魔王の番

にーにゃ

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また、か

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ローブの男は自分の身長より少し低いくらいの杖をどこから出したのかパッと突然現れ、その杖を両手で持ち、何かの呪文を唱え始めた。

その男が呪文を唱え始めた瞬間に他のローブの人達も杖を持ち、呪文を唱え始めた。


「うわっ!なんだ!?」


灰石が一人で何か喚いている間に、ローブの人達の杖が淡く光ったと思ったら、その光が一番最初に呪文を唱え始めた男の杖の上の部分にある大きな石みたいものに集まった瞬間に、バタバタとローブの人達が倒れ始めた。


「(ええっ!?何!?何で倒れたんだ!?)」


俺が驚いて周りを見渡していたら、転入生が何か叫んでいる声が聞こえ、そちらを向くといつの間にか転入生が光っていた。


「うわああああ!!」


転入生を纏っていた光が無くなったと思った瞬間にローブの男も倒れた。


「神子!
俺の言葉が分かるか!?」


直ぐそばで見守っていた第二王子が倒れたローブの人達を気にすることもなく、灰石の側に近寄って話しかけた。


「おう!
それより、俺は神子って名前じゃない!
俺は灰石 燐だ!燐って呼んでくれ!!
お前の名前は何て言うんだ!?」


「やっとそなたと話が出来るな
リンと言うのか
俺の名はスペルビア・バアルだ
ぜひ、ビアと呼んでくれ」


「おう!ビアだな!」


「ああ、ではここから出よう
リンの部屋を用意してある」


「おう!そうだな、この部屋汚いしな!!」


そう言いながら、灰石は何を思ったのかパッと振り返った。


バチッ


「(げっ)」


「ああーー!!瑠璃と太陽!!」


「(さいあくだ)」


俺は思わず灰石から目を離し、隣にいる太陽の方を向いた。
太陽も同じ気持ちだったのか、目が合った。


「(どうする、太陽)」


「(目が合っちまったんだ、どうしようもないだろ)」


そんな会話を声に出さずにしていたら、


「リン、あの者達を知っているのか?」


「おう!あいつらは俺の親友だ!!」


「そうか、」


「おい!瑠璃、太陽、早く来いよ!!」


俺らは仕方なく体を起こし、灰石の元に向かった。


「ビア!こっちが瑠璃でこっちが太陽だ!なあ、こいつらも連れていっていいだろ!?」


「リンの友だからな、仕方あるまい」


「おう!ありがとな!!」


にっこりと笑った灰石に


「っああ!」


第二王子は目を見開いた後、嬉しそうにほほ笑んだ。


「(ああ、灰石に落ちたのかこの王子
またあの全寮制金持ち学園にいた時と同じようになるのか?)」


あの時はモサモサだったが、美形が多いあの学園でより綺麗な顔の生徒会の連中や顔面ランキングの上位のやつらを(灰石の何が良かったのか)虜にし、次第に学園内は荒れていった。




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