【第二部開始】風変わりな魔塔主と弟子

楓乃めーぷる

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第二章 様子見の魔塔主と距離を置く弟子

43.出向く者たちの言い分

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「全くだ。ただ、テオドールの言いたいことも分かる。我々のことを戦うことしか能がないなどと思う輩もいるのは事実だ。騎士団とて国自体の防衛も仕事の一つであると言うのに。どうも神殿は女神様を讃えることに夢中なようだな」
「それこそ、こっちが大怪我したら真夜中だろうがなんだろうが、神殿に押しかけてやればいいんですよ。回復薬だけじゃ足りないぞーって。ま、回復薬は全部神殿持ちで準備させてやりましょう。どうせ派遣する神官ちゃんたちは、回復ヒールくらいしか使えないだろうし。解毒キュアは期待できないでしょうね」

 ディーもウルガーも言うじゃねぇか。神殿と騎士団も気は合わなそうだよな。
 ディーまで辛口なのは珍しいが、どうせ突っ込むことしか取り柄がないとか言われたんだろうな。
 レイヴンが苦笑しながら入って、まあまあと俺らを執り成す。

回復ヒールがあるだけでも楽ですよ。回復薬を飲む余裕があるとは限りませんから」
「面倒臭ぇから、全部吹き飛ばしちまえばいいんだよなァ。どうせ山から湧いてきてるんだろ、魔獣なんてもんはな。圧倒的な力でねじ伏せれば大人しくなるだろ」
「師匠、師匠のせいで地形が変わって大変だって泣きつかれるのは俺なんですから。その度に魔塔の予算が減らされるんですよ? 魔法をぶっ放せば解決なわけじゃありません」
「お前がそんなだから、魔塔主はキングオークだのと噂されているのだろう? レイヴンを少しは見習え」

 なんだキングオークって。オーガキングだっての。
 それを訂正するのも面倒だし、別に呼ばれたい訳じゃねぇから放っておく。
 ディーは常に説教臭ぇんだよな。分かりやすく面倒くさい態度を取って、肩を竦めて見せる。

「どうせなら、ドラゴンとか言って欲しいもんだな。俺への規模が小さすぎんだよ。お前ですら獅子だろ? ソイツよりはデカくねぇとつまんねぇ。せめてなんか魔族とか大悪魔とか、もっと欲しいだろ。イケてる二つ名がよ」
「師匠……。そんなんだから獣扱いしかされないんですよ。魔法使いなら、もう少し頭の良さそうなものに例えられてください。というか、俺は二つ名はいらない派ですから」

 二つ名はいらないときっぱり言い切ったレイヴンを見て、少しだけ寂しそうな表情をしたディーをウルガーが肩をポンポンと叩いて慰める。
 お前、どれだけレイヴンに好かれたいんだよ……。そんなに銀獅子って二つ名がお気に入りなのか?
 まぁ、響きは良いかも知れねぇけどよ。どっちかっつーと猪っぽいけどな。

 コイツらとくだらないやり取りと文句と一緒に、討伐に向けての連携も確認しておく。
 なんやかんやでいつも一緒に動いてるから、騎士団と魔法使いの相性は悪くない。
 騎士団もディーを筆頭にしっかりとしているからな。それだけは認めてやってもいい。
 王宮内でディーたちと分かれて、俺とレイヴンも討伐に向けての本格的な準備をすることになった。
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