23 / 41
それでも甲子園へ
しおりを挟む
『さあ、7番辻元、右打席に入ります。
マウンド上の総見寺彩奈、この回はどう対処するか!?』
『彼も通算打率が4割超えてますからねえ。
伊万里くん以外にもクリーンナップを全員張りうると言うのが改めて凄い打線です。』
「やべえよやべえよ」
「彩奈さん…」
「やっぱ男でフィジカル極められるとキツイよ、女と男の性差ってやつ?」
そんなファラリス側応援席の隅で、麦わら帽子姿の眼鏡少女がいた。
小川京子である。
「彩奈ちゃんが大丈夫と言った。
だったら大丈夫なんだ…」
祈りの様にそのフレーズを繰り返す。
そして、この回の初球!
158キロ!
明らかに初球から狙い撃つ辻元!
が。
『空振り!しかもど真ん中!
…ああー!ご覧ください回転数を!』
『な、なんともはや…』
スコアボードを振り返り、唖然とする成川。
「マジかよ…」
3150回転/分
当然これまでにも増して打者側には浮き上がる、手元で上昇するようにさえ見える球。
いや、ほとんど見えないと言ってよいレベルだった。
『辻元三球三振!』
『8番山尾キャッチャーフライ!』
『9番福島、高めボール…あーバットが回った回った!三振です!』
最速は161キロ。湧き上がるスタンド。
下位打線相手とは言え、初回の嫌な流れを完全に断ち切る快投!
「いいぞー!彩奈っ!」
「最初からそうしろや笑」
その様を見て…も、眉ひとつ動かさぬ帝王学園、伊万里。
少し早足で歩くだけで早々とマウンドについてしまう。
その巨体で、ファラリス打線に立ちはだかる。
「ちっ!」
ツーナッシングからのパワーカーブを辛うじてカットするも、4球目の高め160キロをファウルチップし捕られてしまう成川。
「うおら!来いや!」
全身の筋肉を隆起させ、伊万里にも負けぬのではないかとスイングスピードを見せる6番(に今日は入った)山倉。
「しゃあ!!」
ただし3回振って叩いたのは空気のみである。
『伊万里も負けじと打者2人を切って捨てる!』
『うーん、ファラリス学園ももう少し工夫が必要ですねえ。』
「一回戦とは違うぞ、脇を締めて上からコンパクトに、だ、内田!」
はいっ!と返事しつつ、バッターボックスに入る内田。
なんと初球から162キロをカットする。
(彩奈さんが加入した時点で…伊万里と当たる事をずっと考えて対策していたんだ。)
次は狙う。
「うっちーいけるぞー。」
そう呟いた彩奈の方を、ベンチの皆が振り返る。
いやいや、彩奈以外では1番体格に劣るあいつが?あのバケモノ相手に…確かにマグレホームランはちょいちょいあるけど。
ファラリス側ベンチの当惑をよそに振りかぶる伊万里。
155キロ!しかもこれは。
「知ってた。」
完全に狙いすましていた様に膝下ボールゾーンで伊万里のパワーカーブを捉える内田のバット。
打球は。
『あー中途半端なハーフライナー
これはセカンド取る…。
いや!?
落ちそうで落ちない、頭を超えた!
なんとライト前ヒット!』
「マジか!やるじゃねーかキャプテン!」
「これは主将内田だぜ!」
正直成川も明智も無言ながら驚きを隠せない。
本大会でのあいつの覚醒。それが一番のうちのチームのイベントかも知れない。
「よし世界の渡部だ!」
「その言い方やめろって。」
『さて8番の渡部に…。
初球ストレートを狙い撃ちー!
しかし残念無念観音像!
ファースト正面でしたー。』
『うーん、よく食らいつきましたがねえ』
また何事もなかったかのように淡々と、マウンドから引き揚げる伊万里。
そこに歩み寄る監督…ではなく部長兼ストレングスコーチの立花。
「羅堂、どうした。
すこし総見寺の立ち直りについ力んだか?」
「いや、問題ないです。」
低く押し殺した声。
伊万里羅堂の肩に手を置く立花。
「いいか。お前は私の最高傑作だ。
グラウンドに入ればお前は最強のベースボールマシーンだ。
誰も、メジャーリーガーでもお前に勝てる人間はいない。いいな?何も問題はない。」
「はい。何も問題はない。はい。」
異様な儀式のようだが、いつもの事として帝王ナインも鬼内監督も涼しげな顔である。
その間にも1番鳩山、2番菅野があっさりと連続三振。
3番サード原口…。
アウトロー160キロを空振りの後…。
キイン!
『あーっ!ボール球インハイを強引に叩く!
ボールは…左中間に!
しかし成川が追いつき2塁までは行けず!シングルヒットです!』
『やはりクリーンナップには通用しないんですかねえ。』
とにかく、ツーアウト1塁で、2打席目の帝王の牙、伊万里である!
「よし、よく回したー!」
「トドメの2ランいったれー!」
「伊万里さーん!」
(さあ、どうする、彩奈…)
明智らも見守るしかない。
ジャストミートされれば完全なホームランとなるだろう。
『さあ再び注目の対決にスタンドが湧きます!
その初球!インハイ162キロを空振り!』
どよめくスタンド。
回転数が3200回転に達したのである。
(おいおいどこまで…)
レフト成川も苦笑するしかない。
相変わらず表情を動かさない伊万里。
『2球目、真ん中高め!
高ーく上がった打球…ですが特大でも真後ろへのファウルです!』
『いやでも危なかったですよ。』
伊万里、一部の人間しか気づかぬ範囲で腰を、重心を微かに沈める。
そして3球目。
『再び162キロインハイをジャストミートォォー!!』
『ほら言わないことじゃない!』
打球はセンターに高々と。
第一打席と同じ様にホームラ…
!?
彩奈は平然と、打球を見ようともせずに、スタスタとベンチに引き上げていく。
まさか…
『ああー、風は微風追い風なのに打球急減速!
打球は後ひと伸び、1メートル、いや50センチ足りなかったあ!
センターのグラブに収まります!』
『たまたまの打ち損じでしょうが…』
(違う、計算尽くだ。)
明智は気づいていた。おそらくは内田も。
(球速回転数はほぼ同じ、だが、ボール半分ちょい、1球目より高かった…
とんでもないお嬢様だぜ。)
もう先に戻った彩奈は生田遥とハイタッチを交わしている。
沸き立つ観衆。
それとは別に、スタンドから鋭い視線を送っていた一団。
「イマリは期待通りのモンスターだ。それもスーパーがつく。」
「ああ、だがもう1人はそれ以上だ。
客寄せアイドルと思いきや…大天使か魔女か…」
「うちも最推しでマークする。
彼女は…アヤナはこれ以上日本にいてはいけない。
来春からでもメジャーリーグに革命を起こせる。」
マウンド上の総見寺彩奈、この回はどう対処するか!?』
『彼も通算打率が4割超えてますからねえ。
伊万里くん以外にもクリーンナップを全員張りうると言うのが改めて凄い打線です。』
「やべえよやべえよ」
「彩奈さん…」
「やっぱ男でフィジカル極められるとキツイよ、女と男の性差ってやつ?」
そんなファラリス側応援席の隅で、麦わら帽子姿の眼鏡少女がいた。
小川京子である。
「彩奈ちゃんが大丈夫と言った。
だったら大丈夫なんだ…」
祈りの様にそのフレーズを繰り返す。
そして、この回の初球!
158キロ!
明らかに初球から狙い撃つ辻元!
が。
『空振り!しかもど真ん中!
…ああー!ご覧ください回転数を!』
『な、なんともはや…』
スコアボードを振り返り、唖然とする成川。
「マジかよ…」
3150回転/分
当然これまでにも増して打者側には浮き上がる、手元で上昇するようにさえ見える球。
いや、ほとんど見えないと言ってよいレベルだった。
『辻元三球三振!』
『8番山尾キャッチャーフライ!』
『9番福島、高めボール…あーバットが回った回った!三振です!』
最速は161キロ。湧き上がるスタンド。
下位打線相手とは言え、初回の嫌な流れを完全に断ち切る快投!
「いいぞー!彩奈っ!」
「最初からそうしろや笑」
その様を見て…も、眉ひとつ動かさぬ帝王学園、伊万里。
少し早足で歩くだけで早々とマウンドについてしまう。
その巨体で、ファラリス打線に立ちはだかる。
「ちっ!」
ツーナッシングからのパワーカーブを辛うじてカットするも、4球目の高め160キロをファウルチップし捕られてしまう成川。
「うおら!来いや!」
全身の筋肉を隆起させ、伊万里にも負けぬのではないかとスイングスピードを見せる6番(に今日は入った)山倉。
「しゃあ!!」
ただし3回振って叩いたのは空気のみである。
『伊万里も負けじと打者2人を切って捨てる!』
『うーん、ファラリス学園ももう少し工夫が必要ですねえ。』
「一回戦とは違うぞ、脇を締めて上からコンパクトに、だ、内田!」
はいっ!と返事しつつ、バッターボックスに入る内田。
なんと初球から162キロをカットする。
(彩奈さんが加入した時点で…伊万里と当たる事をずっと考えて対策していたんだ。)
次は狙う。
「うっちーいけるぞー。」
そう呟いた彩奈の方を、ベンチの皆が振り返る。
いやいや、彩奈以外では1番体格に劣るあいつが?あのバケモノ相手に…確かにマグレホームランはちょいちょいあるけど。
ファラリス側ベンチの当惑をよそに振りかぶる伊万里。
155キロ!しかもこれは。
「知ってた。」
完全に狙いすましていた様に膝下ボールゾーンで伊万里のパワーカーブを捉える内田のバット。
打球は。
『あー中途半端なハーフライナー
これはセカンド取る…。
いや!?
落ちそうで落ちない、頭を超えた!
なんとライト前ヒット!』
「マジか!やるじゃねーかキャプテン!」
「これは主将内田だぜ!」
正直成川も明智も無言ながら驚きを隠せない。
本大会でのあいつの覚醒。それが一番のうちのチームのイベントかも知れない。
「よし世界の渡部だ!」
「その言い方やめろって。」
『さて8番の渡部に…。
初球ストレートを狙い撃ちー!
しかし残念無念観音像!
ファースト正面でしたー。』
『うーん、よく食らいつきましたがねえ』
また何事もなかったかのように淡々と、マウンドから引き揚げる伊万里。
そこに歩み寄る監督…ではなく部長兼ストレングスコーチの立花。
「羅堂、どうした。
すこし総見寺の立ち直りについ力んだか?」
「いや、問題ないです。」
低く押し殺した声。
伊万里羅堂の肩に手を置く立花。
「いいか。お前は私の最高傑作だ。
グラウンドに入ればお前は最強のベースボールマシーンだ。
誰も、メジャーリーガーでもお前に勝てる人間はいない。いいな?何も問題はない。」
「はい。何も問題はない。はい。」
異様な儀式のようだが、いつもの事として帝王ナインも鬼内監督も涼しげな顔である。
その間にも1番鳩山、2番菅野があっさりと連続三振。
3番サード原口…。
アウトロー160キロを空振りの後…。
キイン!
『あーっ!ボール球インハイを強引に叩く!
ボールは…左中間に!
しかし成川が追いつき2塁までは行けず!シングルヒットです!』
『やはりクリーンナップには通用しないんですかねえ。』
とにかく、ツーアウト1塁で、2打席目の帝王の牙、伊万里である!
「よし、よく回したー!」
「トドメの2ランいったれー!」
「伊万里さーん!」
(さあ、どうする、彩奈…)
明智らも見守るしかない。
ジャストミートされれば完全なホームランとなるだろう。
『さあ再び注目の対決にスタンドが湧きます!
その初球!インハイ162キロを空振り!』
どよめくスタンド。
回転数が3200回転に達したのである。
(おいおいどこまで…)
レフト成川も苦笑するしかない。
相変わらず表情を動かさない伊万里。
『2球目、真ん中高め!
高ーく上がった打球…ですが特大でも真後ろへのファウルです!』
『いやでも危なかったですよ。』
伊万里、一部の人間しか気づかぬ範囲で腰を、重心を微かに沈める。
そして3球目。
『再び162キロインハイをジャストミートォォー!!』
『ほら言わないことじゃない!』
打球はセンターに高々と。
第一打席と同じ様にホームラ…
!?
彩奈は平然と、打球を見ようともせずに、スタスタとベンチに引き上げていく。
まさか…
『ああー、風は微風追い風なのに打球急減速!
打球は後ひと伸び、1メートル、いや50センチ足りなかったあ!
センターのグラブに収まります!』
『たまたまの打ち損じでしょうが…』
(違う、計算尽くだ。)
明智は気づいていた。おそらくは内田も。
(球速回転数はほぼ同じ、だが、ボール半分ちょい、1球目より高かった…
とんでもないお嬢様だぜ。)
もう先に戻った彩奈は生田遥とハイタッチを交わしている。
沸き立つ観衆。
それとは別に、スタンドから鋭い視線を送っていた一団。
「イマリは期待通りのモンスターだ。それもスーパーがつく。」
「ああ、だがもう1人はそれ以上だ。
客寄せアイドルと思いきや…大天使か魔女か…」
「うちも最推しでマークする。
彼女は…アヤナはこれ以上日本にいてはいけない。
来春からでもメジャーリーグに革命を起こせる。」
1
あなたにおすすめの小説
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる