妻の選択と夫の決意

しゃーりん

文字の大きさ
9 / 18

9.

 
 
第二夫人になるシェリーナの部屋は、継母にダメ出しされたり誘導されたりしながら、それでも満足のいく部屋に仕上がったという。

継母が関わった以上、メルヘンチックではないだろうとアレクシスは内心ホッとしていた。


そして、シェリーナが正式にアレクシスの第二夫人としてボッティ侯爵家に嫁いで来た。
 
今日ばかりはフローラも第一夫人として歓迎するために、みんなで晩餐をすることになる。


「シェリーナさん、よろしくね。」


フローラがシェリーナにそう言うと、シェリーナが答えた。


「えっと、フローラ様?子供を産むのは任せて下さい!教育はお任せしますね!」

「え……?ええ。ありがとう?」
 

シェリーナの思わぬ返しにフローラも返答に困っていた。

アレクシスも初日から何を言い出すのかと驚いた。
彼女のこういうところが貴族として不安を覚えるところであり、また憎めないところなのかもしれない。
 
継母は大きなため息をついており、明らかに自分の人選が間違ったと後悔しているだろう。


こうして食事のマナーもギリギリ及第点、いや、及第点に近い落第点というところだったが、シェリーナがアレコレと質問して終始楽しそうに話をしていたことで場の雰囲気は悪くなかった。

父と継母は義娘ではなく孫を、フローラは妹を見守るような目でシェリーナを苦笑しながら見ていたが。
 
それでもシェリーナは、殺伐としたボッティ侯爵家に新たな風を吹き込んだ気がした。




アレクシスは湯浴みを済ませ、シェリーナの部屋へと向かった。

初夜である。

侍女からシェリーナの準備は済んだと連絡があった。
 
純潔の女性を抱くのはフローラ以来である。
アレクシスは少し緊張しながらも、興奮もしていた。

純潔の女性は面倒だという男もいるが、アレクシスは一度しかない初めての相手になれることは光栄なことだと思っている。

それに、フローラの時よりも確実に優しくしてやれるし、痛みだけは我慢してもらうしかないが、気持ちよくしてやれるとも思っていた。

跡継ぎを孕ませるために抱くのだが、お互いに満足しなければ意味がない。
アレクシスの性欲の発散のために、妻の義務として応じてもらうということは避けたかった。

フローラも毎回、満足してくれていると思っている。 
なので、妻になったシェリーナにもそう思ってもらえるよう、努力するつもりでいる。

 

ベッドに腰かけてアレクシスを待っていたシェリーナは、煽情的な夜着を着ていた。
 
と思えば、自分でその夜着を脱いでしまった。


「アレクシス様、可愛がってくださいませ?」


素っ裸で首を傾げるシェリーナの意表を突く言動にクラッときた。


「……誰に教わったんだ?その台詞は。」

「母です。」


彼女の母はそうやって伯爵を魅了したのか?

シェリーナは、可愛い顔とアンバランスな肉体を持っていた。

割と豊満で形の良い胸にくびれた腰、丸みを帯びた尻にスラっとした脚。

芸術作品のようだった。
 

魅了するその姿に、アレクシスはかつてないほど興奮した。

 

あなたにおすすめの小説

【完結】今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~

コトミ
恋愛
 結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。  そしてその飛び出した先で出会った人とは? (できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)

あなたの隣に私は必要ですか?

らんか
恋愛
政略結婚にて、3年前より婚約し、学園卒業と共に嫁ぐ予定であったアリーシア。 しかし、諸事情により結婚式は延期され、次の結婚式の日取りさえなかなか決められない状況であった。 そんなアリーシアの婚約者ルートヴィッヒは、護衛対象である第三王女ミーアの傍を片時も離れようとしない。 月1回の婚約者同士のお茶会もすぐに切り上げてしまい、夜会へのエスコートすらしてもらった事がない。 そんな状況で、アリーシアは思う。 私はあなたの隣に必要でしょうか? あなたが求めているのは別の人ではないのでしょうかと。 * 短編です。4/4に完結します。 ご感想欄は都合により、閉じさせて頂きます。

【完結】白い結婚はあなたへの導き

白雨 音
恋愛
妹ルイーズに縁談が来たが、それは妹の望みでは無かった。 彼女は姉アリスの婚約者、フィリップと想い合っていると告白する。 何も知らずにいたアリスは酷くショックを受ける。 先方が承諾した事で、アリスの気持ちは置き去りに、婚約者を入れ換えられる事になってしまった。 悲しみに沈むアリスに、夫となる伯爵は告げた、「これは白い結婚だ」と。 運命は回り始めた、アリスが辿り着く先とは… ◇異世界:短編16話《完結しました》

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑

岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。 もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。 本編終了しました。

従姉と結婚するとおっしゃるけれど、彼女にも婚約者はいるんですよ? まあ、いいですけど。

チカフジ ユキ
恋愛
ヴィオレッタはとある理由で、侯爵令息のフランツと婚約した。 しかし、そのフランツは従姉である子爵令嬢アメリアの事ばかり優遇し優先する。 アメリアもまたフランツがまるで自分の婚約者のように振る舞っていた。 目的のために婚約だったので、特別ヴィオレッタは気にしていなかったが、アメリアにも婚約者がいるので、そちらに睨まれないために窘めると、それから関係が悪化。 フランツは、アメリアとの関係について口をだすヴィオレッタを疎ましく思い、アメリアは気に食わない婚約者の事を口に出すヴィオレッタを嫌い、ことあるごとにフランツとの関係にマウントをとって来る。 そんな二人に辟易としながら過ごした一年後、そこで二人は盛大にやらかしてくれた。

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

【完結】他の人が好きな人を好きになる姉に愛する夫を奪われてしまいました。

山葵
恋愛
私の愛する旦那様。私は貴方と結婚して幸せでした。 姉は「協力するよ!」と言いながら友達や私の好きな人に近づき「彼、私の事を好きだって!私も話しているうちに好きになっちゃったかも♡」と言うのです。 そんな姉が離縁され実家に戻ってきました。