好きな人に振り向いてもらえないのはつらいこと。

しゃーりん

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レーゲン公爵家に戻り頭を抱え込んでいたエドモンドのところにビクターがやってきた。


「あれれ?今日、バーナー伯爵家に行っていたんだよな?何か失敗した?」
 
「……ああ。いろいろと失敗した。リゼルは決して私の子供だと言わなかったどころか私に生殖能力がないと知ると話し合う必要はないから帰れと言われて……だが、シモーヌが捕まるまでは生殖能力があったかもしれないということを言うと、子種を殺す薬を飲ませた人物は誰かと言われて……まだ公爵家に残っている使用人の可能性もあるということに気づいた。」

 
そうなんだ。まだこの公爵家の中にいるとしたら、こんなところにレイフォードを連れてくるわけにはいかないのだ。あの子まで生殖能力を無くすことになったら?今度こそ、レーゲン公爵家直系はお終いだ。


「そっか。その犯人捜しがまだだったね。っていうか、レイフォード君、そっくりだったろ?
どう見てもお前の子供。だから、子種が殺されたのはシモーヌが捕まってからで間違いないだろうね。」

「あぁ。似ていたよ。離れた場所から見ただけだけど。」
 

リゼルは認める気がなかったけど。


「他には?何を失敗したんだ?」

「……子供だけでなくリゼルも公爵家に迎えたい、と。」

「お互い、結婚しているのに?レイフォード君以外にもリゼル夫人には子供がいるのに?」

「だが、レイフォードが一人でこっちに来るか、エヴァンとの子供を置いてくるかだろう?
どちらにしろ、父親が違うんだから子供が別々に暮らせばリゼルはどちらかを選ぶことになる。」

「で?拒否された、と。当然だろうな。」

「それで、つい、公爵家の跡継ぎになれるのに息子の将来を潰す気か、と……」

「あちゃー。お前、公爵様にも言われただろう?リゼル夫人は地位を望む女じゃないって。」

「だけど、息子のことを考えればうちの跡継ぎになれるのはいいことだろう?バーナー伯爵家は継げないんだし。
だが、それなら復縁を望まれた時に受けていたと言われた。」 


そうなんだ。その時、失敗したって気づいた。こんな考えではリゼルは余計に頑なになってしまう。


「前に復縁を言ったって聞いた時も思ったんだけど、エドモンドはリゼル夫人が好きなの?」


はぁ?リゼルを?なんで……私はシモーヌを……もう好きじゃないんだった。 


「別に好きと思ったことはないが。」

「そう?じゃあ何で復縁しようと思ったんだ?しかも不妊かもしれない元妻を。非情だけど、言わない選択もあったし、言ったとしても責任とって再婚する必要まではないんじゃない?
今回も、どちらも結婚しているんだからリゼル夫人は必要ないし。
なのに、お互いに離婚してリゼル夫人を妻にしてレイフォード君と3人で家族になろうと思ったんだろ?
好きじゃなきゃ何なの?」


何って……何だ?何なんだ?ひょっとしてビクターの言う通り、私はリゼルが好きなのか? 

夜会でエヴァンと話していたことに嫉妬したのはそういうことか?
他の男とキスしていたことに腹が立ったのも?
自分が離婚を言ったのに逆に捨てられた感覚に陥ったのも?
リゼルに失望されたのだと思うとショックだったのも?
子供と共にリゼルにも戻ってきてほしいと思ったのも?

リゼルが愛を望むのであれば、演じることはできると思ったが、演じる必要はない? 


 


 
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