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しおりを挟むリリスティーナの父、クレベール公爵は騎士団長と共に国王陛下に謁見を申し出、受け入れられた。
公爵は、娘リリスティーナが王太子殿下の命により研究者たちに実験台のように扱われ、命を落としたことを報告した。
「どういうことだっ!自分の体を実験台にされていたとはっ……なんということだ。致命傷を治癒する前に命を落としてしまったのだな。そんな傷を負わせたとは愚かな……」
リリスティーナは自ら死を選んだと言ったが、そのことを彼女の精神体から聞いたと話すと頭がおかしくなったと思われることは間違いないので、公爵は言わなかった。
「そもそも、研究施設にいたのも娘の意思ではなく王太子殿下が無理やり監禁していたようです。
未知の魔力を怖がったからというのも殿下の作り話、婚約解消を娘から言い出したというのも殿下の嘘だったようです。我々は騙されていました。」
「なんとっ!ウォルタスの奴め、謀りおってっ!!」
「リリスティーナが治癒を発現するきっかけになった殿下の傷ですが、殿下の浮気相手の婚約者に切られたと判明しました。その男は殿下の護衛に命を奪われたとのことです。
娘との婚約解消は、その浮気相手を新たな婚約者にするつもりでのことだと思われます。」
「……なんと浅はかなことを。リリスティーナ嬢を裏切っていたことが発端とは。」
「私は大切な娘を軽んじた王太子殿下に厳罰を望みます!!」
国王陛下は目を瞑って葛藤しているかのように見えた。
「……ウォルタスの言い分を聞こう。騎士団長、扉の外の者に連れてくるように伝えてくれ。」
「はっ!」
公爵は国王陛下が有耶無耶にする気なのではないかと疑った。
「……そんな目で見るな。リリスティーナ嬢のことは本当に気の毒だった。
ウォルタスの言ったことを信じていた。彼女が自分の力を恐れ、それでも国のために活かせるように力を研究したいと自ら婚約解消と研究施設に行くことを選んだのだと。」
「家族に何の挨拶もなく向かうような娘ではありません。何度も会わせてくれるように頼み続け、ようやく会えると思えば前日に死んでいた。前日ですよ?奴らは娘が亡くなったことをすぐに知らせなかった。
挙句、魔力の暴走で黒焦げだと嘘をついて。開けるなと言われた棺を開けてみれば、抉られた目と切られた足が顔の真横にありました。」
棺に入れてしまえば証拠隠滅できるとでも思ったのか。
死者への冒涜ももいいところだ。
国王陛下は想像したのだろう。口元を手で押さえていた。
「娘は死ぬために殿下を死の淵から救ったのでしょうか?そんなはずはない。
心優しい娘は今後何人もの命を救ったことでしょう。陛下もそれを期待しましたよね?
あの子と婚約解消したかったのであれば、殿下はそう言えばよかった。
それなのに、50年、研究施設から出さないように命じていたのです。」
「50年?!」
「ええ。何やら術まで施して娘を閉じ込めたらしいですよ。」
これは研究者たちから聞いたことではないが、禁術使用に関しても殿下は罰せられるべきだ。
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