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条件

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サーシャはそんなことかとフンと鼻を鳴らした。

「で、なんだそのお願いとやらは?なんでも聞いてやろうじゃないか」

言ったな。
なんでもって言ったな。

「じゃぁ遠慮なく、まずは父さんが出した三つ目の条件を覚えていますか?」

「当たり前だろう。小言のうるさい奴とのことを忘れるわけがない。仮におまえが入学できた時に、私がおまえを特別に扱ったりしないというヤツだろ?」

「そう、それですが、その条件を破ってください。生徒の上に立って面倒ごとするんだから特別扱いしてもらわないと。俺がなにか起こしたときにはサーシャが先頭に立って後処理をお願いしたいです。もちろん立場を悪用しようというわけじゃないので安心してください」

「そんなことか。まぁギムレットやつには悪いが仕方ないだろう。立場に付きまとう責任もあるだろうからそこについてはうまくやろうじゃないか。で、他には?」

「あとは流石に俺一人でやるなんてのは到底無理ですというかやりたくないのであと数名同じ立場の人用意してください」

「ふむ、それは構わんのだがそれについてはおまえの方で集めろ。やり方は任せるが集めたやつらは私のところに連れてこい。私が適任かどうかだけは判断する」

うぇ…人集めなんて一番面倒なことはやらなくちゃいけないなんて…
完全に丸投げするつもりだったのに。
まぁ裏を返せば、変な人材連れてこられてあとから仲良くしろと言われる方が面倒か…

「…わかりました。それでいいです。じゃあ最後にですが…」

「ん?なんだもったいつけて。私の体でも欲しいというのか?このスケベめ…」

ジト目を向けてくるがマジの誤解だ。
こんな幼女に犯罪行為を犯そうと思うほど俺もアホではない。
そんなことはぜっっったいないです。安心してください、俺はノーマルです。
とまぁ、わざわざそんな怒らせそうなこと口に出したりはしない。

「…で、それはどうでもいいとして、最後にお願いしようと思ったことですけど、それについては今のところ保留でお願いします」

「なんだかイライラするが、まぁいい。で、保留とはなぜだ?なにをさせたい?」

「それは今はお願いできないことなので。また追ってお願いさせてもらいますよ。ただ、その時のお願いは絶対に断らないと約束してくれますか?」

「…私にとってデメリットしかないことでもか?」

「俺が生徒の上に立つこと以上のことをあなたがメリットと言うのであればそうかもしれません」

沈黙。
互いの目を見つめたまま数秒の時が過ぎる。

「ハッハッハッ!面白いことを言うなおまえは。よしっ!いいだろう、そのお願い聞いてやろう!もちろん断らないとも約束してやる。ただ、これからのことは大いに期待させてもらうから覚悟はしてくのだな!」

豪快に笑って承諾してくれるサーシャ。
実に気持ちのいい人だ。
初めに信用していないと言ったが、この数分のやり取りの間にかなり信用できることはわかった。

「肝に銘じますよ。じゃぁ改めてですが、生徒会長でしたっけ?謹んでお受けいたします」

「うむ、頼んだぞ!」

ご満悦のサーシャにいまさら満更でもない俺。

「あ、そうだった。当学園はな生徒会長などと言うものはそもそもない」

「は?」


「いやな、どの種族が上だとかいつもゴタゴタともめるから面倒でな、今までは各種族で勝手にリーダーを決めて動いてもらっていたのだ」


なん…だと……?


「しかしだ、それでは学園が回らぬからほとんどのことは種族の間に教師が入って束ねていたのだがそれも中々に大変でな。そこのところの教師の負担軽減策も含めての今回からの生徒会長制度というわけだから、まぁよろしくたのんだぞ?」




後出しじゃんけんは負ける。
誰もが知っていることだ。
俺は負けたのだ…いろいろと…
でもこれだけは、今だけは言わせて欲しい。





「こんのヴァーーーカ幼女ぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!!」





試験真っただ中であろう、学園中に俺の不適切な言葉がこだました。

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