側妃としての役割

しゃーりん

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翌日にはフェリシアは自分の部屋に戻った。
慣れた私室で体調を整えていく方が落ち着くからだ。

乳母もいるが、昼間はできるだけ母乳を与えることにした。
夜は…国王が自分の側から離さないだろう。
それは全員一致の意見だったので、乳母に任せることにした。


ソファに座り、今後の予定を確認していたところ、王妃がやってきた。

「フェリシア、お疲れさまだったわね。おめでとう。そしてありがとう。
 あなたのお陰で私も安泰よ。」 
 
「アンバー様、無事にお役目を果たせてホッとして…とても嬉しいです。」

「重圧を感じる前に妊娠がわかって、あなたにはよかったようね。
 私も王子様に会えるかしら?」

「もちろんです。」

フェリシアはアンバーを連れて王子サイラスのもとへ向かう。
生後ひと月は連れてきてもらうのではなく、自分たちが王子のもとへ行くのだ。


「っまあ。陛下そっくりではなくって?」

そうなのだ。しわくちゃ顔が落ち着くとかわいい国王にしか見えない。
フェリシアの要素はどこへ?というくらい見当たらない。
それがフェリシアには堪らなく嬉しかった。

「フェリシア。次は女の子もいいわね。今度はあなたそっくりがいいわ。」

「そんな…産み分けができるものなのですか?」

「嘘か真かわからないような言い伝えはあるわね。偶然が重なった結果だとは思うけれど。
 食事に関することが多いわね。あとは体位?」

ポッとフェリシアは顔を赤くする。

「それで違いがあるのですか?」

「信じられないわよね。試してみる気があるなら教えるわよ?」

真っ赤な顔のまま首を横に振った。




王妃アンバーは私室に戻り、侍女にお茶を入れさせた後、下がらせた。
護衛騎士で恋人ショーンと二人きりになる。

「びっくりするくらい陛下そっくりだったわ。」

アンバーは思い出して笑っている。

「遠目に拝見しましたが、そうでしたね。」

アンバーの隣に座り、髪に触れながらショーンが言った。

「陛下がフェリシアにぞっこんになったのは直ぐにわかったけど、閨に関しては意外ね。
 真面目だから淡泊って思ったけど執拗なのかしら?
 可愛がってるとは思ってたけどフェリシアの様子だと、いろんな体位も経験済ね。
 お風呂にも一緒に入ってそう。」

「フェリシア様は陛下に従順だから、受け入れるでしょうね。」

「私は従順じゃない?」

アンバーが今にも口付けしそうな距離でショーンに尋ねる。

「あなたも私に従順ですよ。こんな野獣のような男に振り回されてくれるのですから。」

荒々しく噛みつくように口付けをし、アンバーを横抱きにしてベッドに向かう。
まだ夜にもなっていないが予定が入っていないため、このまま朝まで二人きりだ。

アンバーの胸の周りや太股の周りには歯形や吸い跡がいくつもある。
ショーンは痛みを与えて自分を相手に刻みつけるのを好み、跡が消える暇はない。
行為も些か荒っぽく、執拗だ。
そんなショーンの性癖をアンバーはもちろんフェリシアが側妃になった後、身をもって知った。
ショーンしか知らないアンバーだが、いろんな情報を持っているので通常の行為ではないとわかった。
しかし、そんなショーンをアンバーは受け入れる。意外と痛みを気に入っていた。

激しく攻めたてられたアンバーは感じすぎて意識を飛ばした。
それでもショーンは精を出すまで止まらない。

意識のないアンバーを風呂へ連れていき、体を綺麗にする。
その際、目が覚めればそのまま行為が再開される。

そのうち後ろの穴も開発しようとショーンが考えていることをアンバーはまだ知らない…

これが、この二人の日常であった。

侍女たちは事情を知っているため何も言わないが、歯形には驚かされる。
綺麗な肌に歯形…だがドレスを着ても絶妙に見えない場所。
ドレスの下の歯形を想像できるだけに、変な性癖が芽生えそうな侍女もいたとか…








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