ポルターガイスト

sherry

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「ポルターガイスト」

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ポルターガイスト現象…。

誰もいないはずの部屋から物音がしたり、物が勝手に動いたりするシーンを想像するだろう。

しかし、「ポルターガイスト(Poltergeist)」とはドイツ語でpoltern(騒々しい音を立てる)+ Geist(霊)、すなわち「騒がしい霊」という意味の合成語である。

ついては、このように私が手を滑らせ落としてしまったカップからこぼれたコーヒーが、カーペットのシミになることを危惧しながらも

霊体であるがために手を出すことができない自分にイラつき、騒ぎまくっている彼女の行為もまた、「ポルターガイスト」と呼ぶにふさわしいのだろう。

彼女の名前は大槻春おおつきはる。先月27歳の誕生日を迎えた、俺の彼女だった人だ。

ボランティア精神に満ち溢れていて、近所の介護老人ホームで働いていた。

非常にお節介で、自分より年上である俺に対してもいつも小言が多かった。

今日もまた、お小言を言われる1日が始まるのだろう。

…しかしこれは彼女が生きていれば、の話であることを忘れてはならない。






そう、彼女は、春は、半年ほど前、車道に飛び出した少女をかばって車に轢かれ、亡くなったのである。





実に彼女らしいらしい最期だった、と皆が納得した。

葬儀の類はつつがなく終了し、彼女だけがいなくなった世界で、今までと変わらない日常が始まった。



はずだった。




その出来事はある日急に始まった。




彼女の霊…なるものが俺の部屋に現れたのである。
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