【第二部開始】風変わりな魔塔主と弟子

楓乃めーぷる

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第三章 再確認する魔塔主と距離が近づく弟子

71.手を出すヤツには制裁を

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「……暗殺依頼、か」
「だろうな。それ以外にも目的はあるのかもしれねぇが、今回に関しては狙ったんだろうよ。これまでは魔物と討伐の様子見で、今回は本格的に動いた、と言ったところだろう」
「つまり、私を引きずり降ろそうとしている者たちの仕業か?」
「それもあるかもしれねぇが、魔塔にも俺やレイヴンを気に食わねぇってヤツはゴロゴロいるしな。俺らへの恨みなのか、陛下への恨みなのかは分からねぇが。どっちにしても気に食わないやり方なのは間違いないがな」

 本当に気に食わねぇ。
 自然と舌打ちすると、目の前の国王も額に手を当て息を吐き出す。

「テオドール……レイヴンがやられたからといって、独断で処分する気か?」
「俺のモノに手を出した代償は払ってもらわねぇとなぁ? 必要な情報は引き出すが、その後はどうなろうと知ったこっちゃねぇ」
「……全く、一番面倒な者を刺激してくれたな。致し方あるまい。私としても内通者は炙り出さねばならない。こちらでも十分に調査を進めていくとしよう」

 従来のやり方であれば、裁判にかけて罪を償わせるんだろうが。
 俺のレイヴンに手を出しておいて、そんな生温いことが許される訳がない。
 コッチとしちゃあ、殺しても殺し足りないくらいだが。
 くだらないことを考えたヤツをまずあぶり出して制裁を加える必要がある。
 それを、この陛下は許すと言っている訳だ。要は、生死は問わない、と。

 まぁ俺の性格も、俺にとってのレイヴンの存在がどんなものか、一切隠してねぇし。
 気づいてないのは当の本人だけだからな。
 陛下的には、俺が怒り狂って周辺諸国に魔法を叩き込むくらいはするとでも思ってんだろうな。
 それをさせないためにも、レイヴンが必要になってくるのは確かだ。
 アイツは事実、俺の暴走を食い止められる唯一の存在だからな。

 むしゃくしゃしたらちょっとデカい魔法をぶっ放すくらいで、別に分別のつかねぇ魔物って訳じゃねぇから、無意味に国を吹き飛ばしたりはしねぇが。
 それにレイヴンが絡んでいたら……まぁ、分かんねぇか。

「……陛下はお優しいことで。俺が言うのも何だが、王としてそれでいいのか?」
「私は平和主義だからな。また誰かさんに怒られてしまいそうだが、国王は臣下の責を背負う者でもあるし、今は止める時ではないと考えたまでだ」
「ま、悪いようにはしねぇよ。――――背後にいる者をあぶり出せたその時は、私自らがその者の首を陛下に差し出しましょう」

 これだけ言っておけば安心するだろう?誰が犯人かってことくらいは報告するつもりだしな。
 最後くらいは俺の自由にさせてくれる陛下に敬意を払って、貴族的な挨拶をする。

 さて、これで用も済んだし帰るか。
 踵を返してさっさとこの場から去る。

 +++

 庭から廊下へと戻る道筋で眼鏡を掛けたクソ真面目な野郎とすれ違う。
 コイツは陛下至上主義の宰相、アスシオだ。
 俺のことを目の敵にして分かりやすい敵意を向けてくるから面倒なんだよなぁ。
 まぁ適当に手を振ってやり過ごすとするか。
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