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嘘の自分に真実を
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「…っ、嘘だろ………」
赤目が頭を抱える。
早くも28人まで減ってしまった事に驚きを隠せず、皆立ち尽くしたまま青ざめていった。そんな時。
「狐の灯火は消えないよ!」
可愛らしい声が空間に響いた。皆声の元を振り返ると
そこには白狐のように真っ白い髪を持ち、右目に炎が宿っている闇桜が現れた
「強制生還。味方のHP、攻撃力アップ、そして敵の攻撃力ダウン!!」
闇桜はそう叫ぶと坂木先生は
自分の体が重くなったように感じる。どう戦いをするか、
思考を巡らせている時、ふと
坂木先生は後ろに佇む存在感に気づいた。
どっ。
その時、坂木先生は腹に火のような疼痛が走るのを覚えた。坂木先生は自分の身体に何か突き刺さっているのを知った。
「…皐月!?」
絆が叫ぶ。坂木先生の身体を貫いたその剣の元には焦りと恐怖を混ぜ合わせたように立ち尽くす皐月が居た。
「…っ、は、ふ…はっ……」
心拍数が上がり、息も乱れている皐月は腰が抜け崩れ落ちた。初めて感じる人を刺した感覚、音、空気全てが頭にまとわりついて離れない。
「…ん?どうした?なんで座ってる?もっと抉るように刺せばいいだろ」
自分の身体に伝わる痛みに耐えながらも坂木先生は身体を貫いていた剣を抜き、皐月の足元に落とした。耳を刺すような音と共に地面に落ちた剣は真っ赤に染まっている。
「…い、いやだ、やだ」
駄々をこねるように首を振り
皐月は後ずさりをする。
坂木先生は訳が分からんというばかりに足を踏み出す。
「…嫌も何もさっき刺してきたのは何処の誰だ?その勇気はどこいったんだ?」
「…っ、でも、」
「確かお前は言ってたよな、誰も殺さず、誰も死なせない勇者になるって。でもな、
んなの無理なんだよ、お前もわかってはいるんだろ?」
「現に今、先生を殺さないとお前らは死ぬ。先生を殺さなくてもお前らは先生に殺される。」
「そして、今お前は先生を殺せるチャンスが目の前にある。先生は逃げない。今その剣でぶっさせば先生は死ぬ。
この戦いを終えることが出来るんだぞ?」
坂木先生は先程までの不適の笑みとは変わり、真剣な、まるで違う道へ踏み外しそうな生徒を更生させるかのような
口調で、皐月を見つめた。
”魔王”としての坂木先生では無く、”先生”としての坂木先生だった。
「…でも、…いや…だ、たとえ先生がいくら悪い人でも、俺は誰も殺さないって決めたんだ!!」
泣きそうになりながらも
もう誰も殺さないと泣いた過去に嘘をつかないように叫んだ。それは自分の命を落としてでも守り抜こうと決めた、生きる意味だった。
「…そういう所が皐月の弱い所だ。それだから人以上に辛い思いをするんだよ。」
坂木先生は諦めたように笑うと、足元に落ちている剣を取り、皐月目掛けて貫いた。
皐月は一瞬苦しげな表情を浮かべたが、すぐ様宙に消えた。
皐月は消滅した!
「これで、プラマイゼロだな」
坂木先生は笑った。
そして、残り28人となった。
赤目が頭を抱える。
早くも28人まで減ってしまった事に驚きを隠せず、皆立ち尽くしたまま青ざめていった。そんな時。
「狐の灯火は消えないよ!」
可愛らしい声が空間に響いた。皆声の元を振り返ると
そこには白狐のように真っ白い髪を持ち、右目に炎が宿っている闇桜が現れた
「強制生還。味方のHP、攻撃力アップ、そして敵の攻撃力ダウン!!」
闇桜はそう叫ぶと坂木先生は
自分の体が重くなったように感じる。どう戦いをするか、
思考を巡らせている時、ふと
坂木先生は後ろに佇む存在感に気づいた。
どっ。
その時、坂木先生は腹に火のような疼痛が走るのを覚えた。坂木先生は自分の身体に何か突き刺さっているのを知った。
「…皐月!?」
絆が叫ぶ。坂木先生の身体を貫いたその剣の元には焦りと恐怖を混ぜ合わせたように立ち尽くす皐月が居た。
「…っ、は、ふ…はっ……」
心拍数が上がり、息も乱れている皐月は腰が抜け崩れ落ちた。初めて感じる人を刺した感覚、音、空気全てが頭にまとわりついて離れない。
「…ん?どうした?なんで座ってる?もっと抉るように刺せばいいだろ」
自分の身体に伝わる痛みに耐えながらも坂木先生は身体を貫いていた剣を抜き、皐月の足元に落とした。耳を刺すような音と共に地面に落ちた剣は真っ赤に染まっている。
「…い、いやだ、やだ」
駄々をこねるように首を振り
皐月は後ずさりをする。
坂木先生は訳が分からんというばかりに足を踏み出す。
「…嫌も何もさっき刺してきたのは何処の誰だ?その勇気はどこいったんだ?」
「…っ、でも、」
「確かお前は言ってたよな、誰も殺さず、誰も死なせない勇者になるって。でもな、
んなの無理なんだよ、お前もわかってはいるんだろ?」
「現に今、先生を殺さないとお前らは死ぬ。先生を殺さなくてもお前らは先生に殺される。」
「そして、今お前は先生を殺せるチャンスが目の前にある。先生は逃げない。今その剣でぶっさせば先生は死ぬ。
この戦いを終えることが出来るんだぞ?」
坂木先生は先程までの不適の笑みとは変わり、真剣な、まるで違う道へ踏み外しそうな生徒を更生させるかのような
口調で、皐月を見つめた。
”魔王”としての坂木先生では無く、”先生”としての坂木先生だった。
「…でも、…いや…だ、たとえ先生がいくら悪い人でも、俺は誰も殺さないって決めたんだ!!」
泣きそうになりながらも
もう誰も殺さないと泣いた過去に嘘をつかないように叫んだ。それは自分の命を落としてでも守り抜こうと決めた、生きる意味だった。
「…そういう所が皐月の弱い所だ。それだから人以上に辛い思いをするんだよ。」
坂木先生は諦めたように笑うと、足元に落ちている剣を取り、皐月目掛けて貫いた。
皐月は一瞬苦しげな表情を浮かべたが、すぐ様宙に消えた。
皐月は消滅した!
「これで、プラマイゼロだな」
坂木先生は笑った。
そして、残り28人となった。
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