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そして、義父であるエメック侯爵がカールストン公爵と共に一連の経緯を国王陛下に話しに行った。
「どうなるでしょうか?」
「どうかしらね?極刑にはならないでしょう。王家の醜聞にもなるし。」
「王太子妃と公爵に、陛下も負い目があるんじゃないかな?」
ブランシェの問いに、義母とアンゼムがそう答えた。
アンゼムの膝の上には長男エルシス、私の膝の上には長女パッティ、義母の膝の上にはグレースがいた。
もうすっかり三人兄妹みたいになってきている。
「負い目って、息子である王太子殿下が公爵の婚約者を奪ったから?」
「そう。だって、二人を引き離しておいて大切にしなかったんだから。」
確かに。
「妃殿下に一目惚れしたのは本当かもしれないけれど、公爵への嫌がらせで奪ったのかも。」
オフィーリア王太子妃殿下はとても美しい。
それに、実家は公爵家。
王族の自分の方が力があると見せつけたくて。
公爵にも、オフィーリア様にも。
相思相愛の二人を引き離すくらいに欲したのであれば、一途であってほしかった。
まぁ、それは所詮ブランシェの願いであって、浮気する男は多いとわかっている。
それでも、同じ女性と長く続く関係って、妻よりもその女性との体の相性がいいって言っているようなもので嫌だと感じてしまう。
アンゼムの浮気も、もう気にしないつもりなのに、時々こうして胸が痛むのはどうしようもない。
一夜の遊びだったしブランシェがいなかったせいだから、と自分に言い聞かせて慰めるしかない。
気は強いけれど、内面はウジウジしてるのよ、私は……
そして義父が帰ってきた。
「どうなりましたか?」
三人に詰め寄られて、義父は苦笑した。
「大きな咎めはないな。」
ブランシェはそれを聞いて、ホッとして大きく息を吐いた。
「禁術を使ったことは咎められなければならないことだが、魔術師は死んでいる。
写した書物は処分となるが、何を誰にどう使ったかを公表することはできないからな。
だが昔はよく使われていた魔術でもあり、代理母を勝手にブランシェに代えたのはリンゼということもあり、大きな咎めにはならなかった。」
「グレースはどうなるのですか?」
「グレースは、カールストン公爵の庶子として認められることになる。親子鑑定をした上でな。
しかし、グレースはカールストン公爵家の跡継ぎとは認められない。結婚した妻との間に子をもうけないのであれば親戚から養子を迎えるよう命じられた。
王子殿下たちとは父親違いの兄妹になるから、万が一にでも恋仲になるようなことがあっては困るとのことだ。」
グレースがカールストン公爵家を継ぐとなれば、第二王子殿下の婿入り先に最適だから?
第一王子殿下とは歳が離れすぎているから妃にと望まれる可能性は低いけれど、嫡子ではなく庶子とすることで相応しくないと認識させるのね。
「そして、これは命令ではなく打診だが、グレースをエルシスの婚約者にどうか、と。
もちろん、今すぐに決めなければならないわけではない。ただ、グレースの素性を知っている我々が最適なのではないかとのことだった。どう思う?」
どうって言われても……
血は繋がっていないけれど、自分が産んだことでグレースは娘みたいなもの。
エルシスは兄で、グレースは妹。
だから、婚約者に、と言われても微妙なんですけど。
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