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シャルロッテと侍女が部屋に戻った後、両親に詳しい話を聞いた。
「シャルの保護が理由の婚約ってことであってる?」
「そうだ。ウォルト殿はジャクリーン様からシャルロッテを守りたかった。
はじめは、チェルシーの実家の侯爵家に相談したんだが、チェルシーの兄は王宮勤めだ。
王家に睨まれるのは出世に響くからね。
なら、うちはどうかとなったそうだ。
援助額に目が眩んだ。そう思ってくれていい。領民のためだからね。
だけど、シャルロッテの身の安全を守ってやりたいと思ったのも事実だ。」
「婚約する必要あった?」
「…ない。だが、ここにいる理由が強固になる。
ただの保護だと、養女にすればいいと言われる可能性もある。
でもシャルロッテは公爵令嬢だ。
それはさすがにジャクリーン様も自分が非難されるとわかるだろう。
預かっているだけなら、別の場所に移動すると言われれば文句は言えない。
その点、婚約者の家で預かるということは正当性が高くなるからな。
理不尽な要求にも対応できるようになる。」
「そっか。ジャクリーン様は一応義母だから、その遣いと言われれば引き渡すしかない。
だけど、婚約者として預かっている貴族家に無理は通せない。ってことだね。」
「すまんが、15歳までに状況が変わらない限り婚約者のままだと思う。
それ以降は学園の寮に入れるし、密かに身分に合う新たな婚約者が用意されるはずだ。」
「あと10年ちょっとってことか?28歳くらいか…」
「お前の嫁は…それからだな。すまん。」
「いや、こんなに援助してもらったんだからいいよ。
あのままだったら、10年後でも嫁は見つからなかっただろうしね。」
「…伯爵家そのものがなくなってたかもな。」
ははは。と両親と乾いた笑いをするしかなかった。
その頃、部屋に戻ったシャルロッテは喜んでいた。
「シャルって呼んでくれたね。頭を撫でてくれたね。」
シャルロッテをシャルと呼ぶのは、もう父親しかいないと思っていたのだ。
「ジェット様は、学園に入学される前に数日間だけ公爵家にお泊まりだったと聞いています。
その頃にお呼びになって下さっていたようですね。」
「ジェット、遊んでくれる?」
「お優しそうな方に見えましたので、お願いしてみては?」
「うん。ジェットはずっとここにいる?」
「学園の長期休暇ですからひと月ほどでしょうか?その後はまた学園に戻られます。
ですが、卒業したらずっとここにいるはずですよ。」
「いつ卒業するの?」
「半年後くらいですね。シャルロッテ様が5歳になられた少し後です。」
シャルロッテは、シャルと呼んでくれるジェットがとても気に入っていた。
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