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第一章 ダンジョン脱出編
2、悪役令嬢、生まれてはじめて自分のステータスをみる。
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目覚めると、そこは闇の中だった。
当然かもしれない。
だって、ここは“ダンジョン”なのだから。
しかも、滅多に人が到達しえない地下100層。
夢であってほしかった。
体がまた震えはじめる。
闇が恐ろしいのだ。
それはまるで目隠しされたまま獰猛で狡猾な動物のいるジャングルの中を一人這いずり回るようなものだった。
灯り! 灯りが必要だわ!!
「ええっと……松明、松明……」
キャロラインは手探りで地面に落ちた松明を拾い上げる。
そういえば、どこかにマッチがあったような気がする。
キャロラインは自分の体の隅々まで手で確かめるように触る。すると、厚手の上着の内ポケットの中にそれはあった。
「あった! これだわ!」
火をつける作業だけは何回かやったことがあるのだ。
あまりにも暗闇が怖すぎて、自分で火をつけられるようになりたくてマッチの使い方だけは覚えたのだ。
だが、手が震え、なかなかうまくつけられない。
大丈夫よキャロライン。あなたは天才なのよ。落ち着くの。
分かっている。
いつこの暗闇の中からモンスターが襲い掛かってくるか分からないのを知っているから、こんなにも震えているのだ。
何度も失敗し、マッチ棒をこする、シャ、という情けない音だけが暗闇に響く。
シャ、シャ、シャ。
早く! と願ったその直後にマッチに火がついた。
キャロラインはその火をすぐさまその火を松明に近づける。
すると、ゴウッ! と音と伴に松明から火が立ち昇り、周囲が赤く照らされた。
大きなため息が口から漏れた。
火をつける……、たったこれだけのことがなんて難しいのかしら……
でも、早く地上を目指さないと、と思った。
体力があるうちに地上へ戻らなければ……
そういえば、バロムは一体どっちに行ったのかしら?
キャロラインの前には道があり、後ろにも道があった。
どちらが地上につながる道なのかキャロラインには分からない。
立て看板でもあって、こちらに行けば地上につながっているよ、とでも書いてあればよいのだが……、そんな親切なものこのダンジョンには存在しない。
絶望的な気分になった。
どちらが地上に通じる道かなんて分からない。もし分かったとしても、幾千といるモンスターと戦わなければならない。
戦いなんて、そんな野蛮なことしたことがない。
最後に取っ組み合いの喧嘩をしたのは9歳のころだ。従妹のメイジーの頬をかきむしって、髪を引っ張り合った。あれが最後の喧嘩だ。
それに武器といっても、キャロラインにあるのはドンスターの紋章が刻まれた短刀があるだけだった。
「無理よ。無理だわ。どう考えても無理じゃない!」
そう、無理だった。絶望的。最初のモンスターに遭遇した時点で終了。
普通に考えればそう。
だが、ここでキャロラインは逆転の発想をした。
「でも待って、わたくしにはすごい才能があるかもしれないじゃない」
ステータス。人はそれを見られるように出来ている。
実はキャロラインは自身のステータスを見たことがなかったのだ。
見たことがない以上、すごいステータスかもしれなかった。
もちろんキャロラインが自身のステータスを今までみたことがない、というのにも理由がある。
望みはすべてお父様がかなえてくれたからだ。
大きなぬいぐるみがほしい、といえばぬいぐるみを手に入れることができたし、叫び声をあげれば、おつきのものが飛んできて、すぐさま願いをかなえてくれた。
だから、自分のステータスなど問題ではなかった。
だが、今は問題だった。
むしろステータスこそがすべてだった。
ここで自分に何かしらの才能を見つけなければ、死以外の選択はないのだ。
「ステータス!」とキャロラインは叫んだ。
すると、煌びやかな青い光の板が目の前に現れる。
そこに古の文字でこう書かれていた。
――――――――――――――――
キャロライン=ドンスター。
職業、特になし。
レベル 1
HP 5
MP 5
ちから 1
すばやさ 1
たいりょく 1
かしこさ 22
運 56893
スキル 交渉術
――――――――――――――――
「なにかしら……これ……」
まず、この数字が何を意味するのかよく分からなかった。
1、というのは一番すごいって意味かしら? それなら私は何個も1があるわね。これはとてもよい、という意味かしら?
それともこれは10段階で評価されているのかしら、1が一番低くて10が一番高い……、といったような……
でも、それなら、かしこさと運の数字の説明がつかなくなる。
かしこさが22……、そして運が……五万? 五万!??
なにこれ……、そしてこのスキルなんなの?
「交渉術?」
よく分からない。なんなのこれは? 交渉ならさっき失敗したばかりだというのに。
だが、少なくとも分かったことが一つある。
ステータスの中では運の数字が五万ほどあるのだけど、それが「高い」ということを意味しないことだけは分かる。
何故なら、運が高かったのならまずこんな場所に置き去りにされるわけがないし、それになにより“あの人”から婚約破棄されることもなかった。
キャロラインの記憶は過去に飛ぶ。
一年前に。
それは金髪の王子ジークフリードと恋に落ちた時の記憶だった。
当然かもしれない。
だって、ここは“ダンジョン”なのだから。
しかも、滅多に人が到達しえない地下100層。
夢であってほしかった。
体がまた震えはじめる。
闇が恐ろしいのだ。
それはまるで目隠しされたまま獰猛で狡猾な動物のいるジャングルの中を一人這いずり回るようなものだった。
灯り! 灯りが必要だわ!!
「ええっと……松明、松明……」
キャロラインは手探りで地面に落ちた松明を拾い上げる。
そういえば、どこかにマッチがあったような気がする。
キャロラインは自分の体の隅々まで手で確かめるように触る。すると、厚手の上着の内ポケットの中にそれはあった。
「あった! これだわ!」
火をつける作業だけは何回かやったことがあるのだ。
あまりにも暗闇が怖すぎて、自分で火をつけられるようになりたくてマッチの使い方だけは覚えたのだ。
だが、手が震え、なかなかうまくつけられない。
大丈夫よキャロライン。あなたは天才なのよ。落ち着くの。
分かっている。
いつこの暗闇の中からモンスターが襲い掛かってくるか分からないのを知っているから、こんなにも震えているのだ。
何度も失敗し、マッチ棒をこする、シャ、という情けない音だけが暗闇に響く。
シャ、シャ、シャ。
早く! と願ったその直後にマッチに火がついた。
キャロラインはその火をすぐさまその火を松明に近づける。
すると、ゴウッ! と音と伴に松明から火が立ち昇り、周囲が赤く照らされた。
大きなため息が口から漏れた。
火をつける……、たったこれだけのことがなんて難しいのかしら……
でも、早く地上を目指さないと、と思った。
体力があるうちに地上へ戻らなければ……
そういえば、バロムは一体どっちに行ったのかしら?
キャロラインの前には道があり、後ろにも道があった。
どちらが地上につながる道なのかキャロラインには分からない。
立て看板でもあって、こちらに行けば地上につながっているよ、とでも書いてあればよいのだが……、そんな親切なものこのダンジョンには存在しない。
絶望的な気分になった。
どちらが地上に通じる道かなんて分からない。もし分かったとしても、幾千といるモンスターと戦わなければならない。
戦いなんて、そんな野蛮なことしたことがない。
最後に取っ組み合いの喧嘩をしたのは9歳のころだ。従妹のメイジーの頬をかきむしって、髪を引っ張り合った。あれが最後の喧嘩だ。
それに武器といっても、キャロラインにあるのはドンスターの紋章が刻まれた短刀があるだけだった。
「無理よ。無理だわ。どう考えても無理じゃない!」
そう、無理だった。絶望的。最初のモンスターに遭遇した時点で終了。
普通に考えればそう。
だが、ここでキャロラインは逆転の発想をした。
「でも待って、わたくしにはすごい才能があるかもしれないじゃない」
ステータス。人はそれを見られるように出来ている。
実はキャロラインは自身のステータスを見たことがなかったのだ。
見たことがない以上、すごいステータスかもしれなかった。
もちろんキャロラインが自身のステータスを今までみたことがない、というのにも理由がある。
望みはすべてお父様がかなえてくれたからだ。
大きなぬいぐるみがほしい、といえばぬいぐるみを手に入れることができたし、叫び声をあげれば、おつきのものが飛んできて、すぐさま願いをかなえてくれた。
だから、自分のステータスなど問題ではなかった。
だが、今は問題だった。
むしろステータスこそがすべてだった。
ここで自分に何かしらの才能を見つけなければ、死以外の選択はないのだ。
「ステータス!」とキャロラインは叫んだ。
すると、煌びやかな青い光の板が目の前に現れる。
そこに古の文字でこう書かれていた。
――――――――――――――――
キャロライン=ドンスター。
職業、特になし。
レベル 1
HP 5
MP 5
ちから 1
すばやさ 1
たいりょく 1
かしこさ 22
運 56893
スキル 交渉術
――――――――――――――――
「なにかしら……これ……」
まず、この数字が何を意味するのかよく分からなかった。
1、というのは一番すごいって意味かしら? それなら私は何個も1があるわね。これはとてもよい、という意味かしら?
それともこれは10段階で評価されているのかしら、1が一番低くて10が一番高い……、といったような……
でも、それなら、かしこさと運の数字の説明がつかなくなる。
かしこさが22……、そして運が……五万? 五万!??
なにこれ……、そしてこのスキルなんなの?
「交渉術?」
よく分からない。なんなのこれは? 交渉ならさっき失敗したばかりだというのに。
だが、少なくとも分かったことが一つある。
ステータスの中では運の数字が五万ほどあるのだけど、それが「高い」ということを意味しないことだけは分かる。
何故なら、運が高かったのならまずこんな場所に置き去りにされるわけがないし、それになにより“あの人”から婚約破棄されることもなかった。
キャロラインの記憶は過去に飛ぶ。
一年前に。
それは金髪の王子ジークフリードと恋に落ちた時の記憶だった。
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