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強力な仲間
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夏芽がぺらりと手紙を開くと、フリー二ャの字で文が綴られていた。
それは、先ほどの邪帝との死闘の際に見つけ、形勢逆転のきっかけとなった一枚だった。
アキホは完全に体力を消耗しきっていたし、あそこでこの手紙と香円草のおかげでなんとか切り抜けてこれた。
さらに、その手紙には、しっかりと集合場所まで記されていた。
「雲母の秘境って書いてあるよ!集合場所」
夏芽はその手紙を二人に開いて見せた。
「行く場所はもう決まりだね。でも、どうやって向かえばいいの?」
「確かに「うんものひきょう」って名前は聞いたことあるけど、どこなのかは知らないんだよなあ。地図見ながら探索するしかないのかなあ」
夏芽とアキホが悩んでいると、ウイッテが大きく手を挙げて立ち上がり、ぴょんぴょんと小さく飛び跳ねた。
「私、秘境の場所知ってるよ。良かったらお姉ちゃんたちに道案内、してあげてもいいよ!」
その表情は、「私が仕方なく教えてあげる」というより、「私も連れて行って」ととらえることができた。
「本当!?ついて来てくれるのだったら大歓迎だよ。こんなに心強い味方はいないよ!」
そんなウイッテのことを夏芽は歓迎した。
しかし、それを聞いたアキホは少し心配そうな表情を浮かべた。
「私もそれは嬉しいし、仲間になってくれることはくれることはすごくありがたいんだけど、本当に大丈夫?これからどんなに恐ろしい戦いが待っているか分からない。もしかしたら、死んでしまうかもしれない。なのに、そんなにホイホイついて来ていいの?まだ幼くて未来がありそうなのに、こんな早くからでも本当にいいの?」
アキホはいつもとは違い冷静な態度で告げていく。
何年も戦士として戦ってきて、目の前で死んでいった仲間を偲んでの発言だったのだろう。
夏芽も「確かに」と納得したところもあったが、そんなことはどうでもいいと言わんばかりにウイッテ本人は張り切っていた。
「ふっふーん。お姉ちゃんたち二人とも、私を誰だと思っているんだ?最強の魔導士様だぞ!そう簡単に屈してたまるものか!しかも私には絶対に越えたい人がいるの。だから私はついて行くわ。たとえそこがどんなところであってもだあ」
「そうよ、ウイッテちゃんはなかなかの実力者よ」
アキホは、戦闘面でも不安があったのかもしれないが、夏芽は先程、自分よりも何倍も大きな巨人をあっさりと倒してしまったウイッテの姿を見ているため、能力面では困ることはなさそうだと確信していた。
二人の圧に押されたからか、はあと溜めていた息を吐き、ニカッと笑顔を作った。
「ふふっ、そこまで言うならお願いしようかな、案内。そんなに自信があるならきっと大丈夫よね。びしばし頑張ってもらうから。よーし、そうと決まれば早く食べてしまって出発だあ!」
「おおー!」
そうして、三人は拳を突き上げた。
それは、先ほどの邪帝との死闘の際に見つけ、形勢逆転のきっかけとなった一枚だった。
アキホは完全に体力を消耗しきっていたし、あそこでこの手紙と香円草のおかげでなんとか切り抜けてこれた。
さらに、その手紙には、しっかりと集合場所まで記されていた。
「雲母の秘境って書いてあるよ!集合場所」
夏芽はその手紙を二人に開いて見せた。
「行く場所はもう決まりだね。でも、どうやって向かえばいいの?」
「確かに「うんものひきょう」って名前は聞いたことあるけど、どこなのかは知らないんだよなあ。地図見ながら探索するしかないのかなあ」
夏芽とアキホが悩んでいると、ウイッテが大きく手を挙げて立ち上がり、ぴょんぴょんと小さく飛び跳ねた。
「私、秘境の場所知ってるよ。良かったらお姉ちゃんたちに道案内、してあげてもいいよ!」
その表情は、「私が仕方なく教えてあげる」というより、「私も連れて行って」ととらえることができた。
「本当!?ついて来てくれるのだったら大歓迎だよ。こんなに心強い味方はいないよ!」
そんなウイッテのことを夏芽は歓迎した。
しかし、それを聞いたアキホは少し心配そうな表情を浮かべた。
「私もそれは嬉しいし、仲間になってくれることはくれることはすごくありがたいんだけど、本当に大丈夫?これからどんなに恐ろしい戦いが待っているか分からない。もしかしたら、死んでしまうかもしれない。なのに、そんなにホイホイついて来ていいの?まだ幼くて未来がありそうなのに、こんな早くからでも本当にいいの?」
アキホはいつもとは違い冷静な態度で告げていく。
何年も戦士として戦ってきて、目の前で死んでいった仲間を偲んでの発言だったのだろう。
夏芽も「確かに」と納得したところもあったが、そんなことはどうでもいいと言わんばかりにウイッテ本人は張り切っていた。
「ふっふーん。お姉ちゃんたち二人とも、私を誰だと思っているんだ?最強の魔導士様だぞ!そう簡単に屈してたまるものか!しかも私には絶対に越えたい人がいるの。だから私はついて行くわ。たとえそこがどんなところであってもだあ」
「そうよ、ウイッテちゃんはなかなかの実力者よ」
アキホは、戦闘面でも不安があったのかもしれないが、夏芽は先程、自分よりも何倍も大きな巨人をあっさりと倒してしまったウイッテの姿を見ているため、能力面では困ることはなさそうだと確信していた。
二人の圧に押されたからか、はあと溜めていた息を吐き、ニカッと笑顔を作った。
「ふふっ、そこまで言うならお願いしようかな、案内。そんなに自信があるならきっと大丈夫よね。びしばし頑張ってもらうから。よーし、そうと決まれば早く食べてしまって出発だあ!」
「おおー!」
そうして、三人は拳を突き上げた。
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