯だ。だって、服着てないし!

「では、失礼します。お邪魔しました」

 バードは最後までバードらしく普通にやり取りをして、ラウディに食事の乗ったトレーだけ渡して行ってしまったみたいだ。
 とりあえず服を着るために、身体をそっと起こす。

「ハル、おはよう」
「……おはよう」

 このやり取りさえ、気恥ずかしい。
 だけどラウディは全く気にした感じもなく、食事にしようと俺へ声をかけてきた。

「ハル、これ服」
「ありがとう……って、これラウディの服だろ」
「ハルの服はここを出る時に。昨日、ハルが眠っている時に紫の商人からハルに来て欲しいって連絡があった。後で一緒に行こう」
「そっか……分かった。ありがとう」

 いつまでも恥ずかしがってる場合じゃないな。紫の商人……モーングレイに呼び出されたってことは、ハルミリオンの妹の嫁ぐ日が決まってしまったってことだろう。
 俺もいつまでもボケっとしてる訳にはいかない。

「ご飯を食べたらすぐに出発しよう。ラウディ、付き合ってもらって悪いな」
「気にしないで。ハルの大事な妹のことだから。ええと……本当のハルの?」
「ややこしくてごめんな。でも、ラウディも一緒に来てくれるなら心強いよ」

 俺は決意も新たに、ラウディと二人で朝食を済ませることにした。

 +++

 支度を整えて、通い慣れたアイテム屋ワンダーまでの道のりを歩く。
 ラウディと一緒に行くのは初めてだから、新鮮な感じがする。
 見慣れたこぢんまりとした丸太小屋の扉を開けて、中へ入る。

「こんにちは」
「おお、ハルか。それにグラウディ様もご一緒でしたか」

 モーングレイはすぐにラウディと俺に椅子を勧めてきた。
 俺とラウディは二人で並んで向かい側へ腰かける。

「お二人でいらしたということは、ハルの話はグラウディ様もご存じということでええやろか?」
「大丈夫。ラウディは俺のことが心配でついてきてくれただけだから、モーングレイさんの話を聞かせて欲しいです」

 ラウディも頷くと、モーングレイはほな……と前置きして話を始めてくれた。
 話によると、予想通りハルミリオンの妹の嫁ぐ日取りが決まったらしい。
 しかも、明日には馬車に乗り込んで相手の家へ向かうそうだ。

「本当はもう少し裏工作をしたかったんやけど……行き来する日も決まってるせいでギリギリになってしまってすまんなぁ。ただ、馬車が通る場所はしっかりと抑えてる。その場所へ行って妹さんを取り返す強行作戦なんてどうやろか?」
「なるほど。物理的に嫁入りさせないってことか」
「書類等は兄貴も含めて準備してある。陛下への一報もいつでもいける状態や。相手の不正を告発するネタも掴んでるし、俺らがかっさらったところで問題ないようにはしてある」
「用意周到ってヤツですね。辺境伯家がついてくれているなら、こちらとしても安心です。俺も準備して外出許可を取ってこようと……」

 言いかけたところで、アイテム屋の扉がバーンと開かれる。
 また誰が来たのだろうと振り返ると、頼もしい面々が店の中へ入ってきた。
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