【第二部開始】風変わりな魔塔主と弟子

楓乃めーぷる

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第四章 行動に移す魔塔主と色々認めたくない弟子

91.レイヴンとの出会い

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 レイヴンと初めて出会ったのは戦争で訪れた街の一角で、その時は何も考えていないような虚ろな目をしていたのを覚えている。

 だが、その瞳に惹かれたのも事実だった。
 虚ろな癖して、とても綺麗な瞳で。
 その深い黒色に惹き込まれたのかもしれない。

 俺が一緒に来るかと誘ったら、その瞳が揺らいで。
 警戒したまま、それでも俺の手を取った。
 俺とレイヴンの出会いはそこからだ。

 レイヴンの家族はその国で起こった戦争の犠牲になり亡くなっていた。
 レイヴン自身は無意識下で魔法で身を守ったおかげで無傷だったらしい。
 まだ子どもだったレイヴンは他に頼る者もなく、道端でゴロツキを魔法で吹き飛ばして財布を物色していた。

 そこにたまたま通りがかったのが俺だった。

 後で話してくれた話によると自分を育ててくれた両親は本当の親ではなく、幼い頃の記憶はよく覚えていないらしい。
 これについては本人には伝えていないが、正確に言えば覚えていないのではなく、忘れている。

 まだ解決策が見つけられないでいるし、俺がどうこうするには知識と技術が不足しているから余計なことは言っていない。
 これは俺の課題でもある。

 両親は平民で優しい普通の両親だったが、自分が本当の子どもではないことに引け目を感じたレイヴンが他の兄弟たちとも仲良くできないまま戦争に巻き込まれて、それが一生の別れになっちまったそうだ。

 あの頃は近隣諸国が荒れていて、アレーシュも大変な時期だった。
 魔塔主として近隣諸国との戦いに駆り出されていた俺も、悲惨な光景を何度も目にしてきた。
 それでも時代が時代だからと、戦いに明け暮れた。

 そんな中で出会ったレイヴンは俺にとっても癒しになっていって今に至る訳だが。

「魔法の才能がありそうだったし、何か惹かれるものがあって拾ってきちまったが……良く育ったもんだわ。って、俺は父親じゃねぇが。俺好みに自然と育ってくれたし、後はじっくりと可愛がって……で、いいか。面倒臭ぇ。どうせ俺のだし」

 大あくびが漏れた。
 真面目に考えるのは柄じゃねぇんだよな。
 煙草の火を消してから、もう一度レイヴンをひと撫でする。

 今はレイヴンを愛でている時間が愉しくて仕方ねぇし。
 そのうちに今日みたいなレイヴンが通常になるかもしれねぇからな。
 それまでは俺が一方的に構ってやってもイイ気がするな。

 レイヴンのことだから、どうせまた余計なことを考えているんだろうが、最近の態度を見るに素直になる日も近いかもしれねぇし。

 もう一度元の通りに抱き直し、腕の中にレイヴンを閉じ込めて朝まで眠ることにする。
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