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勇者のママは環の婚礼を魔王様と≪婚礼編≫
十四ノ環・幻の世界、三界の神話。2
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草から流れ込んできた記憶の映像。
それは不思議なものでした。
大地が覚えている創世の時代。原始林の山々は濃い緑に覆われている。
「……今とは全然違いますね。歴史書に描かれていた創世時代の絵もこんな感じだったような」
不可思議な現象が怖くないといえば嘘になります。
でも今、草から手を放そうとは思いませんでした。
草は根を下ろした大地の記憶を吸い上げて、私に見せようとしている気がしたのです。
でも、今見せられている世界はどこでしょうか。
創世時代の人間界でしょうか。それにしては何かが違うような気がします。
ふと、一人の青年が歩いてきました。
その姿に驚きます。だって、ゼロスによく似ていたのです。
きっとゼロスが青年になったら、こんな姿になるのでしょうね。
まだ見ぬ未来のゼロスの姿に思わず笑みを浮かべてしまいました。
そうしている間にも映像が進んでいきます。創世時代から数万年後、それでも現代から一万年ほど前でしょうか。
ここまで年代が進めば、私でもここが人間界ではないことに気付きました。
大地や草花が記憶する世界の住人は、人間の姿形をしていますが耳は獣だったり、尻尾があったりするのです。まるで絵本の中のような幻想世界でした。
穏やかで明るい世界。こんな光に溢れる世界は他に一つもないでしょう。
刹那、ピカリッ。
空が眩い光を放ちました。光はこの幻想の世界を一瞬で包み込み、そして、そして……。
「……灰色の空」
見覚えのある空でした。
どこで見たかは覚えていません。でもこれは人間界の空ではありません。閉ざされた世界の空。
そして幻想の世界は様変わりしていきました。
植物は形を変え、世界の住人達は潰えて新たな怪物たちが出現する。
「……なんて、おぞましい」
豹変した世界の光景に震撼しました。
夢であってほしい。これは実在してはならないものです。
ふと、視界の片隅に青年がいました。
青年は縮こまるようにして丸くなっています。
その両手の中には幾重にも鎖で封じられている青い卵がありました。
「あなた、そこで何をしているのですか?」
問いかけても青年はぴくりとも反応しません。聞こえていないのでしょう。
ではこちらから意識を近づけてみました。
青年の顔を見て、息を飲む。先ほど見たゼロスに似た青年だったのです。
「……なぜ、独りでこんな暗い場所にいるのですか?」
返事はありません。
でも青年が持っている卵に胸が痛くなる。鎖で封じられた卵は、まるでこの暗い世界そのもののように思えたのです。
「あなた、……罰を受けているのですか? いつ終わるのですか?」
問いかけました。
また返事はないかと思いましたが、背後から返答される。
「――――永遠、でございます。ブレイラ様」
「あなたは……」
振り向くと、奇妙なほど白い肌の妖艶な女性が立っていました。
不思議な花の香りを纏った女性です。
女性は私の前に跪き、切々と願いを口にする。
「どうか憐れんでください。王を哀れに思い、同情し、王に寄り添ってください。永遠に」
永遠、その言葉が耳に届いた瞬間、意識が急速に戻っていく。
はっとして顔をあげる。
「……戻ったんですね……」
手元にはあの珍しい草。どうやら記憶の映像が終わったようでした。
触れていた草から手を放し、大地に手の平で触れてみる。草は大地の記憶を吸い上げて、私に見せてくれていたのです。
「……ここは人間界……ではないのですか?」
誰に問うでもなく口にしました。
口にすると不思議と確信になっていきます。
ここが人間界でないなら、私は今どこの世界の大地に立っているのでしょうか。
私はゆっくり立ち上がり、家へと向かって歩きました。
何も考えられませんでした。考えても、考えても分からない。でも、先ほど見せられた光景が私に違和感を突き付けるのです。
家の戸を静かに開けました。
家の中を見回す。
ベッドにはすやすやと眠るゼロス。土間には洗ったばかりの鍋や皿、そして食糧庫には新鮮な果物や野菜などが入っている。
おかしいですよね。
私、この家で新鮮なリンゴなんて食べたことありませんよ?
リンゴはいつも萎びていて、スープは薄くてぺちゃぺちゃでした。
私は部屋の中から、次にベッドのゼロスで視線を止める。
ゼロスの寝顔を見つめたまま、その枕元に静かに近づきました。
あどけない子どもの可愛い寝顔です。
私には子どもがいます。ずっと側にいると、ずっと一緒にいますと約束した子どもです。
でも、それは……あなたではないのですね、ゼロス。
視界が滲み、唇を噛みしめました。
どうしてでしょうか、涙が止まりません。
私のなかで、何か大切なものがぽっかり抜け落ちているのです。その何かが思い出せない。
でも。
「ゼロス……」
その名を小さく呟き、そっと手を伸ばす。
いい子いい子と頭を撫でて、その額に口付けました。
ゼロスはたぶん、きっと、私の子どもではないのでしょう。
どうしてゼロスを子どもだと思い込んでいたのか分かりません。きっと私の子どもは別にいます。
でもそれが分かっても、私はゼロスの枕元から離れませんでした。
抜け落ちた記憶に胸がじくりじくりと痛むのに、このあどけない子どもから離れてはいけない気がしたのです。
この世界はおかしい。
世界の記憶を見た夜から、その思いは日増しに強くなりました。
ここは人間界の形をした、人間界ではない世界なのでしょう。
貧しい山奥の生活だというのに不便を感じたことはありません。街へ降りると、どの身分の人々もとても穏やかに生活しています。不自然なほどの幸福があるのです。
まるで知っているのに知らない世界のようでした。
この奇妙な世界で出会った二頭の狼。しかし、あの日から二頭の狼の姿を目にすることはありません。
そして空を見上げ、太陽の眩しい陽射しに目を細める。
不思議ですね。空は日を追うごとに狭くなっているような気がします。このまま私は閉じ込められてしまうのではないかと思ってしまうくらいに。
「ブレイラ! かわ、いこう!」
ふと、ゼロスが声を掛けてきました。
洗濯を干しながら頷きます。今日は朝から洗濯日和で、川で水浴びをするのもきっと気持ちいいでしょう。
「いいですよ。水浴びしましょうか」
「うん!」
さっそく準備をし、山の小道を歩いて小川へ行きます。
ここはあの二頭の狼に水を飲ませた場所でした。
小川に着くとゼロスはさっそく服を脱いで小川に入っていきます。
私は脱いだままのゼロスの服をたたみながら、ジャブジャブと水飛沫を飛ばす元気な姿に思わず笑みを浮かべました。
「ブレイラ、こっちー!」
「え、私もですか?」
「はやくきて!」
「仕方ないですね」
せっかくなので私も水浴びをすることにしましょう。
衣服を脱いで全裸になると薄手の布を軽く巻きました。
この小川は腰の深さまでしかない緩やかな川で、水浴びをするには丁度いい場所です。
ゆっくりと川に入り、腰のあたりまで浸かります。ここより浅瀬にいるゼロスもはしゃいで泳いでいました。
「ゼロス、来なさい。体を洗ってあげます」
「うん!」
バシャバシャと泳いできたゼロスを抱っこし、肩まで一緒に水に浸かりました。
暖かな日差しの下、ひんやりした清い水が気持ち良いです。
「ブレイラ」
ぎゅっと抱き着いてきたゼロスを抱き締め返し、その顔を覗き込む。
すると照れ臭そうにゼロスがはにかみました。
私も微笑を返して、じっと見つめる。
私の子どもではない子どもです。
この世界も、きっと私の世界ではありませんね。
私は何も分かりません。今の私にある真実は、この腕の中の子どもだけ。
複雑でした。この不思議なことを厳しく問い詰めるべきと分かっているのに、それが出来ないでいるのです。
――――ドオオォン!!
ふと、遠くで爆発音が聞こえました。
爆発音の方向から山鳥たちが飛び立っていきます。
それは不思議なものでした。
大地が覚えている創世の時代。原始林の山々は濃い緑に覆われている。
「……今とは全然違いますね。歴史書に描かれていた創世時代の絵もこんな感じだったような」
不可思議な現象が怖くないといえば嘘になります。
でも今、草から手を放そうとは思いませんでした。
草は根を下ろした大地の記憶を吸い上げて、私に見せようとしている気がしたのです。
でも、今見せられている世界はどこでしょうか。
創世時代の人間界でしょうか。それにしては何かが違うような気がします。
ふと、一人の青年が歩いてきました。
その姿に驚きます。だって、ゼロスによく似ていたのです。
きっとゼロスが青年になったら、こんな姿になるのでしょうね。
まだ見ぬ未来のゼロスの姿に思わず笑みを浮かべてしまいました。
そうしている間にも映像が進んでいきます。創世時代から数万年後、それでも現代から一万年ほど前でしょうか。
ここまで年代が進めば、私でもここが人間界ではないことに気付きました。
大地や草花が記憶する世界の住人は、人間の姿形をしていますが耳は獣だったり、尻尾があったりするのです。まるで絵本の中のような幻想世界でした。
穏やかで明るい世界。こんな光に溢れる世界は他に一つもないでしょう。
刹那、ピカリッ。
空が眩い光を放ちました。光はこの幻想の世界を一瞬で包み込み、そして、そして……。
「……灰色の空」
見覚えのある空でした。
どこで見たかは覚えていません。でもこれは人間界の空ではありません。閉ざされた世界の空。
そして幻想の世界は様変わりしていきました。
植物は形を変え、世界の住人達は潰えて新たな怪物たちが出現する。
「……なんて、おぞましい」
豹変した世界の光景に震撼しました。
夢であってほしい。これは実在してはならないものです。
ふと、視界の片隅に青年がいました。
青年は縮こまるようにして丸くなっています。
その両手の中には幾重にも鎖で封じられている青い卵がありました。
「あなた、そこで何をしているのですか?」
問いかけても青年はぴくりとも反応しません。聞こえていないのでしょう。
ではこちらから意識を近づけてみました。
青年の顔を見て、息を飲む。先ほど見たゼロスに似た青年だったのです。
「……なぜ、独りでこんな暗い場所にいるのですか?」
返事はありません。
でも青年が持っている卵に胸が痛くなる。鎖で封じられた卵は、まるでこの暗い世界そのもののように思えたのです。
「あなた、……罰を受けているのですか? いつ終わるのですか?」
問いかけました。
また返事はないかと思いましたが、背後から返答される。
「――――永遠、でございます。ブレイラ様」
「あなたは……」
振り向くと、奇妙なほど白い肌の妖艶な女性が立っていました。
不思議な花の香りを纏った女性です。
女性は私の前に跪き、切々と願いを口にする。
「どうか憐れんでください。王を哀れに思い、同情し、王に寄り添ってください。永遠に」
永遠、その言葉が耳に届いた瞬間、意識が急速に戻っていく。
はっとして顔をあげる。
「……戻ったんですね……」
手元にはあの珍しい草。どうやら記憶の映像が終わったようでした。
触れていた草から手を放し、大地に手の平で触れてみる。草は大地の記憶を吸い上げて、私に見せてくれていたのです。
「……ここは人間界……ではないのですか?」
誰に問うでもなく口にしました。
口にすると不思議と確信になっていきます。
ここが人間界でないなら、私は今どこの世界の大地に立っているのでしょうか。
私はゆっくり立ち上がり、家へと向かって歩きました。
何も考えられませんでした。考えても、考えても分からない。でも、先ほど見せられた光景が私に違和感を突き付けるのです。
家の戸を静かに開けました。
家の中を見回す。
ベッドにはすやすやと眠るゼロス。土間には洗ったばかりの鍋や皿、そして食糧庫には新鮮な果物や野菜などが入っている。
おかしいですよね。
私、この家で新鮮なリンゴなんて食べたことありませんよ?
リンゴはいつも萎びていて、スープは薄くてぺちゃぺちゃでした。
私は部屋の中から、次にベッドのゼロスで視線を止める。
ゼロスの寝顔を見つめたまま、その枕元に静かに近づきました。
あどけない子どもの可愛い寝顔です。
私には子どもがいます。ずっと側にいると、ずっと一緒にいますと約束した子どもです。
でも、それは……あなたではないのですね、ゼロス。
視界が滲み、唇を噛みしめました。
どうしてでしょうか、涙が止まりません。
私のなかで、何か大切なものがぽっかり抜け落ちているのです。その何かが思い出せない。
でも。
「ゼロス……」
その名を小さく呟き、そっと手を伸ばす。
いい子いい子と頭を撫でて、その額に口付けました。
ゼロスはたぶん、きっと、私の子どもではないのでしょう。
どうしてゼロスを子どもだと思い込んでいたのか分かりません。きっと私の子どもは別にいます。
でもそれが分かっても、私はゼロスの枕元から離れませんでした。
抜け落ちた記憶に胸がじくりじくりと痛むのに、このあどけない子どもから離れてはいけない気がしたのです。
この世界はおかしい。
世界の記憶を見た夜から、その思いは日増しに強くなりました。
ここは人間界の形をした、人間界ではない世界なのでしょう。
貧しい山奥の生活だというのに不便を感じたことはありません。街へ降りると、どの身分の人々もとても穏やかに生活しています。不自然なほどの幸福があるのです。
まるで知っているのに知らない世界のようでした。
この奇妙な世界で出会った二頭の狼。しかし、あの日から二頭の狼の姿を目にすることはありません。
そして空を見上げ、太陽の眩しい陽射しに目を細める。
不思議ですね。空は日を追うごとに狭くなっているような気がします。このまま私は閉じ込められてしまうのではないかと思ってしまうくらいに。
「ブレイラ! かわ、いこう!」
ふと、ゼロスが声を掛けてきました。
洗濯を干しながら頷きます。今日は朝から洗濯日和で、川で水浴びをするのもきっと気持ちいいでしょう。
「いいですよ。水浴びしましょうか」
「うん!」
さっそく準備をし、山の小道を歩いて小川へ行きます。
ここはあの二頭の狼に水を飲ませた場所でした。
小川に着くとゼロスはさっそく服を脱いで小川に入っていきます。
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「ブレイラ、こっちー!」
「え、私もですか?」
「はやくきて!」
「仕方ないですね」
せっかくなので私も水浴びをすることにしましょう。
衣服を脱いで全裸になると薄手の布を軽く巻きました。
この小川は腰の深さまでしかない緩やかな川で、水浴びをするには丁度いい場所です。
ゆっくりと川に入り、腰のあたりまで浸かります。ここより浅瀬にいるゼロスもはしゃいで泳いでいました。
「ゼロス、来なさい。体を洗ってあげます」
「うん!」
バシャバシャと泳いできたゼロスを抱っこし、肩まで一緒に水に浸かりました。
暖かな日差しの下、ひんやりした清い水が気持ち良いです。
「ブレイラ」
ぎゅっと抱き着いてきたゼロスを抱き締め返し、その顔を覗き込む。
すると照れ臭そうにゼロスがはにかみました。
私も微笑を返して、じっと見つめる。
私の子どもではない子どもです。
この世界も、きっと私の世界ではありませんね。
私は何も分かりません。今の私にある真実は、この腕の中の子どもだけ。
複雑でした。この不思議なことを厳しく問い詰めるべきと分かっているのに、それが出来ないでいるのです。
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