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しおりを挟むエリーゼは何か土産はないのかと顔を見せたが、そう言えば何も買ってこなかった。
というか、少し前まで王都にいたのに、王都の土産を欲しがるものなのか?
誰かに土産というものを買ったことがないザッカルドにはわからなかった。
結局、エリーゼは怒って部屋に戻ってしまった。
これが欲しいと言われなければ、買ってくることもできないのに。
屋敷の料理人トマスが、領地で採れる作物が余っている話をしてくれた。
他領に卸していた作物を、前領主が値上げしたために買ってもらえなくなったらしい。
適正価格に戻して、買ってくれるところを探す必要がありそうだ。
それから、エリィたちが内職した物を纏めて買ってくれている商会が、適正価格で買い取っていないのではないかという疑惑もあるという。
エリィも微々たる金だと言っていたから、調べる必要がある。
そして、治安がよくないためにエリィたちの年代の女性は働きに出るのが怖くて内職をしているとか。
街の治安警備とも話し合う必要がある。
4日しか領地にいることができないのに、しなければならないことが多かった。
そして、また、王都での仕事の合間にウォレスたちに話を聞いてもらった。
「なるほどな。じゃあ、ちゃんと領主の代理として動ける管理者に変更するか。」
「え?伯爵領になったのに、まだ管理者を置いてくれるのですか?」
今の管理者は引き継ぎのために残っているだけだと思っていた。
「通常の領地管理は、領主の身内や親戚がすることが多い。だが、サルエラは領主を罰して王領になったから、国から派遣された管理者になった。管理者はただ纏めて報告するだけの者が多いから、親身にならない。
だけど、中にはいろいろ動きたいって者もいるんだ。」
「側近になるようなものですか?」
「そうだな。お前の意を汲んで動いてくれるような奴を手配しよう。」
「ありがとう。」
「だが、何でも困ったら俺たちが手配してくれると思うなよ?これは領地経営が初めてのお前では領民が気の毒だからこそ、手を貸すんだ。あの女が全く役立たないみたいだしな。」
「はい。」
「こうして自分から動けるようになったことは進歩だ。お前の領地だからって自分勝手にしていいわけじゃない。いっぱい悩め。助言はしてやるけど、信用できる仲間を自分でも見つけろよ。」
「わかりました。」
そうか。どの貴族も王都にいながらも領地が困っていないのは、領地を管理してくれる仲間がいるからか。
たとえ、一代伯爵であっても一緒に頑張ってくれる者がいれば心強くなるだろう。
父、国王陛下にとってのウォレスたち、とまではいかなくとも。
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