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理玖と太
ヒロト
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日曜、理玖はヒロトとの約束の時間を忘れたわけではなかった。
その逆でひそかに楽しみにしていた。
が、ヒロトが着たその時間には、まだベッドの中にいた。
時間なんて一度も守った事がないルーズな男だから「九時ごろ起きればいいか…」
くらいに考えていた。
なのに、この日に限っては八時半には店に来て、四十分に理玖の部屋に来た。
「理玖、起きて。九時には行かないと間に合わないよ。」
「ヒロト・・・」
「九時に行くって言ったのに。」
「ごめん・・・いつも遅いから・・・」
「今日は、太の大切なデビュー戦なんだから、最初から見ていてあげたいんだ。」
「そうなんだ。」
理玖は顔を洗いに行ったついでに、思いきり水をかぶり頭を冷やした。
自分と約束した時はいつも一、二時間はあたり前に遅れてくるのに、
太の時はちゃんと時間を守るのか…と考えている頭を冷やして、それをうち消そうとしていた。
「理玖、洋服選んでおいたよ。」
ヒロトは理玖のクローゼットから、特別目立つライトブルーのシャツとホワイトデニムのパンツを選んだ。
祖母が買ってきた物だったが、理玖は派手すぎて一度も着ることができずにタンスの奥にしまっておいたものだった。
「イヤ・・・ヒロト・・・コレは・・・」
「かわいい色だよ。きっと理玖に似合うよ。」
「そうかな・・・派手じゃないかなぁ・・・」
「大丈夫だよ。」
なぜこんな色を・・・
祖母が買ってきた時もそう思ったけど、今も全く同じことを考えた。
けど、ヒロトは全く平気な様子で、シャツを広げ理玖の体に当てた。
「理玖は色が白いからよく似合うよこの色。」
理玖は全く気がのらなかったが、それを着て出かけた。
電車の中でも自分がとくに目立っているような気がして落ち着かず、知り合いが同じ車両にいないことを祈った。
「理玖、大丈夫だよ。とって似合っているから。」
サッカー場につくと、ヒロトはそう言って理玖の手を引いて席に向かった。
ヒロトに手を握られるのは保育園ぶり、太は今でもよくヒロトと手を繋いで歩いているが、理玖は恥ずかしくてたまらなかった。
かといって、手を振り払うなんて到底できずにヒロトにひかれるままに歩いて行った。
席は同じ学校の生徒が並んで席を埋めているスタンドの向かい側の中央。
スタンド中のすべての目が一斉にこの派手なシャツに向いた気がした。
「理玖、どうしたの。らしくない。」
「やっぱり、俺にはこの色は派手じゃないかな。」
「まだ気にしているの?大丈夫だって。似合ってるよ。相変わらずだね。やっぱり小さい時と何もかわってない。」
「え?」
「理玖は、大胆な割に自分の身の周りの細かいこととても気にするんだ。
とくに自分がどう見られているかが気になって仕方ない。」
「そうかなあ・・・」
「太も全く同じ。でも太は、着る物はあんまり。ジャージしか持っていないし。」
「太ともよく出かけるのか?」
「ううん。
太はいつもサッカーで忙しい。
サッカーのない時でも、よその部から助っ人に呼ばれたりして。」
「忙しいんだな。」
「太は誰にでもいい顔し過ぎだよ。だからいっつも疲れていて・・・
この間もね、寮を抜け出して、僕のところに来てハンドマッサージして欲しいって。
でも、五分もしないうちに眠っちゃって。」
「泊まっていったのか?」
「うん。すごく気持ち良さそうに眠っていたから、起こすのもかわいそうかなぁって。けど、朝4時には起きて走って帰って行ったよ。」
ヒロトは時に笑いながら、時に真剣な目をしながら話した。
理玖はヒロトの顔をこんな間近で長い時間見つめたのは久しぶりで、話しの内容よりもヒロトの大人になった顔が・・・美しく整い成長した顔が気になっていた。
ゆっくり瞬きしたあと見開いた、大きな瞳の奥に映る自分の顔がまるでヒロトの中に囚われているような錯覚を覚えた。
「ハンドマッサージ。」
「理玖もやってあげようか。僕、上手なんだよ。」
ヒロトの両手が理玖の手を握り、手のヒラを細い指先で押されると少しの痛みの後のフッと全身の力が抜けて行くようなはじめて感じる変な気持ち良さだった。
「気持ちいいでしょ。
太はね、中学の頃から夜になると、やって欲しいってくるんだよ。ほぼ毎日。」
「へー好きなんだ。」
「みたいだね、理玖も近くにいたらやってあげられるのにね。ねえ、帰っておいでよ。もとの家に。またご近所さんになろうよ。」
「そうしたいけど、太が・・・もう正直喧嘩したくないんだ。けど、太の顔を見ているとどうしてもイヤ事を思い出して殴りたくなっちゃうんだ。」
「でも、太は寮だから大丈夫じゃない?会うこともないよ。」
「あれ。二年になったら自宅から通うんじないのか?」
「太は帰らないって、寮の方が学校も近くて、朝練もみんなより早く出来るし、器具も整っているし栄養管理もバッチリって言ってた。
仲間も多いから、太は帰ってくるより寮の方が楽しいんだよ、きっと。」
「考えてみるよ。」
ヒロトが一瞬だけ見せたとても寂しそうな顔が理玖の心に突き刺さった。
子どもの頃から喧嘩をしながらでもずっと一緒だったのに、今は三人バラバラで、きっととても寂しい思いをしているんだ、現に自分自身もたまらなく寂しい日があるし、太もいないなら帰るのもいいかなというより、戻るほうに気持ちはほぼ固まっていた。
「ねえ、理玖は何を買うの。」
「え?」
「買い物行こうって。」
「あ、カバンが欲しくて。」
「どんなの買うか決めているの?」
「イヤ全く。」
「じゃあ、お揃いにしない?僕もカバン買いたくて。コレなんだ・・・」
ヒロトは携帯でそのバッグが乗ったサイトを見せた。
理玖に少し寄り添い気味で二人で一つの携帯覗き込む。
普通で考えたら、そんなことは、よくある事かもしれないが、その姿はグラウンドの太には不愉快そのもので、二人が何かを話し、ときおり見つめ合って笑っている姿は、明らかに自分を応援しに来たわけではないことがわかった。
ヒロトにはたしかに応援に来て欲しいと言ったがまさか理玖まで来るとは思ってもみなかった。
しかも、思い切り目立つシャツでスタンドのど真ん中に二人だけ。
いやでも目についた。
見ないでおこうとしても、頭の中で、何を話しているのだろうと考えると無性に気になって、ゲームに全く集中できず、ミスを連発していた。
鳴り物入りで、入学して来たわりに、この大切なデビュー戦で全く活躍できず、監督やチームメイトの信頼関係にも不調和が生じていた。
このたった1試合で、自分の努力のすべてを失いかねない、そんな状況なのに、理玖とヒロトが気になって自分のペースが全く戻せず、戻そうと努力はするものの、全くその実は結ばず、太は窮地に立たされていた。
グラウンドに集中しようともがき、苦しみ、努力した末にベンチに下げられた。
そして、太がベンチに座った時、二人の姿はスタンドから消えていた。
その逆でひそかに楽しみにしていた。
が、ヒロトが着たその時間には、まだベッドの中にいた。
時間なんて一度も守った事がないルーズな男だから「九時ごろ起きればいいか…」
くらいに考えていた。
なのに、この日に限っては八時半には店に来て、四十分に理玖の部屋に来た。
「理玖、起きて。九時には行かないと間に合わないよ。」
「ヒロト・・・」
「九時に行くって言ったのに。」
「ごめん・・・いつも遅いから・・・」
「今日は、太の大切なデビュー戦なんだから、最初から見ていてあげたいんだ。」
「そうなんだ。」
理玖は顔を洗いに行ったついでに、思いきり水をかぶり頭を冷やした。
自分と約束した時はいつも一、二時間はあたり前に遅れてくるのに、
太の時はちゃんと時間を守るのか…と考えている頭を冷やして、それをうち消そうとしていた。
「理玖、洋服選んでおいたよ。」
ヒロトは理玖のクローゼットから、特別目立つライトブルーのシャツとホワイトデニムのパンツを選んだ。
祖母が買ってきた物だったが、理玖は派手すぎて一度も着ることができずにタンスの奥にしまっておいたものだった。
「イヤ・・・ヒロト・・・コレは・・・」
「かわいい色だよ。きっと理玖に似合うよ。」
「そうかな・・・派手じゃないかなぁ・・・」
「大丈夫だよ。」
なぜこんな色を・・・
祖母が買ってきた時もそう思ったけど、今も全く同じことを考えた。
けど、ヒロトは全く平気な様子で、シャツを広げ理玖の体に当てた。
「理玖は色が白いからよく似合うよこの色。」
理玖は全く気がのらなかったが、それを着て出かけた。
電車の中でも自分がとくに目立っているような気がして落ち着かず、知り合いが同じ車両にいないことを祈った。
「理玖、大丈夫だよ。とって似合っているから。」
サッカー場につくと、ヒロトはそう言って理玖の手を引いて席に向かった。
ヒロトに手を握られるのは保育園ぶり、太は今でもよくヒロトと手を繋いで歩いているが、理玖は恥ずかしくてたまらなかった。
かといって、手を振り払うなんて到底できずにヒロトにひかれるままに歩いて行った。
席は同じ学校の生徒が並んで席を埋めているスタンドの向かい側の中央。
スタンド中のすべての目が一斉にこの派手なシャツに向いた気がした。
「理玖、どうしたの。らしくない。」
「やっぱり、俺にはこの色は派手じゃないかな。」
「まだ気にしているの?大丈夫だって。似合ってるよ。相変わらずだね。やっぱり小さい時と何もかわってない。」
「え?」
「理玖は、大胆な割に自分の身の周りの細かいこととても気にするんだ。
とくに自分がどう見られているかが気になって仕方ない。」
「そうかなあ・・・」
「太も全く同じ。でも太は、着る物はあんまり。ジャージしか持っていないし。」
「太ともよく出かけるのか?」
「ううん。
太はいつもサッカーで忙しい。
サッカーのない時でも、よその部から助っ人に呼ばれたりして。」
「忙しいんだな。」
「太は誰にでもいい顔し過ぎだよ。だからいっつも疲れていて・・・
この間もね、寮を抜け出して、僕のところに来てハンドマッサージして欲しいって。
でも、五分もしないうちに眠っちゃって。」
「泊まっていったのか?」
「うん。すごく気持ち良さそうに眠っていたから、起こすのもかわいそうかなぁって。けど、朝4時には起きて走って帰って行ったよ。」
ヒロトは時に笑いながら、時に真剣な目をしながら話した。
理玖はヒロトの顔をこんな間近で長い時間見つめたのは久しぶりで、話しの内容よりもヒロトの大人になった顔が・・・美しく整い成長した顔が気になっていた。
ゆっくり瞬きしたあと見開いた、大きな瞳の奥に映る自分の顔がまるでヒロトの中に囚われているような錯覚を覚えた。
「ハンドマッサージ。」
「理玖もやってあげようか。僕、上手なんだよ。」
ヒロトの両手が理玖の手を握り、手のヒラを細い指先で押されると少しの痛みの後のフッと全身の力が抜けて行くようなはじめて感じる変な気持ち良さだった。
「気持ちいいでしょ。
太はね、中学の頃から夜になると、やって欲しいってくるんだよ。ほぼ毎日。」
「へー好きなんだ。」
「みたいだね、理玖も近くにいたらやってあげられるのにね。ねえ、帰っておいでよ。もとの家に。またご近所さんになろうよ。」
「そうしたいけど、太が・・・もう正直喧嘩したくないんだ。けど、太の顔を見ているとどうしてもイヤ事を思い出して殴りたくなっちゃうんだ。」
「でも、太は寮だから大丈夫じゃない?会うこともないよ。」
「あれ。二年になったら自宅から通うんじないのか?」
「太は帰らないって、寮の方が学校も近くて、朝練もみんなより早く出来るし、器具も整っているし栄養管理もバッチリって言ってた。
仲間も多いから、太は帰ってくるより寮の方が楽しいんだよ、きっと。」
「考えてみるよ。」
ヒロトが一瞬だけ見せたとても寂しそうな顔が理玖の心に突き刺さった。
子どもの頃から喧嘩をしながらでもずっと一緒だったのに、今は三人バラバラで、きっととても寂しい思いをしているんだ、現に自分自身もたまらなく寂しい日があるし、太もいないなら帰るのもいいかなというより、戻るほうに気持ちはほぼ固まっていた。
「ねえ、理玖は何を買うの。」
「え?」
「買い物行こうって。」
「あ、カバンが欲しくて。」
「どんなの買うか決めているの?」
「イヤ全く。」
「じゃあ、お揃いにしない?僕もカバン買いたくて。コレなんだ・・・」
ヒロトは携帯でそのバッグが乗ったサイトを見せた。
理玖に少し寄り添い気味で二人で一つの携帯覗き込む。
普通で考えたら、そんなことは、よくある事かもしれないが、その姿はグラウンドの太には不愉快そのもので、二人が何かを話し、ときおり見つめ合って笑っている姿は、明らかに自分を応援しに来たわけではないことがわかった。
ヒロトにはたしかに応援に来て欲しいと言ったがまさか理玖まで来るとは思ってもみなかった。
しかも、思い切り目立つシャツでスタンドのど真ん中に二人だけ。
いやでも目についた。
見ないでおこうとしても、頭の中で、何を話しているのだろうと考えると無性に気になって、ゲームに全く集中できず、ミスを連発していた。
鳴り物入りで、入学して来たわりに、この大切なデビュー戦で全く活躍できず、監督やチームメイトの信頼関係にも不調和が生じていた。
このたった1試合で、自分の努力のすべてを失いかねない、そんな状況なのに、理玖とヒロトが気になって自分のペースが全く戻せず、戻そうと努力はするものの、全くその実は結ばず、太は窮地に立たされていた。
グラウンドに集中しようともがき、苦しみ、努力した末にベンチに下げられた。
そして、太がベンチに座った時、二人の姿はスタンドから消えていた。
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