17 / 26
17.
しおりを挟む3日後、指定のお店にモニカと訪れた。すると、アクア様が来られていた。
「ルビーナ様、待っていましたわ。」
「ご無沙汰しております。アクア様。お待たせいたしました。あれ?」
「お手伝いしようと思って来てしまったわ。いいかしら?」
「喜んで。是非ともよろしくお願いします。」
大助かりだ。相場も何もわからない。お店の方にお任せ一択だったのだ。
こうしてアクア様とその侍女の方、お店の方、モニカがアレコレと指示を出しアイデアを出し、夜会用とお茶会用のドレスが数着ずつと即位式用のドレス、他は靴や小物も合わせて全部決まってしまった。
改めて出産祝いのお礼を言うと、双子に会いたいと言われた。
お世話になったし、エドワードに相談することにしよう。
3か月後に公爵家で夜会を開くそうだ。
大体の高位貴族が来るらしい。下位貴族は付き合いがあるか紹介がある家だけ。
何を言われても堂々としていればいい。噂話と陰口は暇な貴族の趣味だから。
こちらが反応しなければ話題はそのうちどんどん新しいものに変わっていく。
…なるほど。勉強になったわ。
ちなみに、聞いてみた。
『買われた妻』『お飾りの妻』『名目だけの妻』
どれが陰口の有力候補でしょうか?
答えは『お飾りの妻』でした!
という、今日の出来事をエドワードとニコラスに伝えた。
「うちは母がいないし、伯爵家の義母上も社交から遠のいているからな。
アクア夫人がいてくれて助かったな。
困ったら頼ればいい。喜んで教えてくれるし付き合ってくれるさ。」
「そういえば、ルビーナはダンスの腕前はどんな感じ?」
「…ニック様と一曲踊ると言ってましたね?必要ですか?」
「兄上の代わりに俺と踊るのは、みんな事情を知ってるから大丈夫だよ?」
「エド様と休憩室に行って、そのまま帰るというのは…」
「う~ん。おそらく、一曲勧められそうかな?
俺とじゃなかったら主催の宰相と踊ることになるかもよ?令息じゃなくて父の方。」
「…だろうな。からかうのが好きだし踊るのも好きだし。
ダンスしながら、いろいろ聞かれるぞ?結婚の仲介者だしな。」
忘れてた!事情に詳しい人だ。親に売られた私をニヤニヤ見そう。…顔、知らないけど。
「ニック様とダンスします!ダンスは何年も踊っていません。練習したいです。」
「俺も久々だよ。一緒に練習しようか。それとも講師が必要?」
「それほどひどくはないかと。学園でも誰の足も踏まなかったし。逆に踏まれたけど。」
「はは。ならよかった。」
そうだった。アクア様のお願いが…
「エド様、アクア様が双子に会いたいと言われていました。
お世話になったので会わせてもいいですか?
屋敷が立ち入り禁止なら、テラスとか…」
「そうだな。テラスとサンルームなら使ってもいい。
夜会後の方がいいだろう。噂話がたくさんあって話題が尽きないぞ。
イアンの夫人も呼ぶといい。
双子も生後半年くらいになっていいんじゃないか?」
「そうですね。ありがとうございます。」
許可をいただけてよかった。
さあ、ダンスの練習。と思ったが靴を見て目を逸らした。
こんなヒールで踊れる?絶対に無理だ。コケる自信がある。
まず、ヒールに慣れる必要がある。
ダンスの練習は低い練習ヒールから始めることにしよう。
これを伝えると、思った通り。
エドワードは後ろを向いて肩を震わせてる。…どうぞ笑って?
ニコラスもコケそうになっても踏まれても支えるよ。って笑ってる。
とりあえず踊ってみる。エドワードは現状を把握するために見学。
ん?意外と足が覚えてる?
「ルビーナは足を意識し過ぎて上半身が傾いている。そして顔を上げろ。」
エドワードの指示で体勢を直す。
「ニックはヒジの位置が下がってる。」
ニコラスも直す。
「夫婦や婚約者ではないので見つめ合い過ぎないように。噂の種だぞ。
念のため、3曲踊れるくらいに体力を配分すること。
あとはヒールを徐々に高くして頑張れ。
思ったよりも二人とも踊れてるよ。」
…ホッとした。双子を抱く時以外はヒールに慣れることにしよう。
329
あなたにおすすめの小説
【10話完結】 忘れ薬 〜忘れた筈のあの人は全身全霊をかけて私を取り戻しにきた〜
紬あおい
恋愛
愛する人のことを忘れられる薬。
絶望の中、それを口にしたセナ。
セナが目が覚めた時、愛する皇太子テオベルトのことだけを忘れていた。
記憶は失っても、心はあなたを忘れない、離したくない。
そして、あなたも私を求めていた。
離婚を望む悪女は、冷酷夫の執愛から逃げられない
柴田はつみ
恋愛
目が覚めた瞬間、そこは自分が読み終えたばかりの恋愛小説の世界だった——しかも転生したのは、後に夫カルロスに殺される悪女・アイリス。
バッドエンドを避けるため、アイリスは結婚早々に離婚を申し出る。だが、冷たく突き放すカルロスの真意は読めず、街では彼と寄り添う美貌の令嬢カミラの姿が頻繁に目撃され、噂は瞬く間に広まる。
カミラは男心を弄ぶ意地悪な女。わざと二人の関係を深い仲であるかのように吹聴し、アイリスの心をかき乱す。
そんな中、幼馴染クリスが現れ、アイリスを庇い続ける。だがその優しさは、カルロスの嫉妬と誤解を一層深めていき……。
愛しているのに素直になれない夫と、彼を信じられない妻。三角関係が燃え上がる中、アイリスは自分の運命を書き換えるため、最後の選択を迫られる。
【完結】 愛されない私と隠れ家の妖精
紬あおい
恋愛
初恋は心に秘めたまま叶わず、結婚した人まで妹を愛していた。
誰にも愛されないと悟った私の心の拠りどころは、公爵邸の敷地の片隅にある小さな隠れ家だった。
普段は次期公爵の妻として、隠れ家で過ごす時は一人の人間として。
心のバランスを保つ為に必要だった。
唯一の友達だった妖精が、全てを明かした時、未来が開ける。
【完結】旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!
たまこ
恋愛
エミリーの大好きな夫、アランは王宮騎士団の副団長。ある日、栄転の為に辺境へ異動することになり、エミリーはてっきり夫婦で引っ越すものだと思い込み、いそいそと荷造りを始める。
だが、アランの部下に「副団長は単身赴任すると言っていた」と聞き、エミリーは呆然としてしまう。アランが大好きで離れたくないエミリーが取った行動とは。
「離婚しよう」と軽く言われ了承した。わたくしはいいけど、アナタ、どうなると思っていたの?
あとさん♪
恋愛
突然、王都からお戻りになったダンナ様が、午後のお茶を楽しんでいたわたくしの目の前に座って、こう申しましたのよ、『離婚しよう』と。
閣下。こういう理由でわたくしの結婚生活は終わりましたの。
そう、ぶちまけた。
もしかしたら別れた男のあれこれを話すなんて、サイテーな女の所業かもしれない。
でも、もう良妻になる気は無い。どうでもいいとばかりに投げやりになっていた。
そんなヤサぐれモードだったわたくしの話をじっと聞いて下さった侯爵閣下。
わたくし、あなたの後添いになってもいいのでしょうか?
※前・中・後編。番外編は緩やかなR18(4話)。(本編より長い番外編って……orz)
※なんちゃって異世界。
※「恋愛」と「ざまぁ」の相性が、実は悪いという話をきいて挑戦してみた。ざまぁは後編に。
※この話は小説家になろうにも掲載しております。
愛しい人、あなたは王女様と幸せになってください
無憂
恋愛
クロエの婚約者は銀の髪の美貌の騎士リュシアン。彼はレティシア王女とは幼馴染で、今は護衛騎士だ。二人は愛し合い、クロエは二人を引き裂くお邪魔虫だと噂されている。王女のそばを離れないリュシアンとは、ここ数年、ろくな会話もない。愛されない日々に疲れたクロエは、婚約を破棄することを決意し、リュシアンに通告したのだが――
唯一の味方だった婚約者に裏切られ失意の底で顔も知らぬ相手に身を任せた結果溺愛されました
ララ
恋愛
侯爵家の嫡女として生まれた私は恵まれていた。優しい両親や信頼できる使用人、領民たちに囲まれて。
けれどその幸せは唐突に終わる。
両親が死んでから何もかもが変わってしまった。
叔父を名乗る家族に騙され、奪われた。
今では使用人以下の生活を強いられている。そんな中で唯一の味方だった婚約者にまで裏切られる。
どうして?ーーどうしてこんなことに‥‥??
もう嫌ーー
最強魔術師の歪んだ初恋
黒瀬るい
恋愛
伯爵家の養子であるアリスは親戚のおじさまが大好きだ。
けれどアリスに妹が産まれ、アリスは虐げれるようになる。そのまま成長したアリスは、男爵家のおじさんの元に嫁ぐことになるが、初夜で破瓜の血が流れず……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる