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しおりを挟む私が純潔を失ったのは、学園の卒業パーティーでのことだった。
友人と楽しく話をした後、婚約者だった元夫に呼ばれてそばに言った。
手渡されたお酒が強すぎたのか、目が回り始め、休憩室で休むことにした。
ソファで休んでいると、数人の男たちが入ってきたのはわかったけれど目を開けられなかった。
『よく眠っているな』
『誰からヤルんだ?』
『そりゃあ婚約者の俺だろ』
『捨てる気なのに婚約者だなんてよく言うよ』
『可愛いのにもったいない』
『だけどアイツがうるさくて』
『馬鹿な女に引っかかったせいだな』
『まさか純潔だったとは知らなかったんだよ』
『この子は複数人と関係を持ったって婚約破棄するんだろ?』
『この仮面邪魔だな』
『目を覚ましたら顔がバレるから仕方ない』
『じゃ、やるか』
『ベッドに運ぼうぜ』
『お前ら、そういう会話は他に人がいないかを確認してからするものだ』
『……あ……』
『外に出ろ』
他にも誰かいたのかな?助けてくれた?
…………誰かが髪を撫でてくれている。あ、ちょっと目が開く。
仮面の男?
助けてくれたわけじゃなかった?
『君を襲おうとしていた連中は返したよ。……婚約者がいたことに気づいた?』
声が出ないので頷いてみた。
『奴と取引をした。3年だけ、奴と結婚してくれ。手出しはさせない。白い結婚だ。
3年で離婚できる。その約束だ。奴には恋人がいるから放っておけ。
必ず3年後には迎えに来る。……妻にはできないが大切にするから。
奴には君の純潔も私が貰うとも言っておいた。
散々脅しておいたから君に手を出すことはないと思うが、君の純潔が欲しい。
私の初めての相手は君がいいんだ。
今後、抱きたくもない女を抱かなければならない。
その前に君を抱きたい。いいか?』
良くはないだろう。3年後に迎えに来てくれても愛人ということだ。
頭がちゃんと働いていないけれど、婚約者と婚約解消する手段もあるのに、それをさせない。
別の嫁ぎ先を探さないように純潔を奪おうとしているようにも思える。
よくわからないけれど、この人は私に執着しているようだ。
それに、この人は懇願しているように見せかけて、抱く以外の選択肢を考えていない。
つまり、逃げられないのだ。
拒否すると手荒にされる恐れもあるので、仕方なしに頷いた。
複数人に抱かれるよりも、この人ひとりの方がいいのは当然だから。
体を抱き上げられたのがわかった。ベッドに運ばれるようだ。
それにしても、眠気は覚めているのに目もほとんど開かないし体も動かせない。
お酒に酔うってこんな状態になるの?違うよね?
「奴らは君に、強めの酒の中に痺れ薬を混ぜたらしい。数時間で治るから心配ないよ。」
そう言った直後、唇にキスをされた。
柔らかく食みながら、角度を変えて何度もキスをする。
「私の初めてのキスも君のものだ。君は初めてかな?そうだといいが。」
……この人の声は、私が憧れていた王太子殿下のものに似ている。
婚約者のハイネ様と仲睦まじい王太子殿下がこの人であるはずはないけれど。
この人が誰かもわからないけど、あの婚約者に抱かれるよりマシだと思いたい。
なら、いっそのこと王太子殿下に抱いて貰っているって妄想するのは勝手よね?
私の唇を舐めてから口内に侵入してきた舌の動きに翻弄されながら、相手が王太子殿下であると脳内変換することにした。
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