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第十章 たまには真面目な魔塔主といつも真面目な弟子
289.平常通りのやり取りをする師匠と弟子
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翌日、予想通りレイヴンが顔を赤くしながら文句を言ってきた。
俺も寝落ちするまでヤり倒したし。
だからと言って行為自体はそこまで激しくしてねぇから、コッチの身体の負担はない。
レイヴンの言い分は受け流しながら宥め、ひと欠伸してからキッチンへと向かう。
気分転換にコーヒーを淹れ、レイヴンには鍋で温めたミルクを入れてやる。
マグを両手に持ってベッドの側に寄ると、レイヴンがベッドの上でゆっくりと身体を起こして気怠そうに俺を睨んできた。
「……動きたくない。もう、ベッドから出たくない」
「俺はそれでもいいけどよ。どうせ休みだし」
「休みじゃなかったとしても、どうせサボるでしょう? 喉もガラガラだし、身体はところどころ赤いし。一番恥ずかしいのが、身体に力入らないし……」
「やっぱり文句言いまくるんだよなぁ。そこも可愛いレイちゃんだよな」
俺はとことん可愛がったから、満足してるってのによ。
温かいミルクの入ったマグを手渡す。
レイヴンは相変わらずぶつぶつと文句を言いながら、大人しくマグを受けとってふーふーと冷まし始めた。
「レイちゃんは動かないとして、俺はどうすっかな。側にいるともっとヤりたくなるんだよなぁ」
「……いいから、テオは違うやるべきことをしてください。駄々をこねてみただけですから。少し休んだら俺もお手伝いします」
「最後までしなけりゃ触ってもいいよな?」
「なんだか不審者みたいな発言ですね……まぁ、別に。構いませんけど」
構わないって言ったか? こりゃあ触り放題じゃねぇか。
レイヴンが言うなら仕方ねぇよな。
全身を隈なく見回して、舌なめずりする。
「分かりましたから、その顔やめてもらえます?」
「素直なレイはいいぞー」
「言い方が気持ち悪い!」
「ったく。もうちょっと俺に対して優しい言葉をだな」
「昨日みたいに優しければ考えます」
レイヴンはフイ、とそっぽを向いて、マグを両手で包み込んでちびちびとミルクを飲み始める。
子どもっぽいレイヴンは俺の前だけでしか見せない姿だ。
普段人前では猫被って、絶対に見せようとしねぇからな。
自然とニヤついちまう。
「テオ……その顔、ひきます。もっと普通に笑える癖に。もしかして罵られたいとか?」
「そうじゃねぇよ。おすましレイちゃんよりはいいなぁってな」
「はいはい。テオの前だけですよ。どんな俺も許してくれるテオが大好きです」
「うわ、棒読みすぎねぇか?」
無理やりレイヴンの顔を覗き込む。
近くで目が合うと、困ったように視線を泳がせて逃げようとする。
それでもしつこく覗き込むと、何? と、じぃと見つめ返してきた。
「今日も可愛くてイイコだ」
「可愛い、可愛い、言わないでくださいよ。俺、男なんですからね? テオに比べたら可愛いと思いますけど」
「そんなこと言って。嬉しいだろ?」
「素面でそういうのやめてください。恥ずかしい。なんだか、居た堪れない」
この程度のやり取りで顔を赤くするのも、可愛くて仕方ねぇ。
これ以上揶揄うと、レイヴンは俺と口も聞かなくなりそうだ。
ポンと頭をひと撫でする。
可愛いレイちゃんを見ながら、ゆったりと朝の時間を楽しむとするか。
+++
一時間程度だらだらした後。
いつまで裸のままでいるんだと主張する弟子のために、シャツとパンツのラフな姿に着替える。
レイヴンも一枚着のローブ姿で、ちょこんと俺の隣に座っておとなしくしていた。
ソファーにもたれかかったレイヴンは、相変わらず気怠そうだ。
俺は部屋の棚から一つビンを取って、手渡した。
「少しは元気になりそうか?」
「……毎回師匠の薬のお世話になるの嫌なんですけど、どうにかなりませんか?」
「レイちゃんがか弱いから仕方ねぇよなァ。この薬良く効くだろ?」
「何が入っているのか聞きたくありませんが、飲むとすぐに身体が楽になってくるんですよね。元気がでるというか……」
レイヴンは俺の自作の薬を飲み干し、空の薬瓶を溜め息混じりで突き返してくる。
激しい夜の後は、この即効性のある滋養強壮薬を分けてやってるってのに。
何がご不満なんだか。
「それで、俺は何を手伝えば?」
「手伝いってほどでもねぇけどよ。この本読んどいてくれ」
「これは?」
「ん? まぁレイちゃんが勘違いしてたから、少しだけ見せてやろうと思ってな」
朱色の本を一冊手渡す。
題も書かれていないこの本は、俺が自室に引き籠って書いていたものだ。
浮気を疑われる原因になっちまった本でもある。
レイヴンは不思議そうに首を傾げながら、本の表紙と裏を見回してゆっくりと中を開いていく。
俺も寝落ちするまでヤり倒したし。
だからと言って行為自体はそこまで激しくしてねぇから、コッチの身体の負担はない。
レイヴンの言い分は受け流しながら宥め、ひと欠伸してからキッチンへと向かう。
気分転換にコーヒーを淹れ、レイヴンには鍋で温めたミルクを入れてやる。
マグを両手に持ってベッドの側に寄ると、レイヴンがベッドの上でゆっくりと身体を起こして気怠そうに俺を睨んできた。
「……動きたくない。もう、ベッドから出たくない」
「俺はそれでもいいけどよ。どうせ休みだし」
「休みじゃなかったとしても、どうせサボるでしょう? 喉もガラガラだし、身体はところどころ赤いし。一番恥ずかしいのが、身体に力入らないし……」
「やっぱり文句言いまくるんだよなぁ。そこも可愛いレイちゃんだよな」
俺はとことん可愛がったから、満足してるってのによ。
温かいミルクの入ったマグを手渡す。
レイヴンは相変わらずぶつぶつと文句を言いながら、大人しくマグを受けとってふーふーと冷まし始めた。
「レイちゃんは動かないとして、俺はどうすっかな。側にいるともっとヤりたくなるんだよなぁ」
「……いいから、テオは違うやるべきことをしてください。駄々をこねてみただけですから。少し休んだら俺もお手伝いします」
「最後までしなけりゃ触ってもいいよな?」
「なんだか不審者みたいな発言ですね……まぁ、別に。構いませんけど」
構わないって言ったか? こりゃあ触り放題じゃねぇか。
レイヴンが言うなら仕方ねぇよな。
全身を隈なく見回して、舌なめずりする。
「分かりましたから、その顔やめてもらえます?」
「素直なレイはいいぞー」
「言い方が気持ち悪い!」
「ったく。もうちょっと俺に対して優しい言葉をだな」
「昨日みたいに優しければ考えます」
レイヴンはフイ、とそっぽを向いて、マグを両手で包み込んでちびちびとミルクを飲み始める。
子どもっぽいレイヴンは俺の前だけでしか見せない姿だ。
普段人前では猫被って、絶対に見せようとしねぇからな。
自然とニヤついちまう。
「テオ……その顔、ひきます。もっと普通に笑える癖に。もしかして罵られたいとか?」
「そうじゃねぇよ。おすましレイちゃんよりはいいなぁってな」
「はいはい。テオの前だけですよ。どんな俺も許してくれるテオが大好きです」
「うわ、棒読みすぎねぇか?」
無理やりレイヴンの顔を覗き込む。
近くで目が合うと、困ったように視線を泳がせて逃げようとする。
それでもしつこく覗き込むと、何? と、じぃと見つめ返してきた。
「今日も可愛くてイイコだ」
「可愛い、可愛い、言わないでくださいよ。俺、男なんですからね? テオに比べたら可愛いと思いますけど」
「そんなこと言って。嬉しいだろ?」
「素面でそういうのやめてください。恥ずかしい。なんだか、居た堪れない」
この程度のやり取りで顔を赤くするのも、可愛くて仕方ねぇ。
これ以上揶揄うと、レイヴンは俺と口も聞かなくなりそうだ。
ポンと頭をひと撫でする。
可愛いレイちゃんを見ながら、ゆったりと朝の時間を楽しむとするか。
+++
一時間程度だらだらした後。
いつまで裸のままでいるんだと主張する弟子のために、シャツとパンツのラフな姿に着替える。
レイヴンも一枚着のローブ姿で、ちょこんと俺の隣に座っておとなしくしていた。
ソファーにもたれかかったレイヴンは、相変わらず気怠そうだ。
俺は部屋の棚から一つビンを取って、手渡した。
「少しは元気になりそうか?」
「……毎回師匠の薬のお世話になるの嫌なんですけど、どうにかなりませんか?」
「レイちゃんがか弱いから仕方ねぇよなァ。この薬良く効くだろ?」
「何が入っているのか聞きたくありませんが、飲むとすぐに身体が楽になってくるんですよね。元気がでるというか……」
レイヴンは俺の自作の薬を飲み干し、空の薬瓶を溜め息混じりで突き返してくる。
激しい夜の後は、この即効性のある滋養強壮薬を分けてやってるってのに。
何がご不満なんだか。
「それで、俺は何を手伝えば?」
「手伝いってほどでもねぇけどよ。この本読んどいてくれ」
「これは?」
「ん? まぁレイちゃんが勘違いしてたから、少しだけ見せてやろうと思ってな」
朱色の本を一冊手渡す。
題も書かれていないこの本は、俺が自室に引き籠って書いていたものだ。
浮気を疑われる原因になっちまった本でもある。
レイヴンは不思議そうに首を傾げながら、本の表紙と裏を見回してゆっくりと中を開いていく。
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